麻布十番で働くCEOのBlog(旧・南麻布で働く社長のblog)

成功報酬型求人メディアGreenの運営や、インターネットサービスの企画・開発を行う株式会社アトラエの社長のblogです。

2011年10月

10月より第9期に突入し、組織体制や役割分担もいろいろと変化。

私自身も前期までは経営を担いつつも、主力事業Greenの執行責任者と新規事業のサポートと管理部門のサポートという執行現場での複数の草鞋を履いていたが、今期からはその体制を少しづつ変えていく。

まず主力事業であるGreenの事業責任者を任命し、私自身は執行からは少し離れることに。
管理部門についても、1月から最適任者を一人異動してもらうことで、私自身の実務作業を最小化する。

その上で自由になった時間を以下の3つに重点的に投下しようと考えている。

1.新規事業の立ち上げ
2.人材採用&人材育成
3.中長期戦略の策定

1は、3月末までの上半期の主要ミッション。
年始を目処にサービスリリースする予定の新規事業を、如何にスピーディーに軌道に乗せるか。
当該事業は私自身が本格的に関わることで、社内でも重要な事業として認識してもらうとともに、関わるメンバーにも極めて本気でやってもらうつもり。

2は、今後の複数事業の立ち上げなどを考えれば、近い将来私以外の事業責任者やマネジメントを担う人材が複数必要になるのは明確であり、今からそういった人材の育成と戦略に沿った人材採用を行って行く必要がある。

3は、4月以降の下半期の主要ミッション。
I&G Partnersの3〜5年という長期スパンでの成長戦略を描ききるつもりでいる。


私の一年はおおよそこんなイメージで、上記に加えて新卒採用の説明会や、営業の同行などなど、様々な業務は発生するものの、メリハリをつけて取り組んでいかないとさすがに回らない。


今期は既存事業の売上&利益の成長は当然のことながら、何よりも新規事業が本格的に立ち上がり、収益貢献するのが楽しみでならない。

今期中に主要事業を3〜4事業に増大し、来期からは各事業ごとに事業責任者を任命し、一部の事業は子会社化することも視野に入れつつ取り組んでいきたい。

いわば今期は種を撒き芽を育てる期で、来期は成長して実った果実の収穫が始まる期。
海外展開も含めて各事業パラレルに高速で拡大していく。

このあたりのリソース分散とも思えるようなチャレンジングな舵取りを如何にさばききるかが勝負。
そのためのあらゆる想定、準備はしっかりと行いつつ、挑戦的な経営をしていきたいもの。

今期もいろいろと忙しい期になりそうだけど、創業以来続いていた現場の執行責任者から、いよいよ少しづつながら経営に自分の軸足を移していくことができそう。

やっと少しは社長らしく働けるかな(笑)。

ビジネスに意欲的な社員ほど良く本を読んでいる。
私自身も最近はガムシャラに本を読むようなことは少なくなったが、30代前半くらいまでは本当に良く本を読んだと思う。

もちろんビジネス書ばかりだけど。

多くの本を読みあさり、そして社会人になって14年、経営者として12年の実経験を積んで来た中で思うことがある。

それは本の内容、理論をそのままパクるのは、相当注意しないといけないということ。

そう言ってる理由は、もちろん本の理論が間違っているとか、自分の方が正しいとか、理論ではなく実践だなんていう感覚的な話ではない。

ただ唯一言えることは限られた文字数の活字から読み取った内容は正しくないこともあるかもしれないし、誤解してしまうこともあるかもしれないということ。

ゴルフに例えるとわかりやすいかもしれない。

例えばゴルフ理論の本にはこういう本が多い。

「スイングの際に頭は動かすべきではない」

一方で

「スイングの際には頭は右側に動くのが自然だ」

という理論もある。

はたまた

「バックスイングの時に左肘は伸ばす」

と言ってる本もあれば、

「バックスイングの時の左肘はゆとりをもって少し曲げるくらいがいい」

と言ってる本もある。

さてどういうことか。これらはどれも間違いではないんだと思う。

本を書いている著者の感覚値やイメージによって伝え方や表現の仕方が異なったり、またどちらでも良いのに妙にそこに拘った書き方をしてしまっていたり、さらには本来はもっと伝えたいことがあるのに、文字数的にはしょって書いてしまっていたり。。。

大事なのはいくつかの理論を試して行く中で、自分のイメージや感覚に一番合った方法論や、一番わかりやすい表現を使っている理論を選択していったり、はたまた複数のエッセンスを取り入れて自分なりの方法論やイメージを固めていくこと。

当然ながらそのためには一定の試行錯誤や経験が必要なのは言うまでもない。

一番怖いのは、ゴルフをやったことがない中で、

「ゴルフスイングは左肘を伸ばすべきなんですよ」

と思い込んでしまうこと。

もちろん左肘を伸ばしてみることも大事だし、それでうまくいかなければ少し曲げてみることも大事だし、複数の理論を試してみる中で本質的に著者が言いたいことを理解していくもの。

ビジネス書も若い頃に読んだ時に感じた印象と、経験を積んだ上で再読した時に感じた印象は大きく変わることが多い。つまり自分に経験値が加わった事で著者が言わんとしていることを、より行間も含めて理解できるようになったり、自分の経験と照らし合わせながら深く理解できるようになったりするのだろう。

つまり理論と実践のバランスが凄く重要で、理論中心になると大事なことを見落とすし、頭でっかちになりすぎてしまう。理論だけで成功するならば学者やコンサルタントはみんな成功してしまう。
そこに実践のエッセンスを上手に掛け合わせることで、自らの血となり肉とすることができるのだと思う。

改めて、、、、

賢い若手ほど頭でっかちになりやすいので気をつけること。
そして本を読んで経営が出来る気持ちになったり、戦略がわかる気持ちになりすぎないこと。
さらには自分よりも賢くなさそうでも、長いこと実践の場で経験を積んで来た先輩の言うことには、相応に為になることが含まれていることが多いということを心に留めておくこと。


これらはまさに生意気で自信過剰だった20代の自分の反省でもある。
自分と同じ失敗をしてほしくないので、是非若くして自信があるタイプの人は参考にしてもらえると良いかもしれない。

10月のこの時期は毎年恒例の評価ミーティングの時期。
弊社では4月と10月の年2回の給与改定を伴う評価がある。

2011年9月期は今までにない成果で終わることができたこともあり、できることであれば全社員に大盤振る舞いをしたいところだが、なかなかそうもいかないのが実状。

評価ミーティングでは、ポジティブな評価がメインとなる社員の場合は非常に気楽だし、終始和やかに終わることが多い。
一方で当然ながら厳しいコメントをしないといけないことも多々存在する。

みんな家庭があったり、出産間近だったりと様々な事情を抱えているだけに、経営者としては非常に複雑な思いの中で、公平を期した評価をしなければならない。

話は変わるが、そもそも弊社くらいの規模であれば人件費に投じることができる予算(給与原資)は、P/Lを見ればおのずと明らかになる。労働分配率を考えればすぐにわかること。

となるとあとはその原資をどう分配するかということだけの話になる。

つまり自分の給与を上げるためには、

1.原資の分配を多くもらえるよう社内で高い評価を得る
2.会社を成長させ給与原資自体を大きくする

のどちらかしか方法はない。

そしてベンチャー企業で活躍できる人、ベンチャー企業に向いている人というのは、2を意識できる人であろうと思う。大企業になれば1のように社内での出世やポジションを意識して競争をしていく必要があるだろう。

しかしたかだか20名程度のベンチャー企業では上から10番目の評価の人が6番目に上がったところで、まあたかが知れている。そんなことよりも会社全体の給与原資を上げる方がよっぽど効果的である。

また成長フェーズの組織においては、人件費への投資以上に、事業投資をしていかない限り、確立した存在にはなりえない。それがなかなか給与水準で大企業に追いつけない理由かもしれない。

何にせよ、ベンチャー企業において給与をあげていくには、全員で一致団結して「2」の給与原資を如何に増やすべきかを考え、実行することが何よりも大事。

では何故評価ミーティングを半年に一度行うか。
ここでは給与改定ももちろん重要なのだが、それ以上に評価のフィードバックが重要だと思っている。

経験ある人から客観的に自分の取り組みを評価してもらうことで、いろんな気付きや学びがある。
そしてそれこそが評価ミーティングの真の狙いでもある。

マイナス評価をされた場合は給与は上がらないかもしれないが、それ以上に自分の何が改善すべき点かということについては多くの得るものがあるはずなので、その金額だけ見て一喜一憂することなく、ちゃんと自分に足りないこをと理解し、ここからの半年で改善すべく取り組む。

まあこんな不景気な時代だし、給与は高いに越したことはないだろうが(笑)。

我々の会社は何を強みとしていくか。

だいぶ長いこと、この問いに対して明確な答えを出せないまま放置していた。
そして残念ながら今もなお、この問いについては明確には回答できずにいる。

さらにいえば、今は回答できなくてもいいと考えている。
もっといえば、今の我々はたいした強みを持ってないんだろうとも思っている。

こんなことを言ってしまうと元も子もないが、まあそれが現実だろう。

ただその一方で、様々な挑戦と失敗を繰り返して来たことによって、組織としてはいろいろなノウハウや経験値が蓄積されてきているのも事実。現在仕込んでいる2つの新規事業に関しても、今まで挑戦してきた中でも抜きん出て高い期待が持てるものが出来つつある。

でもまだ我々が誇るほどの強みは持てていない。


我々が目指すべき方向は、

多様なサービスを生み出し、世界に広く喜びと感動を創造すること

であって、黒字化でもなければ、利益がいくらということでもない。
もちろんそれらも大事ではあるが、それ自体が方向性ではなく、あくまでも航海に必要な燃料という位置づけでしかないと考えている。

では組織に強みは必要ないのかというとそうではないと思っている。
恐らく強みは意図的に作るというよりも、できていくのだろうと思っている。

具体的には、今後複数の事業が成長していくにつれて、そこからの派生して、様々なビジネスチャンスが広がっていくのは間違いない。そしてそのパターンのビジネスチャンスは、今までの新規事業と比べても高い成功確度で取り組める。
それらの事業に取り組んで行き、組織が大きくなっていく中で、それらが強みとなっているのではないかと思う。

そういう意味でも、我々の強みを今の時点で定義するのは非常に難易度が高く無意味に近い。

今の努力や挑戦、試行錯誤を諦めずに続けて行くことによって、様々なノウハウや経験値が蓄積され、さらにそこから派生ビジネスが多々立ち上がっていき、ある領域において市場から評価される存在になっていくはず。

逆にいえば、どの分野で強みを築こうと決めて、そのために努力していくのはそれほど簡単ではなく、実現可能制も低いだろうと思う。
もちろん既にリソースを豊富に持つ会社が、ある分野に集中的にリソースを割くことによって、その領域での一定のノウハウや強みを獲得するのは良くある話だが、我々のような会社には適さない。


ここまで書いていて思ったが、会社の強みを構築するというプロセスは、個人のキャリアを構築していく上での考え方に近いかもしれない。正確に言うと私が正しいと思っているキャリアの考え方にだが。

キャリアデザイン、キャリア設計などとちまたでは言われているが、私はキャリアを積むための道筋を意識しすぎたり、事前に考えすぎるのは望ましくないと考えており、本来はおおまかな方向性(東西南北)のみを意識しつつ、基本的には目の前のことに全力を投じ続けた結果としてキャリアが築かれていくものと思っている。
転職を繰り返しながら、次の職場で何を身につけ、その次の職場で何を学び、、、、というキャリア設計は明らかにキャリアを築く上で有効的な方法論ではない。

会社においても、あまり道筋を意識しすぎることなく、進むべき方向と価値観だけは見失わずに、全力で試行錯誤、挑戦を続けていくことが大事なのではないかと考えている。

経営者ながら、何とも戦略的でも、理論的でもない話で恐縮だが、実はそういうものな気がしている。

どんな本を読んでもこんなことは恐らく書いてはいないと思うし、私自身がこれまで13年に渡りベンチャー企業の経営者として必死に試行錯誤してきた経験と、数多くのベンチャー企業の成功と失敗を間近で見てきた結果、今ではそう思っているということでしかないが、今ではそれが真だと思っている。

従来から、弊社にはほとんどに肩書きが存在しない。
あるとしても商法上の取締役か、普通の社員か、はたまたアルバイトか、という程度。

そんな弊社だが、第9期から社内最大事業でもあるHR関連事業に、私以外の責任者を配置することにした。その社員は新卒から4年目の若手ホープ。

もちろん若すぎるとか未知数だとか賛否両論あることはあると思うが、あえて責任者を任命することによって、弊社が受けるメリットの方が短期・中期的にポジティブだと判断したということ。

HR事業は弊社の超主力事業だけに期待感と同時に不安感もあるのも事実。
が、石橋を叩いて渡っているほどの時間は弊社のようなベンチャー企業にはない。

社員の可能性とポテンシャルと意欲を見極め、早期に抜擢することによって、その能力を一気に開花させ、スピーディーに人材を育てていくことこそがベンチャー経営の要でもある。

経営人材を育てることは、我々が掲げるミッションに向かって成長していくためには必須。

そういう意味でも、今後抜擢人事を繰り返していくことになり、今回のケースはその試金石とも言えるかもしれない。(こんなこと書くとただでさえ大きいM氏へのプレッシャーがより大きくなりそうだが。。。)


話は変わるが、弊社においてはフラットな組織構築を目指しており、今回の権限委譲にしても、一般的な企業における部長や課長というイメージではなく、あくまでもそのプロジェクトに限定した責任者でありリーダーであるということ。
つまりプロジェクトが変わればリーダーとメンバーの関係は逆転する可能性もある。

我々がイメージするフラットカンパニーにおいては、常に部長は課長よりも上、というような画一的なヒエラルキーは存在せず、プロジェクトごとに最適な人材が選ばれ、権限を付与するのが望ましいと考えている。

わかりやすい例としては、とあるAプロジェクトにおいてはD氏がリーダー&責任者でE氏がメンバーであっても、別のBプロジェクトではE氏がリーダー&責任者でD氏がメンバーということが十二分にありえるということ。

最近思うのはフラットカンパニーを成り立たせる一番のポイントは企業の収益力、生産性があからさまに高いことが重要になるということ。この詳細な理由についてはまた別の機会に記載したいと思うが、何にせよ弊社が目指す組織を構築するには、社員の生産性、組織の収益力をもっと高めていく必要がある。

いろんな意味でまだまだ未熟な組織だが、全ての社員が誇りを持てる組織であり続けるというValueに基づいて、今までにない取り組みに挑戦し続けていきたい。

そのためにも今回抜擢したM氏には気合い入れて頑張ってもらわんといかん!!

本日(正確には10月1日)より、I&G Partners創業9年目、つまり第9期目を迎える。

思えば創業以来、あまりにもいろんなことがあった。
良かったことも、苦しかったことも、大変だったことも、楽しかったことも。
本当に沢山の試行錯誤を繰り返した結果、今がある。

2008年年末のリーマンショックは、弊社の第6期のこと。
その後、6期、7期、8期と全体的にコストを押さえ、守りを固めつつ、7期、8期についてはずっと攻めに転ずるチャンスをうかがいつつ、その準備を着々と進めて来た。

そしてつい先週まで頑張って来た第8期ではいよいよ過去最高益を出すまでになり、社員もいろんな経験を積んだことで成長し、市場動向、景気的にも十二分に攻めに転じうるタイミングだと判断し、この第9期はいよいよ攻撃へと少しづつシフトしていくことになる。

その大きな軸としては、

1つは求人サイトGreenの飛躍的成長。ここは様々な投資を仕掛けていく予定。

2つ目としては2つの新規事業のリリース。今まで様々な経験を総動員して立ち上げる新規事業だけに、2事業とも大いに可能性を感じる仕上がり。年内には共にお披露目できる予定。

3つ目としては人員拡充。
雇用の責任を痛いほど理解しているだけに、ここだけは今までだいぶ控えめに考えてきたが、リーマンショック以降、初めて本格的な増員体制に入っていく。現時点では営業系職種で2名、技術系職種で1名は最低でもここから半年で採用していく予定。技術系職種であれば更に追加採用も検討していきたい。

そして改めて従来の人材サービスの会社というイメージから、インターネットサービスの会社へと本格的に舵をきっていく。

また組織としては、売上以上に利益を重視する。
社員数や規模以上に、価値を感じてくれる顧客の数を重視する。
少数でも大きな価値提供ができるインターネットサービスであればそれも可能なはず。

我々が理想と考える組織像をイメージしつつ、過去に類を見ない組織を創り上げたい。
そのためにもまた今期大きな壁を2つも3つも乗り越えて行く必要がある。

全ての社員が誇りを持てる組織を目指して、いざ9回目の航海へ!!


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