とんでもなく久しぶりのブログ更新・・・・。
ずっとサボってました。。。

最近メディア取材や経営者の方々から相談を頂く中で、自律分散型組織、いわゆる最近でいうところのホラクラシーやティールと行った組織運営手法について聞かれてることが多くなってきたので、その辺りについて少しだけ書いてみることにしました。


背景としては、日本型の上意下達のヒエラルキーの強い組織運営が、合理性や生産性という面でも、社員の働きがいやエンゲージメントという面でも、制度疲労を起こしていることがあるのではないかという気がしています。

その理由としては色々とあるのですが、今回はそっちを深掘っていくよりも、自律分散型組織におけるポイントについて整理してみたいと思います。

自律分散型組織の反対は中央集権型組織です。
中央集権型組織というのは、中央(経営中枢や管理者)が権力をもち組織をコントロール(意思決定や指揮命令)する組織。それに対して自律分散型組織というのは、それぞれの個やチームが自律的かつ能動的に動きながらも、協力しあいながら活動していくような組織のイメージです。
ブロックチェーンなどの技術進化によって、国自体も今後自律分散型国家に向かっていくなどと言われていますが、それよりも先に会社組織などの変化や進化の方が圧倒的に早そうな気配ですね。


弊社アトラエでも自律分散を強く意識し、一人一人がオーナーシップと当事者意識を強く持ち、労使関係ではなく共通の目的の実現を目指す仲間として協働する組織を構築すべく試行錯誤してきました。

その際にもっとも重要となるのが、情報共有意思決定評価の3つになります。

情報共有は昨今テクノロジーの進化によって劇的にコストが下がり、大きな組織でもリアルタイムで情報共有をすることが容易になっているので、実現方法という意味ではさほど難しくないと思いますが、カルチャーや個々人のメンタリティが阻害要因となることが多々あると思われます。思ったよりみんな情報共有したくなかったり、抱え込んだりするインセンティブが組織内では働くようでw

意思決定についても、中央集権にせず、かといって完全多数決などとなると多数決のバグが確実に露呈します。ここは極めて難しいところです。弊社ではプロジェクト単位で自律的にビジネスを推進しており、そのプロジェクトの予算管理や決裁権をもつプロジェクトリーダーという役割が存在します。大事なのは出世や上司という概念ではなく役割としてのプロジェクトリーダーです。ちなみにプロジェクトリーダーだけはCEOが任命するということにしており、CEOとプロジェクトリーダーによって構成する意思決定メンバーによって、会社における重要な意思決定がされています。
イメージとしては仲間の中で意思決定に長けたメンバーが、仲間を代表して意思決定をし、その結果や背景を仲間にしっかりと報告、共有するという感じでしょうか。もちろん全社員、その意思決定に対して不満をいうこともできますし、反論することもできます。
必要に応じてプロジェクトリーダー以外のメンバーも意思決定に加わってもらうことも多々あります。社員たちは自分達が責任を負いきれないと思うイシューや会社にとって影響度が大きいイシューを、各自の判断で意思決定メンバーに委ねる形になります。
たまに経験の浅い若手社員が自分の判断でいける!と勘違いして、とんでもない暴走をして、トラブルになるパターンもありますが・・・w
それも一つの経験ですし、周囲が察知して「それは流石に適切な人に相談するなり、意思決定メンバーにエスカレーションした方がいいよ」と促すことで、なんだかんだそういう暴走事例も抑制されている印象です。


最後に評価ですが、誤解されやすいのは、フラットな自律分散型組織だからといって、給与がみんな同じとかいうことではありません。どちらかというとドラスティックに貢献に応じて給与は変わるべきだと思っています。とんでもなく頑張って貢献する人もいれば、極めて高いロイヤリティを持ちながらも限られた時間や能力でできる限りの貢献をしてくれている人もいます。そういった仲間の貢献度合いが適切に評価されることが大事だと考えています。ただし正しい評価などというものは存在しないと思っていますし、そもそも人が人を評価することなんぞ無理だと思っています。
よって、我々は社内に、株式市場のような市場性の原理を導入したいと考え、試行錯誤して評価システムを構築しています。詳細は控えますが、360度の評価に基づき、ある意味で自動的に「この会社にとって重要な役割を担っている人」のランキングが出せる仕組みを構築しており、その序列に基づいて給与原資を分配するようなイメージです。
給与原資を決める意思決定は、会社にとって重要な意思決定ということで、上記した意思決定メンバーによって決定されますが、その後の分配については360度評価の結果に基づいて実施されます。正確には、現在はまだ評価アルゴリズムの改善を進めているので、最後は意思決定メンバーによる微調整が行われていますが、将来的には市場性に基づき自動的に給与が決まる仕組みを構築したいと目論んでいます。
ちなみに給与のための評価ではなく、成長のための評価やフィードバックについては、究極的には本人が受けたいと思う人から受けるのがいいと思っています。自分が尊敬する仲間からアドバイスをもらう方が成長すると思いますし。


だらだらと書きましたが、自律分散型組織が万能な訳ではないと思っていますし、あらゆる企業がフラットになればいいとも全く考えていません。そして我々もフラットにこだわっているのではなく、意欲ある社員が無駄なストレスなくビジネスに熱中・熱狂できる組織形態にこだわっています。それが結果的に今の形になったというだけです。

ティール組織についてよく聞かれますが、ティール組織の本はまだちゃんと読んでません・・・。
手元には持っているものの、分厚すぎて腰が引けたまま今に至っていますw
なのでティールについては詳しく話せません。ただ自律分散型組織を実運用しているという意味では、かなり長いこと試行錯誤してきてはいて、上記した3つのKFSは、まさに実践の中でたどり着いた結論です。

テクノロジーの進化(コミュニケーションコストの低下)、競争優位の変化(オペレーショナルエクセレンスからクリエイティビティへ)などに合わせて、組織のあり方にも進化や変化が求められていると強く感じる今日この頃です。