麻布十番で働くCEOのBlog(旧・南麻布で働く社長のblog)

成功報酬型求人メディアGreenの運営や、インターネットサービスの企画・開発を行う株式会社アトラエの社長のblogです。

2012年09月

来月より創業第10期目に突入する。

10年継続する企業は数パーセントなどと言う話からすれば良く頑張っている方だと言って下さる人もいるかもしれないが、ベンチャー企業としては9年を経てなおこの程度の社会的存在価値では到底成功とは言えないし、私自身、アントレプレナーとしてこの会社を立ち上げた以上はこの程度で終わるつもりは毛頭ない。

ただ多くのVCや投資家を含めた市場は、設立10年目のベンチャー企業には多くを期待しないのも事実。

それは何故か。

恐らく今まで10年近くの間、大きく成長させることができなかった経営陣や組織や事業が、10年以上経過した後に飛躍する可能性が極めて低いという現実的な確率論があるのではないかと推察する。

私自身も自らが投資をするとしたら、ある程度直感的にそれに近い判断をするかもしれない。

その理由として考えられるのは、

・心から大きな夢やVisionや目標を実現しようと思えなくなっている
・諦めてしまっている
・負け癖がついてしまっている
・主力となる事業の成長期待値が低い
・縮小均衡してしまっている などなど

長年、大きく成長できずに生きながらえてきた組織にはそんな要素があるケースが多い気がする。

しかし経営という点に関していえば、10年近くも試行錯誤してきた中でちょっとした成功も、沢山の失敗も、事業的なものも、組織的なものも、本当に驚くべき多くの経験をして今日に至っているはず。私自身も本当に多くの経験を積みながら今日に至る。

それによって挑戦における成功確率や事業を伸ばせる力は経営者としても、組織としても、飛躍的に伸びているはずだと思う。

とするならば、創業間もないベンチャー企業と10年目を迎えるベンチャー企業の差は、上記したように経営陣や社員、組織全体の持つマインド的な側面、つまり思い込みや活気・勢いといった定性的なものと、成長期待の高い事業を有しているか否かということでしかないのではないだろうか。

弊社も9年を経る中で様々な変化をしてきた。
ここ数年でも社外から見るとたいした変化はないように見えるかもしれないが、社内的には未来を見据えた様々な挑戦や変化を実行に移してきている。創業から9年を経て、過去最も期待できる事業状況、組織状況にあると言っても過言ではない。

理論上、非連続な成長を実現するのは創業間もないベンチャー企業だけではない。

日本経済の右肩上がりの成長にオンブにダッコで成長してきた時代は終わった。

中小零細企業こそ、非連続な成長を実現するためにも、今一度戦略を見直し、組織全体としての夢を共有し、そこに向けて邁進すべきだと思う。さもなければ日本経済のシュリンクとともに縮小していくのみ。

最近周囲の同年代経営者が息を吹き返したようにIPOしたり事業売却をしたり、組織を拡大したりしていることに大いに刺激を受けるし、40歳を目前にして成長意欲満々の元気な仲間達を見ると中年オッサン社長もまだまだいけると思える。

弊社でも改めて非連続な成長を実現するための具体的な戦略の策定と、組織的な勢いや活気を創業以来最高レベルにまで引き上げることで、来期・再来期での飛躍を実現し、同年代の経営者仲間達に負けないよう気張っていきます!

今日はジョン・キムさんの「媚びない人生」の中から、ベンチャー企業における若い社員(うちの社員)に強く意識をしてもらいたいと思うことを抜粋してみた。


最終決定を他人のものにするな

私自身、自分が若かったときにどの程度できていたかは定かではないが、少なくとも自分が納得できない意志決定や背景がわからない意思決定については、徹底的に上司と議論はしていたことを思い出す。
そう考えると上司からすれば極めて面倒な社員だったかもしれない(笑)。
しかし納得したことについては自分の決定事項と捉えて全力で実行する。そうでない限り当事者意識なんて持てないし、どういう結果になっても「上司の言う通りにやった。」という言い訳や逃げ道だけが残ってしまう。それでは成長しない。
社長は、部長は、マネージャーは、何故こういう意思決定をしたのか、その背景をちゃんと理解し、理解できたのであればそれを実行することや、その結果としての成果については、当事者として強い責任感をもって拘ることが大事だと思う。それによって言われたことをただ実行している人とは全く異なるインプットが生まれることは間違いない。


やりたいことをやるためにも、やるべきことをこなす

大きな夢を持つことは大事だし、成長にどん欲であることは素晴らしいことだと思う。
しかし焦って未熟なまま責任や裁量を組織に求めるのは間違っている。
自分の未熟さを自覚し、まずはやりたいことではなく、やるべきこと、組織に貢献できることを全力で実行することから全てが始まる。
そんな初歩的な仕事でも期待を越える成果を出す人は、上司からも仲間からも信頼され、一つ一つステップアップしていく。
若いベンチャー企業は確かに大きく歴史ある企業と比べると、若いうちから責任と裁量を任されるケースが多い。しかしそれは初歩的な仕事をしなくていいということではなく、人的リソース不足や、事業の成長速度からして、そのステップを踏んでいくスピード感が圧倒的に早いということに過ぎない。
初歩的な仕事もパーフェクトにこなせない人が、責任と裁量のある仕事ができようはずもない。
それはスポーツでもなんでも同じであり、地道な努力の結果としての大きな夢の実現である。



と、私の最近のお気に入りであるジョン・キムさんの媚びない人生から2つのセンテンスを抜粋させてもらった。


古くは阪急グループ創業者でもある小林一三さんもこんなことを言っている。

下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。


どんな時代でも本質論は変わらない。

キャリアデザインなどという表面的な言葉が出回ってしまっていて、すぐに転職だとか、専門性だとかいう話をする若いビジネスパーソンが多いが、そんな表面的なことにとらわれず、本質を理解し、しっかりと最大限組織貢献をすべく努力した結果として身に付いた実力や経験、人脈や信頼こそがキャリアの本質なのではないかと思う。

そして実力があり信頼できる社員に任せるのは、その社員の適性や志向に最も合致した職務となりやすく、その結果としてより本人の望むキャリアが身に付いていくというのが、本質なのではないだろうか。

ビジネスの世界で成功している人達を見て思うことがある。

それはみんな若いときには誰よりも仕事に没頭してきたという自負を持っている。
寝る時間を惜しんで、遊ぶ時間を惜しんで、プライベートを削ってでもビジネス第一で没頭してきた時期を持っている。

スポーツ選手でもアーティストでもそうかもしれない。
一流と呼ばれる人達の中には本当に天才の人はごくごくわずかで、その多くが努力の賜物であるのだと思う。

随分昔にイチローが記者から

「子供の時からプロ野球選手になれると信じてましたか?」

と聞かれたときに返した言葉が記憶に残っている。

「もちろん信じてました。何故なら同世代の誰よりも練習していると思っていたから。これでプロ野球選手になれないのだとしたら、世の中にこれほど多くのプロ野球選手が存在するわけがないと思うほどに練習をしていたので。」

記憶ベースなので一部文言が違っているかもしれないが、本当に驚くべきボリュームの練習をしていたのだと思う。

ソフトバンクの孫さんもとある場でのプレゼンの中で、

「私は留学時代、どの学生よりも勉強したと自信を持って言い切れる。何故ならば物理的に人間的にあれ以上勉強はできないから、他のみんながどれだけ頑張ったとしても、1日24時間という条件の下では自分と同じ量までしか勉強はできない。」

と言っていた時もなんとも凄い人だし、自分はここまではできないなと感じたのを覚えている。

彼らは超一流なのでまた次元が違う話に聞こえるかもしれない。
もちろん私自身もそんなにストイックになんてやれるはずもない。

ただ普通のビジネスパーソンであっても、やはり体力も吸収力もある若いうちにどれだけ没頭できるかどうかが、その世界でどのレベルになれるかどうかのバロメーターであり、そこで頑張るか否かが大きな分れ道になるのは事実。

自分が一流だとは到底思っていないが、少なくとも若い頃に本当にビジネスに没頭してきたからこそ、40歳を目前とした今でもキャリアや経済的な面などでさほど不安を抱えることもなく、楽しく充実したビジネスライフを送れているのだと思う。

言い換えれば、若き日に本当に四六時中ビジネスのことを考えるような生活をしてきたことによって、40歳に近づく今でも自分が本当にやりたいと思えることをやりながら生きていくことができる権利を得ることができたという言い方の方がわかりやすいかもしれない。

ベンチャー企業も会社組織である以上、労基法に則って全ての社員に有給の権利を付与している。例えその法律がいくら時代錯誤の法律だとしても。。。

だからといって若い頃から有給を最大限活用して、遊びや趣味に時間を割いたり、オフィスにいる以外の時間は娯楽や睡眠などに費やしてしまい、自己の成長に対する投資ができない人は、到底一流のビジネスパーソンにはなれないように思う。

何度も言うが、生き様は人それぞれだし、価値観も多様であって良い。
若くして結婚して家庭第一である事も素晴らしい生き方だと思う。
イチローや孫さんのような人を不幸だと言う人もいるかもしれない。
何が幸せかは人それぞれであろう。

以前のブログでも書いたがワークライフバランスももちろん重要なテーマだと思っている。


ただもしビジネスパーソンとして一流になりたいと思うのであれば、やはりそこには人よりも時間を投じなければ絶対になれないということは事実であり、より高い水準を目指せば目指すほど、若いうちの時間投資をしなければならない。

決して体育会系的に「いいから働け!」などというつもりは毛頭ない。
どちらかというと非合理的なことや、根性論は好きな方ではない。

それでも社会人一年目、二年目から積極的に有給を消化して、リフレッシュだとか、ライフワークバランスだと言うタイプの人には、ビジネスという土俵においてはさほど大きな期待はできそうもないと思ってしまうのは私だけではないだろう。


「土曜や日曜にオフィスで仕事をしてもいいでしょうか?」
「休んでもどうせ仕事しちゃうと思うので別に休みはいりません」

若い頃にこう言ってた奴らは今、ビジネスの世界で大活躍している。

「いくらなんでもお前働き過ぎだろ」
「いつ寝てるの?」

友人達からそう言われていた弁護士の友人や投資銀行の友人も、いまやトップクラスで活躍している。

もしビジネスの世界で大成したいという想いを持つのであれば、体力や吸収力の高い20代の過ごし方を本気で考え、有益に活用することが大事なのだと改めて思う。

さて、うちの若手社員のうち、何人くらいがそういう想いを持ってるのだろうか?!

長く運営してきたサービスや商品や組織を抜本的に変革することは難しい。

まさにイノベーションのジレンマにある持続的イノベーションと破壊的イノベーションでいう、持続的イノベーションしかできなくなってしまいがち。

今日もプラズマクラスターの付いたオフィス複合機がFacebookの私の友人経営者の中で話題になっていたが、日本の大手メーカーなどはまさにその典型だと思う。


かくいう我々自身も成功報酬型求人メディアGreenを立ち上げてから早6年が経過し7年目に突入している。

その間にそれなりに組織としても事業としても試行錯誤をしてきたし、様々な挑戦をしてきたつもりではいるものの、今思えば飛躍させられるほどの挑戦はできてなかったかもしれない。

しかも運営期間が長くなるにつれ、本来持っているポテンシャルや、それを発揮するためのアイディアなどがなかなか出てこなくなり、あらゆる面で過去の延長線上でしか物事が考えられなくなってしまったりする。

例えばGreenで言うならば、掲載求人情報数を一気に業界トップクラスに引き上げようと思っても、過去の営業担当一人当たりの生産性や、問い合わせ企業数などを参考に考えると、どうしても実現可能性を疑ってしまい実現可能性という観点から却下してしまうようなことが起きる。いろんなしがらみや制約が前提条件として頭に入ってしまっているがゆえのことなのだと思う。

しかしそもそも営業スタッフ自体を10倍にしてみたらどうか、どこかと提携してみたらどうか、そもそも大幅にシステムやインターネットで完結する仕組みに変えてみてはどうか、というような発想があれば、非連続な成長は7年目であろうと可能なのではないかと感じている。


より客観的に、より過去に引きずられない意見を参考にするために、社外の人で自社のサービスなどをあまり良く知らない人などに、中長期の戦略策定の際にコンサルタント的立場で参加してもらい、様々な角度から意見を言ってもらうことによる学びも多いだろう。

何よりも心から実現したいと思えるような崇高な目標を掲げ、どうやったら実現可能かということについて、徹底的にポジティブに、そして完全なるゼローベース思考で考えることで、飛躍のきっかけを掴める可能性が多いにあるのではないか。

ここ半年、どうやったら均衡状態から飛躍するきっかけを掴めるのかについて考えてきたが、やはり自分達の考え方や先入観を極限までリセットして、新たな気持ちで考えることでしかないという結論にいきついた。

ちっぽけな成功を必死に守るのではなく、高い目標の達成のために挑戦をし続けていくべき。

まさに破壊的イノベーションを自ら起こしていくべく、挑戦者たり続けようと思う。


弊社は来月10月から第10期に突入する。
誰が見ても10年目を迎える組織とは思えないと言われるほどの積極果敢な挑戦と、その結果としての飛躍を実現したいと思います!

自社サービスも運営してから長い時間が経過することで、なかなか非連続な成長や飛躍することが難しくなることは多々ある。

弊社のGreenも立ち上げから早6年が経ち、ご多分に漏れず縮小均衡してしまっていると言っても過言ではない。

しかしサービス立ち上げから時間が経っているからといって、非連続な成長ができないということに、それほど合理的な理由があるとは思えない。

恐らくは関わる人達のマインドや慣れや思い込みがそうさせているのだと思う。


一方で客観的視点で市場規模や競合分析をすると、本来まだまだ伸びる余地はあるはずだということがわかったりする。

今回自社サービスGreenについて改めて非連続な成長を実現させるために何が足りないのか、について頭に汗をかくまで考えてみた。
この時に大事なのが思い込みを全て排除し、ゼロベースで考えること。

さしづめI&G Partnersから依頼を受けてGreenの成長戦略を描くべく雇われたコンサルタントになりきって考えるようなイメージが大事。
言い換えれば、「もし今自分のポジションに孫正義さんが居たら何をするだろうか」というような問いかけを自分にすることで、狭まっていた視野が拡がり、ポジティブに物事を考えることができたりする。


このゼロベース思考やなりきり思考は、決して事業戦略や経営戦略においてのみ有効な方法論ではなく、あらゆる業務において凄く役立つ考え方だと思う。

毎日同じ仕事を繰り返している中で、工夫はしても飛躍のための知恵を絞るようなことはできていない人が多いのではないかと思う。
定期的に自分の役割やミッション、貢献を見直し、もっと大幅な貢献をすることができないのだろうか、そもそも自分よりもめちゃくちゃ仕事ができる人が自分と同じ仕事を任されたらどういう動き方をするのだろうか、という視点で考えることで多くの気付きがあると思う。

私自身、まだまだ未熟ながらいろんな有力経営者になりきって、経営シミュレーションしたりすることが習慣になりつつある。もちろん気持ちだけでは思いつく打ち手の幅などが足りず、結局何も思いつかないということになりかねないので、事業戦略やマーケティングなどの知見を深めていくこともセットでやっていかないといけないのは言うまでもない。

あともう一つ大事なのは、できない理由や言い訳は排除して考えること。
飛躍する戦略を考えて行くと、ついつい「金が足りないから無理」「人がいないから無理」「大手となんて提携できるわけないか」といったことで思考が停止することがある。
そのときに「資金さえあればできるかも。じゃあ資金を調達する方法はないだろうか。」とか「優秀な人材さえ採用できれば実現できるのではないか。優秀な人材を採用する方法を考えてみよう。」という具合にポジティブに思考を続けて行くことで今までとは違う視点を持てるようになったりする。

ゼロベース思考、なりきり思考、是非とも試してみて、自分の貢献を大幅に上げる努力をしてみると、思った以上に気付きがあるかも?!

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