麻布十番で働くCEOのBlog(旧・南麻布で働く社長のblog)

成功報酬型求人メディアGreenの運営や、インターネットサービスの企画・開発を行う株式会社アトラエの社長のblogです。

2012年02月

ビジネスをやっていると良く出てくるトラップがある。

それは例えば以下のような議題。

サービスの質を追求すべきか、スピードを追求すべきか
効率的に対処すべきか、行動量をもって対処すべきか


こういう議論は昔から存在している。

ホスピタリティの高いタイプの人の多くは、質を追求し、行動量をもってしてカバーしようとする傾向がある。
またある意味合理的な人はスピードを追求し、効率的な方法をもって対処しようとする傾向がある。

弊社においてもどちらのタイプも存在していて、しばしば意見が食い違ったりする。

確かに徹底的に突き詰めた上で究極的にどっちを優先するかということであれば、上記議題はいろいろと興味深い議題なのかもしれない。

が、その多くの場合で考えるべきは「何とかして両方実現する方法はないのだろうか」ということだと思う。

何となく質を追えばスピードが落ちる、スピードを追えば質が落ちるという先入観があるのだろうが、
究極的には確かにそうなのかもしれないが、多くのケースではレベル的にそこまでたどりついていないことの方が多い気がする。

ビジネスにおいて本気で顧客に価値を提供しようと思った時に、あと一歩知恵を絞り、あと一歩努力することができれば、顧客の期待を大きく越えられるというシーンが沢山ある気がする。

顧客は質か量かどちらかで納得するわけではない。

極端な例かもしれないが、外食において「うちは安いから不味くても仕方ないだろ」と言う店で飯を食って満足できるわけはない。
安くしつつも美味しいものを提供する努力をすることで、顧客満足を勝ち取るもの。

質か量かという単純な二元論で終わるのではなく、両方実現するためにあと一歩知恵を絞ることで、自分のビジネスレベルや顧客の満足レベルを引き上げることができるような気がする。

経営をする上で大事なこと。
それは逆算で考えること。

逆算の反対は積み上げ。

本日の日経新聞にも2つの「ユニ」というタイトルでユニ・チャームとユニクロの経営に関する記事が掲載されており、そこでも目標を先に立て、それに対して逆算で実行計画を立てて行くというアプローチが重要だと書かれていた。

私自身、頭ではわかっていたつもりだったが、なかなか日々の現実に追われていた気がする。

本気で成し遂げたい姿をイメージし、それを実現するためにどうすればいいかを考えられる人こそが、リーダーとして組織を牽引していくのだろう。

それは社長という会社の経営者だけではなく、事業部の責任者やプロジェクトのリーダーも同じ。

人は弱いのでどうしても過去の実績や、他の人の実績など、実現可能だとわかっている範囲内で目標を設定してしまいがち。それでは人と違うレベルには到達できないし、それほど大きなことは実現できない。

私自身も人よりも大きな目標は立ててきたつもりながら、それでもまだまだ不足していると改めて感じ始めている。

大事なのは本当に実現したい姿や目標をイメージすること。
そしてそれを数値化して目標に置くこと。

ただ大きな数値を掲げればいいというわけではない。
その数値の持つ意味や価値が明確であり、それを成し遂げることで何が実現できるか、どんな未来が待っているかという点こそが一番重要なのだと思う。

強く願い、そして本気で実行しない限り、大きな夢は適わない。
今一度、I&G Partnersが実現すべき未来について考え、具体化してみようと思う。

個人でも組織でも、逆算の発想、是非とも自分の意識改革に取り入れてみてはどうでしょうか。

最近新卒向けの会社説明会が多いのだが、そこで良く仕事を楽しめるタイプの人と働きたいと言う。

もしくは我々が大事にしている

play business, play hard

という考え方を伝えたりする。

つまり「ビジネスを楽しもう、一生懸命に」ということ。

仕事は生活のため、とかさすがに大学卒業したら就職しないと、、、みたいな受け身的な人だとそれほど成長しないんだろうと思う。

プロスポーツの世界でも、芸術の世界でも、一流になる人はやはりその領域に心血注いでいるし、そのスポーツや芸術を心底好きなんだと思う。まさに好きこそ物の上手なれ。
もっと深く考察すれば、好き過ぎて嫌いだという人もいるのかもしれないが、まあそんなマニアックな話はここではやめておこう。

ベンチャーで仕事をする上でも、ビジネスを心底楽しいと思える人が向いている。
やはり大変なことも多いし、頑張っても頑張っても成果が出ないこともある。
大企業であれば一定の仕組みがあるので、頑張れば相応の成果が出て、相応の給与がもらえる。
そういう仕組みがあるのが大企業の強さであり、社会的な価値だと思う。

しかしベンチャー企業には仕組みがない。
だから自分達で仕組みを作らないといけない。
仕組みを作ることと、その未完成な仕組みと言っていいのかわからない事業を、頑張って運営して収益を上げる。しかも少人数でそれをやっていく必要がある。

まさに一人何役もこなすことになる。

ただそういう意味では事業全体について考えるようになるし、自らが何をすべきかを自ら考えるようになる。というかそうでない奴だと何の仕事も任されない。

大企業と違って役割や責任分担も曖昧になりがちだし、役割自体が日々変わって行く。

大企業が野球であれば、ベンチャー企業はサッカーに近いかもしれない。
足元にボールが来た時にいちいち監督の指示を仰ぐわけにはいかない。

当然ベンチャーは関わる事業規模も大企業のそれと比べて圧倒的に小さいし、気を抜くと社会に対して全くといっていいほど価値貢献できてなかったりする。
ただ自分で考え工夫できる幅は大企業のそれとは比べ物にならないほど大きい。

仕事をこなすのではなく、ビジネスを楽しむ。
そんな発想ができる人はベンチャーに挑戦してみると良いかなと思う。

多くの人は、24歳くらいから40年以上はビジネスに関わることになる。
そしてその間、平日の日中のほとんどを費やす人も多いだろう。

それだけの時間を費やすのであれば、やはり一度きりの人生、自らがのめりこめるような楽しいことをやりたいと思うのは自然だと思う。

それができていない人は是非とも自分にとってどういう会社でどういう仲間と何を成し遂げることが、もっとも楽しいと思えることなのかを考えてみてもらいたい。


もっとビジネスを楽しめる人が増えれば、なんか良い社会になる気がするのは私だけだろうか。
もちろん高度経済成長を支えて来てくれた方々はそんな余裕なかったのかもしれない。
そんなのんきな事を言ってると怒られるかもしれない。

でもやはり一度きりの人生、どうせ時間を投資するなら、自分にとって最高にエキサイティングで人とは違う、自分の存在意義を見いだせるところで頑張るのが楽しいんじゃないかと思う。

間違っても楽(らく)な人生が、楽しい(たのしい)人生なのではないはず。

楽しい(たのしい)という漢字と、楽(らく)という漢字が同じであることに大いなる不満を持ちつつ、今日は会食に行くのでこのあたりで。

いつもながらなんとも気の向くまま書いていて申し訳ないと思いつつ、そのまま投稿しちゃいます。

弊社の採用におけるMust条件の一つとして「利他の心を持っているか」という条件がある。

利他の心とは言うまでもなく利己心の反対。

辞書などには、

他人に利益となるように図ること。自分のことよりも他人の幸福を願うこと

などという記載がある。

我々はチームで勝つことを再重要視しており、そのためには能力も去ることながら、能力以上に利他の心が大事だと思っている。もう少しわかりやすく言い換えれば、チームの全体最適を最優先に考えられるかどうかということ。そういう人材を常に求めてきた。

一方で、一つ間違えるとお人好し集団になってしまうリスクもある。
目指している厳しく高い目標に対して、全くと言っていいほど手が届いていなくても、その人の心境や努力、苦労などが手に取るようにわかってしまうが故に、お互い厳しいことを言いづらいという雰囲気になってしまっていることも多々あるように感じる。

では本当にそれが「優しい」ということの本質なのだろうか。

私はそうは思っていない。
逆に悪しき慣習だと思っているくらい。

プロのチームに入った以上は、お互いが極めて高いレベルで切磋琢磨し合うべきで、努力や挑戦には一定の敬意を払いつつも、最終的には成果を出し貢献することこそが大事なのは当然のこと。
それが出来ていない人を甘やかすようなカルチャーであっては、世界で活躍する有数の組織になんてなれるはずもない。

弊社も当然だが仲間に対して厳しく言えない、間違っていても指摘できない、なんていう仲良しサークルのような組織にするつもりは毛頭なく、お互いが信頼し合い、尊敬し合いながら、高みを目指して切磋琢磨するプロの集団になっていかないといけない。

しかも管理職という階層が存在しないアメーバ的フラット構造の組織であることにこだわりを持っているからこそ、お互いがお互いを指摘しあえるようにならないといけない。上司が部下を叱ったり指摘したりという従来のピラミッド構造のような関係性がないことによる弊害の方が大きくなってしまっては、何のためのフラット構造かがわからなくなってしまう。

もちろん自分にも厳しい事は大事だが、お互いに気付いたことやその人の成長のために、指摘をし合える、そして高いレベルを要求し合える、そんなカルチャーの組織を目指して行きたい。

それによって仲間達のレベルが上がっていき、市場価値も高まり、組織も成長できれば、そんな素晴らしいことはない。

親が自らの子供に対して持つような、甘やかしたり嫌われないようにするだけではなく、その子のためを思って厳しく叱れるような、そういう本質的な意味での優しさを仲間に対して持てるような組織を目指したい。

ビジネスにおいて「期待を越える」という考え方は凄く大事なこと。

期待といってもいろいろある。


顧客からの期待
同僚からの期待
上司からの期待

などなど。


仕事をしていると取引先でも仲間であっても、何らか仕事を任せる時には期待をするもの。

それに対して期待外れなのは三流。
期待通りなのも二流。

一流になる上で大事なのは、常に相手の期待値を見極め、如何にしてその期待値を超えてやろうかと考えること。

上司から仕事が振られるケースは日常的に良くある話だろう。
朝令暮改のベンチャー企業においては、上司の思いつきで様々なタスクが振ってくるのは日常茶飯事だと思う。

そんな時にこちらの期待値を上回って仕事をしてくれた人に対しては、

「おっ、なかなかいい仕事するな」

とか

「いつの間にか随分と成長してるな」

という評価が生まれる。

しかしほとんどのケースでは一歩足りなかったり、期待外れで「こんな仕事もちゃんとできないのか」とがっかりすることの方が多い。ただそれはその人の能力不足というよりは、期待値を見極める力が不足しているか、期待値を超えてやろうという意識の欠如でしかないことがほとんどだと思う。

ビジネスにおいてチャンスはいつでもどこでもあるわけではない。
自分に巡って来たチャンス一つ一つを無にしないようにしなくてはいけない。

またいきなり大きなチャンスが舞い込んでくるケースは、それこそほとんどない。
小さなチャンスに対して、期待値を上回って行き、信頼と評価を勝ち取ることで、大きなチャンスが巡ってくるもの。

人に何かしらしてあげるとき、これは仕事以外でもそうかもしれないが、相手の期待値を的確に想像し、その期待値を越えることを実行すれば、明らかに期待通りの時とは喜びも感謝も異なるレベルになる。

それによって自分の信用や信頼を上げて行くことこそ、快適に生きていくためにも大事だと思う。

私の経験上、特にビジネスにおいては、ほとんどの出来る人はそういう行動特性を持っている。

うちの社員達にも是非とも期待を越えることを常に意識してもらいたい。

最近新卒採用時の年俸が急騰している。
市場の原理なので仕方ない面はあろうが、個人的には経営者には教育者としての役割も多少なりあるという視点から考えて、あまり極端な年俸政策による人材獲得競争には賛成していない。

もちろんそれだけの力がある人に相応の給与を払うというのはプロの市場であれば問題ない。

それはプロの世界であれば、野球でもサッカーでもよくある話。
しかし野球やサッカーのプロの世界は、下方硬直性は限りなくゼロで、市場価値と見合わなければ極端に言えば戦力外通告と隣り合わせでさえある。


ちょっと話を変えよう。

若い人の中にも転職や就職に際して入社当時の給与条件を事細かに気にする人が多い。
もちろん給与は大事なファクターだとは思うが、20代のうちの年俸の50万、100万がその人の人生にどれだけの影響があるのだろうか。

プロサッカーに言い換えるとわかりやすい。
インテルで経験できるが年俸300万円と、Jリーグで年俸1000万円なら、20代のプロサッカー選手であれば誰もが迷わずインテルを選ぶだろう。

それは自分の実力や経験を上げることでしか生き残っていけない世界であり、短期的な年俸よりも、その年俸に見合う市場価値を身につけることこそが、安定であることを知っている。

ビジネスの世界ではいまだに終身雇用的な感覚が大企業を中心に残っているために、今一つこのあたりの考え方が徹底されていない。

数千人以上の転職支援をしてきて、数百人のマネジメントをしてきた私の経験則や知見から思うのは、20代、30代において重視すべきは、経済的対価よりも、その元となる経験や実力や人脈を得られる道を選択するべきだと思う。

20代や30代で経験や実力の成長が限界を迎えてしまうと、残った40代、50代、60代という長いビジネス人生は、若い時にほんとちょっと積み上げた経験を武器に飯を食って行くという何とも不安な人生を歩むことになる。

もちろん上記は極端な話で、経済的対価を優先したところで、経験を積んだり実力を磨くことができなくなるわけではない。

しかしやはりとにかく実力を磨こうと思って様々な判断をしてきた人と、経済的対価を優先させて様々な判断をしてきた人では、残念ながら40歳近くなってくると大きなキャリアアセットの差が出てしまう。

20代の年間100万や200万という経済的格差とは到底違い、40歳のそれとなると年間1000万円というレベルでの差が発生することさえある。

改めて若い人には、まずは何よりも経験や実力や人脈を得ることを最優先した選択、決断を薦めたい。
私はそれらを総称してキャリアアセットと言っているが、まずはキャリアアセットを積み重ねることが大事だと思っている。

そして積み上げたキャリアアセットはほっておいても次第に富を産み出していくもの。
若い時は貧乏でもいいじゃないか、とは言わないが、焦りすぎて将来の選択肢を狭めないようにしてもらいたい。


最後に私が極めて共感する名言を。


ビジネスの世界はすべて二種類のコインで支払われる。
すなわち、現金と経験だ。
まず経験を取ること。現金は後でついてくる。

        ハロルド・S・ジェニーン(AT&T元会長)

最近のうちの内定者のブログの中で最も良い内容だと思ったブログを紹介します。

going our way 〜アドベンチャーな世界に生きたい学生のちょっと背伸びブログ〜

その中で2月1日に投稿されたやりたいこと、必要なことという投稿。

多くの学生や若い社員は、自分のキャリア、自分のやりたいことに気持ちが偏りがち。
それは至極当然といえば当然。


重要なのは極めて大きなやりたいことの中で、本当に必要なこと、やるべきことを率先してやれるかどうか。

起業家や経営者と、一社員で大きく異なる視点はここだと思う。

そもそも起業し何かを成し遂げようとしているのが起業家であり経営者。
そしてその時点でやりたいことをやっているもの。

しかし日々の現実の中でやらなければいけないこと、必要なことは多々発生する。

大きな目的を成すためであれば、それらのことを何でもやる気概を持っているのが経営者。
というか夢の実現のために仕事一つ一つに拘っていたり、好き嫌いをしている余裕はない。
自分の評価やキャリア云々ではなく、経営者として会社を成功させるということに集中している以上、仕事は選ばず、成すべきことを成すだけ。

サッカーで言えば、シュートを打って点を取りたいという気持ち以上に、試合に勝ちたいという気持ちが圧倒的に上回るがゆえに、シュートを打つことに拘りはないし、ディフェンスでもキーパーでも何でもやるという感じだろうか。

内定者、つまり学生の時点でこういうレベルのことに気付き、組織視点で自らのやるべきことを考えられるようになるとしたら、それは凄いことだと思う。

最近学生と会う中でも優秀なのに、極めて利己的だったり自己中心的だと感じる人が多い。

力ある人にこそ、組織で勝つために何をすべきか、という視点を持ってもらいたい。
なぜならこういう視点を持てる人が最終的には多くの信頼を勝ち取り、リーダーとして大成するから。

うちの内定者のブログから始まった話だったが、学生レベルでこういうことを感じとるのは純粋にすごいと思う。

インターネット時代ゆえに、様々な情報に触れられるからこそ感じ取ることができたのだと考えると、恵まれた時代だと言えるかもしれない。

何にせよ凄く重要な視点だったので共有でした。

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