麻布十番で働くCEOのBlog(旧・南麻布で働く社長のblog)

成功報酬型求人メディアGreenの運営や、インターネットサービスの企画・開発を行う株式会社アトラエの社長のblogです。

2016年05月

この2ヶ月くらい、新聞各紙では幾度となく就職人気ランキング企業などを掲載してきた。
それを見るたびに複雑な気持ちになる。

とにもかくにも大きな会社で直近の業績が良い会社が列挙されているだけに見えるからである。もしくは前年度の平均賞与額の実績や、最近の平均給与などを見て、学生が選んでいるのではないかと思うくらいである。

そこからSHARP、東芝、三菱自動車などだけはすっぽりと名前が消えていたり、でもJALやSONYは再び人気企業になっていたり、商社は昨今の赤字発表のせいか順位が大幅に落ちていたり。。。。


日本の未来の経済を背負っていく若者達の社会への第一歩となる選択が本当にこんなんで大丈夫なのだろうかと心配になる。


一方で先日の日経新聞には米コロンビア大学の卒業生の就職先についての記事が出ていた。
内容としては、従来コロンビア大学卒業生の主たる就職先であった金融や政府機関への就職者が近年大幅に減少し、その多くがIT・インターネット領域の成長企業を選択する傾向が強くなってきているとのこと。コロンビア大学でそうなら、スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大などであれば、もうとっくにそうなっていることだろう。

自分が働く業界がITやインターネットだから、そこがいいと言いたいわけではない。

明らかに学生が働き先を選ぶということにおいて、思考停止になっていることが危険だと思っている。


日本は豊かな国だと思われているだろうし、生涯安泰だと思っている人も多いだろう。
勿論現時点でGDPレベルは中国に抜かれたとはいえ世界3位の経済大国ではある。

しかしながら国民1人当りのGDPということでいえば、もはや20位以内にさえ入れないような国であることを多くの学生は知らないのではないだろうか。つまるところ1億人以上の人口がいるからこれだけのGDPを維持しているが、実際に国民1人当りでいえば、もはや韓国と同じかそれよりも低いくらいの経済レベルであるということである。

そういう現状において、多くの若く優秀な学生1人1人がレガシーな組織の中で、マニュアライズされた仕事を何十年もこなすような仕事を選ぼうとしているのだから、極めて不思議でならないし、思考停止だとしか思えない。

改めて情報が多い世の中だからこそ、自らその情報を集め、ちゃんと考え、判断する力をつけていかないといけないと思う。

日本という国やそこに存在するだけの会社という存在が自分の未来を守ってくれるという考えはもはや幻想に過ぎないのだから。

本日5月13日、弊社アトラエは東京証券取引所様より東証マザーズへの上場承認を頂きました。

周囲からは多くのお祝いの言葉を頂き、本当に嬉しく思っている反面、心持ちとしてはどちらかというと妙な緊張感と高揚感が入り混じったような、まさに武者震いでもしそうな変な感覚に陥っています。。。

昨今多くの若い経営者が次々と上場していく中で、私自身はなんと13年もの月日を費やしてきました。既に42歳になる年です。そしてここまでの過程においても本当に波乱万丈をいうに相応しいほどに、沢山の失敗の山を築いてきました。

創業以来、組織作りや一緒に働いてくれる仲間のことを誰よりも重んじてきたつもりではある一方で、リーマン・ショックなども含め、気持ちだけでは乗り越えられないような危機を経験し、改めてベンチャー企業というのは成長し続けることが大前提であり、それができない経営者は誰も幸せになんてできないのだと強く感じたことを昨日のことのように覚えています。


起業家として決してカリスマ性もなければアイディアマンでもなく、エンジニアでさえない自分がインターネットカンパニーの経営者として上場承認を頂くことができたのは、まさに優れた仲間達のおかげだと思っています。まさに優れた仲間を集め、その仲間達が活き活きと働ける環境を用意することに徹底した結果であり、ぶっちゃけそれだけが私の力だと思ってますw


今回の上場承認までの道のりにおいては、監査法人、証券会社、税理士法人、その他様々なアドバイザーの皆さん全員に、とんでもなく恵まれたことが本当に大きかったと思っています。本当にタイトなスケジュールで無理なお願いばかりしているにも関わらず、常に何とかしようと最大限努力してくださる方々に囲まれ、本当に不安なくここまでくることができました。

株主の皆さんにおいても、長いこと塩漬けにしてしまった資産を少しでも価値あるものにすることができそうで少しばかりホッとしています。

最後に、本当にここまでの厳しく長い道のりを強い想いと信念をもって、共に歩んできてくれた社員のみんなに心から感謝すると共に、改めてここから始まる今までよりも遥かにエキサイティングな旅を、この仲間達と共にできることに心からワクワクしています。

引き続き世界の人々を魅了する会社を創ることに全力で挑戦していきます。

まずはここまでお世話になった全ての皆さんに心から御礼申し上げます。
そして改めて今まで以上に多くの方々をステークホルダーとして迎えることの意味を理解し、パブリックカンパニーの経営者として全力を尽くしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い致します。

ちなみにオフィス内はというと一瞬盛り上がったのみで、全員今は何もなかったかのようにいつもと変わらず働いてますw
何とも味気ないような気がしないでもないけど、それもアトラエらしさかも。

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