麻布十番で働くCEOのBlog(旧・南麻布で働く社長のblog)

成功報酬型求人メディアGreenの運営や、インターネットサービスの企画・開発を行う株式会社アトラエの社長のblogです。

2019年01月

最近取材や経営者仲間の間で頻繁に聞かれる質問の一つが、エンゲージメント従業員満足度の違い。またそこにロイヤリティやモチベーションなども入ってくるともはやよくわからなくなりやすい。

私も多くの専門家の人にご教示頂いたり、書籍から得た情報をもとに、自分なりに整理して理解をしているので少し紹介したいと思う。

まず大前提として、エンゲージメントという概念は、仕事や会社に対するモチベーションやロイヤリティ、従業員満足度というものをある意味包括している感覚がある。モチベーションというのはなんらかの行動をとる上での動機となる感情であり、仕事や会社に対するモチベーションというのはエンゲージメントの一部とも言えるのではないかと思う。会社に対するロイヤリティという概念もエンゲージメントの一部と考えても差し支えないと思う。

一方で従業員満足度という要素もエンゲージメントに似た概念ではあるが、いくつか異なる点があるのではないかと思う。まず一つは時間軸が少し異なる。従業員満足度というのは今日に至るまでの過去の仕事や報酬や評価などに対する感情であり、エンゲージメントはまさに今この瞬間の感情にフォーカスしている。

また従業員満足度を高めると社員はより心地よい状態にはなるが、活き活きとしてパフォーマンスが上がっていくというわけではない。多少なりともパフォーマンスへの正の影響はあろうが、さしたる相関は今のところ見つかっていない。それ以上に従業員満足度を高めるためには給与向上や福利厚生の充実、オフィス環境の改善など、それ相応のコストが発生するため、パフォーマンス向上以上にそちらのインパクトの方が高くなるリスクを孕んでいる。

一方でエンゲージメントというのは社員がエネルギッシュに意欲を持って取り組む感情の度合いであり、明確にパフォーマンスと正の相関があることが既に複数の研究結果で証明されている概念である。

両者の違いを、活性化↔︎不活性化快感情↔︎不快感情という二軸のマトリックスで整理するとこんなイメージになる。
Engagement.001

これはエンゲージメントの国内第一人者でもあられる北里大学の島津教授からお教え頂いた概念図である。確かにこうやって整理してみると極めてわかりやすい。

エンゲージメントは残業時間を減らしたり、福利厚生を充実させたりすることで向上するようなものではない。もう少し根本的な働きがいややりがい、承認欲求や信頼関係を高めることでしか、向上していかないもの。

私は日本で働く人々のエンゲージメントは極めて低いのではないかという仮説を持っている。
そしてそれが平成30年間の経済成長鈍化の一番の要因なのではないかとさえ思っている。

今まさに働き方改革と銘打って様々な改善施策が検討・導入されているが、いまだに弱者救済的、労働者保護といった側面が強く、決して働く人々のエンゲージメント向上には繋がらないのではないかと思っている。

セーフティネットを用意することももちろん重要なことだが、トップラインを引き上がることもそれと同じ以上に大事なことだと思う。

少子高齢化という大きな経済的課題に直面しながらも、日本がそれに抵抗し経済成長していくにどう変わっていくべきか。わかっているのは間違いなくかなり厳しい状況に追い込まれており、変わらなければこのまま沈みゆくだけだということだろう。

今年は1月7日からの営業開始という遅めのスタートだったにも関わらず、1月10日あたりから社内でインフルエンザA型・パンデミックが起こり、最終的には50人中20人程度が罹患するというとんでもない事態に・・・。

結果的に1月15日の週は休む社員だらけで、健康な社員もウィルスだらけのオフィスには来たいわけもなく、自宅やカフェで仕事をするということで、オフィスはさながら学級閉鎖状態が続き、ようやく今週から仕事始めの感覚という、なんとも遅すぎる2019年の仕事始めを迎えていますw

私もご多聞にもれず1週間近く外出禁止となり、会食やアポイントを予定していた多くの方にご迷惑をおかけしてしまいました。すみませんでした。


ちなみに私はおおよそ1ヶ月のうち、社外の経営者の方々を中心に15日くらいは会食が入っています。もちろん中にはほとんど友人のような気心知れた相手もいれば、大先輩経営者の方と緊張感のある会食まで幅広くあります。
いわゆる接待という感じのものは極めて少なく、一番の目的としては自身のインプットを増やすことです。なんだかんだ経営者というのはみんなとんでもなくいろんなことを考えており、特に未来のことについては誰もが強烈にアンテナを張って考えています。

その考え方を聞いたり、意見交換するだけでも、自分の見える未来のイメージが鮮明になったり、全く別の景色に変わったりします。

私の場合、自分のインプットが主目的の会食は自腹で行くのが自分なりのポリシーなので、結果的に多くの会食は自腹になり、累計すると結構な費用負担になります。それでもそこで得ている人脈や情報を考えれば、継続して投資していくべき機会だと考えます。


稀にあまりそういう場には出てこずに、職場と自宅の往復を日々のルーティンとして、インプットは読書やSNSなどに偏っているタイプの経営者もいますが、個人的には仲間の経営者達から得られる刺激や情報、考え方などは極めて高い価値があると思っており、そこに参戦しないのはあまりにもったいないと思います。

CEOのミッションの多くは日々の実務作業ではなく、会社の未来を創造することであり、そのためにも多くの人と会い、そこから多くのインプットを得ることは極めて重要な取り組みだと考えています。いわゆる毎日電車で家と職場を往復するサラリーマンと起業家や経営者の情報量や成長スピードの違いは、実はそのあたりの行動パターンの違いあるような気さえします。

もちろん一般のビジネスパーソンであっても、社内の尊敬する先輩や経営陣と積極的にコミュニケーションをとることで、得られる情報量や刺激は簡単に増やせます。もちろん社外の同年代のビジネスパーソンと会うこともすごく良い自己投資だと思います。
そんなときはぜひyentaを使ってみてください ♪♪

なんにせよ、経営者だろうと会社員だろうと、そういったセンスを持たないと、これからの変化の激しい世の中で価値あるビジネスリーダーでいることは難しい、そう思う今日この頃です。

決して日々呑んだくれていることの言い訳ではありませんので誤解なきようお願いします。
しかし経営者でお酒が嫌いな人って、結構大変そうだな・・・。
お酒が好きでよかった♪♪

俗に言う楽しい仕事と楽しくない仕事があるのではなく、仕事を楽しめる人と仕事を楽しめない人がいるだけであるという話。私も個人的にそれに近い考えを持っている。

弊社では社員のロイヤリティやエンゲージメントは極めて高く、多くの社員がビジョンとバリューに強く共感して働いている。しかしながらだからと言って手放しにみんな仕事を楽しんでいるかと言われると恐らくそうではないように感じる。


なぜか。。。


会社というのはなんらかの目的や目標を実現するために人が集まった、いわばチームのようなもの。つまり実現したいことが明確にあり、その実現に向けて一人一人が役割分担し、創意工夫、試行錯誤しながら前に進めていく。そういう時に、会社に対するロイヤリティが高かったり、性格が真面目であればあるほど、会社にとってやるべきこと自分が貢献できそうなことをやらなければいけないという意識が強すぎてしまう傾向にある。

そういう人は、もし自分なりにやってみたい仕事や挑戦してみたい仕事があったとしても、会社のためというマジックワードを武器に我慢してしまったり、諦めてしまったりする。


私自身は会社全体のために、個々人の夢や思いを諦めてしまうような会社にしたいなんて全く思っていないし、そんな状態で人が最高のパフォーマンスを出せるとも思っていない。

かといって会社全体のことをないがしろにして、自分のやりたいこと自分が成長できることしかやらないという人はチームの一員としては受け入れられない。


ではどうすべきなのか。

私は、自分が興味・関心のある仕事や挑戦してみたいことと、会社のビジョン実現や成長にプラスになることの重なる領域を徹底的に探したり、時には作り出したりすべきだと考えている。

ただ異動願いを出すとか、役割分担を変えればいいという単純な話ではない。

大切なのは、自分と会社がWin-Winになるような状況を作り出すべく、継続して諦めずに努力をすること。


例えば、企画やマーケティングに興味があるが、現在はセールスとしてそれなりに価値貢献している人がいるとする。そこですぐに異動を願い出ても会社としてはなかなか受け入れづらい。その人の抜けたセールスの穴をどう埋めるべきか、そもそも企画やマーケティングに異動してすぐに結果が出せるかどうもわからないのだから当然だろう。

そういう時にセールスで貢献しながらも、10%や20%の時間でマーケティングの改善案や提案書を3ヶ月ずっと出し続けたりすることで、半年後にはマーケティングとして価値貢献できそうだと判断されることは大いにあるだろう。

また自分自身がセールスとして走り回らなくても、より効果が出せるような外部パートナーを見つけ出すことでカバーし、それによって余裕ができた時間を使って企画に挑戦するということもあるだろう。

なんにしてもそういう動きをする上でも大事なのは、日頃から社内の仲間や上司から、根本的な信頼を勝ち取っておかなければ、何も実現できない。逆に言えば、十分な信頼関係があり、自分のやりたいことが会社にとってプラスになるというレベルまで考え抜き、その重なったところを見出すことができさえすれば、仕事に主体的に取り組めるし、嫌でも意欲的に働くことができるのではないだろうか。

大切なのは、自分のやりたいことと会社にとってやるべきことの接点を探し続ける努力をすること。もし存在しないのであれば、どうやったら重なりが作り出せるか、どうやったら自分がそれを担うことを認めてもらえるか、そこは簡単に諦めずに努力をする必要がある。

しかし私の周りには仕事を楽しんでいる人が多い気がするが、多くの人は上記のようなことをごく自然に、ごく当然のこととしてやっているように見える。仕事を楽しめていない人の多くは、そんなポジションや仕事は存在していない、存在していても自分よりも得意な人がいる、そもそも異動なんて難しいだろう・・・・などとできない言い訳をたくさん並べて諦めてしまっているように見える。

会社のために犠牲になるのではなく、会社を上手に活用し、会社で価値貢献しながらも自己実現することが大事。それができる人こそが、まさに仕事を楽しめる人である。


もっと具体的な例を一つ。

アトラエには現在広報専任のお母さん社員がいるが、彼女も中途採用で営業担当として入社し、出産を経て時短勤務で復職したタイミングでは、管理部門で苦手な数値管理を担当してもらわざるを得なかった。ただそこで諦めてストレスを溜めながら働き続けるのではなく、自分の興味・関心が持てて、アトラエにとっても今後必要となるであろう広報という仕事を見つけ出し(これは実が私が提案したのだが・・・汗)、その役割を自分が担うことの合理性を高めるべく徹底して勉強し、いろんな人脈を頼り、多くの人に相談しながら、アトラエでもっとも広報に詳しい人になっていった。

苦手でストレスフルな仕事に就きつつも、状況的に他に貢献できることがなく文句のいいようもない状態から、アトラエの広報専任という、自分が興味・関心を有する上に、強みも活かせる仕事に就くことができている。またその結果として、今までとは雲泥といってもいいほどに会社への貢献度も高まっている。結果として自分も仕事が楽しくなり、周囲の仲間からの評価・信頼も高まるという、正の循環がまわっている。

誤解を恐れずに言えば、誰もがもっと会社という枠組みを利用し、自分が楽しく貢献できる方法を見出す努力をすべきである。諦めるべきでもないし、安易な転職によって解決しようとするべきでもない。決して隣の芝は青くない。

世界的株価低迷、米中貿易摩擦、ブレグジットなど、2019年のスタートは決して順風満帆とは言えない様相を呈している。

我々のような小規模なベンチャー企業にとっては、マクロ経済の動向よりも、自助努力の方が影響が大きく、市場全体が低迷していても努力と工夫次第で業績は伸ばしていくことができるので、さほど気にしすぎることなく、価値があることに邁進していくべきだと考えている。

そんな中で最近個人事業主やフリーランス、プチ起業のような働き方を選択する20代、30代が増えてきているのを肌で感じる。その多くは自由度の高さと、一時的な収入の向上であろう。

社会人になって以来、多くの人の転職やキャリアに関わることを生業にしてきた私としては、少しもったいないと感じることが多い。

フリーランスや個人事業主というのは、自身のスキルや経験や労働力や時間といった、既に持っているリソースを切り売りすることで対価を得ることがメインとなる。そしてそのリソースに対して常にニーズが高いクライアントに対して価値を提供することで、当然ながら常に自分のスキルや経験を必要なところに提供する以上、短期的に見れば一つの会社で働く正社員よりも収入を高めることができるケースが多い。

一方で20代、30代というのは体力、知力、そしてプライベートの環境的にも、ビジネスパーソンとしてもっとも成長できうる期間でもある。そういうときにいかに多くの修羅場をくぐり、多くの挑戦と失敗を繰り返せるかが、40代以降のビジネスパーソンとしてのバリューに大きな影響を与える。

多くのビジネスパーソンの生き様や選択を見てきた私なりの見解として、若く成長余地がある間に、短期間での対価最大化、つまり収入の最大化に走るのは決して合理的な選択だとは思えない。逆にいえば、成長余力が衰え始め、身につけてきたバリューの価値がマックスに到達するかどうかという40代後半以降くらいであれば、自身のスキルや経験を切り売りして提供することで、社会に貢献したり、対価を最大化するという選択も合理性を増すだろう。


なんとなくイメージがつきづらいかもしれないが、ヨーロッパの一流リーグで活躍するサッカー選手が、もっとも成長できる20代のうちに年俸が高いという理由でJリーグにくるかと言われれば、まずこないだろう。一方で体力や技術の成長に衰えを感じた最後の数年であれば、条件次第では自身がもっとも活躍できる場、つまりヨーロッパに比べてまだレベルが至らない日本のリーグなどで自身の経験やスキルを提供し、短期的に最大対価を得るというのは理に適っているといえる。

多様な働き方が選べる世の中は素晴らしいし、人材の流動化も極めて重要かつ必要なことだと思っている。その一方で伸び盛りの若い人達の安易な短期的な対価最大化を目的としたフリーランスや個人事業主の増殖には警笛を鳴らしたい。

5年や10年を生き延びれればいいのであればそれもいいかもしれないが、これからの人達の社会人人生は50年と言われる時代である。若い時は10年、20年というスパンでなんてものは考えられないことも重々理解した上で、短期的に売れる歌を歌おうとするアーティストではなく、自分が本当に価値があると思える歌に人生を賭け、歌い続けるアーティストを目指してもらいたい。

社会人になって20年以上が経過した今だからこそ、いろいろと見えるものがある。
少しでも若い人達の意思決定の役に立てばと思い、新年最初の筆をとってみた次第。

2019年もよろしくお願いします!

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