たまには真面目な話をしたいと思います。
最近、転職を考えている方々や新卒の学生から同じような質問を多々いただきます。

「腰を据えて働きたいのですが」
「安定したキャリアとはどういうキャリアなのでしょうか」
「これからの時代、どういう会社が伸びると思われますか」
などなど。


それにお答えすべくコラム調で以下に記載します。
ちなみにこのコラムは、私が6年ほど前にインテリジェンス子会社をやっているころ、転職サイトのコラムとして掲載していた内容です。その頃は全く響いてくれる人もおらず・・・。
しかし今、まさに求められている考え方だと思いますので、再度掲載させていただくことにしました。

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『会社に依存することのリスク』
  
 現在、キャリアに対する考え方や価値観、アプローチが時代とともにダイナミックに変化してきています。ひとつ考えてみてください。これまで圧倒的な組織力や団結力を誇った日本型経営が、三種の神器の一つと呼ばれた終身雇用制度を採用してきた意義はどこにあったのでしょうか。
 
 企業はボランティアで社員の雇用を保証してきたわけではありません。雇用を保証する代償として、企業は社員に対しキャリアを完全に支配・掌握する権利を要求してきました。キャリア開発の主導権を人事部が完全に握る事で、企業は適材適所の人材配置を大組織で実現してきたのです。「はじめに組織ありき」。これが終身雇用制度の実体だったといえます。

 しかしこの終身雇用制度がバブル以降、崩壊の一途を辿っていることは既に周知の事実です。1人の社員を定年まで雇用するためには莫大なコストがかかります。少なくとも全社員の生涯賃金に福利厚生を上乗せしたコスト以上の収益が、企業に最低限の保証として要求される事はいうまでもありません。しかもその収益が単なる瞬発力ではなく、安定した成長を何十年単位で維持できる持久力に求められていることが、企業を更に苦しめています。

 時代はボーダーレスへ、世界レベルの大競争へとシフトしてきています。しかしその熾烈な競争の中にあっては、永遠の成長、安定した存続が保証された企業などどこにもないのが現実です。今めざましい成長を見せている企業も、10年後、20年後、30年後にどうなっているかは誰にもわからない。会社の成長・存続の保証がなくなった事で、終身雇用の保証が限界に達したのは自然な流れといえます。

 しかしここで問題なのは、企業が雇用を保証できなくなった今も、社員のキャリアは依然として支配しようとしている現実です。雇用の保証がないのに、大切な自身のキャリアを支配される事が今後大きなリスクである事に少数の方々は気づきはじめています。会社に自分のキャリアを支配させ組織に身を任せてきた社員は、良くも悪くも最後まで「会社あっての自分」でしかない事を痛感しはじめています。

 この現実を目前にしたとき、ビジネスパーソンは2つのタイプに分化します。一つは定年まで何とか会社にしがみつき、最後まで逃げ切るタイプ。もう一方は市場価値を高めて外でも戦える実力を身につけるタイプです。

 どちらをとるかは個人の自由ですが、結論から申し上げますと20代・30代の方々は後者を選んだ方がよいと思います。会社が終身雇用を保証しなくなった今、最終的に信用できるのは自分自身の実力や人脈、判断力しかなく(本来はもともとそうあるべきなのですが・・・)、まだそれらを磨くチャンスが残されているからです。

 早いうちに会社主導のキャリア開発を、自分自身の主導によるキャリアデザインへと切り替えることをお勧めします。そこでは真に自分の幸せな働き方を目指し、それをベースに環境を選び、職種を選んでいく必要があります。場合によっては複数回環境を変えていくことも必要かもしれません。
 
 個人的な考えを述べると、会社というのはあくまでも外部要因であり、変えていくことが可能であるのに対し、各個人の志向性や価値観、Visionというものは個人に属する内部要因であり、よほどのことが無い限り変わらないものと考えています。だからこそ私達の考える理想的なキャリアとは、市場価値を向上させることだけに留まらず、志向性や価値観、Visionをベースとして幸せな働き方ができることと定義すべきなのではないかと考えています。

 その理想的なキャリアをデザインしていくためには、志向性等の内的要因をベースとし、そこに的確な市場動向等の外的環境を統合していくことで、より現実的に理想をデザイン(具現化)していく必要があるのではないでしょうか。キャリアデザインは非常に困難で、多くの人がそこで挫折しているのも事実です。しかしながら、その原因はノウハウを持った人や企業の存在がほとんど認識されておらず、各自が独自に考え模索していたからといえます。

 私たちは、まさに自分主導のキャリアデザインを実行していくために必要なノウハウと情報を持ち、かつ同じ世代の活躍を強く願うプロフェッショナルコンサルタントの集団です。常に若手ビジネスパーソンにとって最も有意義な、最も信頼されるパートナーでありたいと考えています。是非とも夢のあるキャリアをともにデザインしていきましょう。
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 今読むとあまりまとまりはないですが(笑)、言いたいことはまあまあでしょうか。つまり真に安定した生活を求めるならば、その解は安定した会社に入ることではなく、安定したキャリアを身につけることなのです。

 どういう環境でどういうキャリアを身につけることができるのか、そして自分が将来どういう働き方をしていきたいのか、そういった内的要素と外的要素のマッチングこそがエージェントである我々の価値だと思っています。

 ぜひともこの時代の変化のタイミングに関われていることをポジティブに捉えて、エキサイティングなビジネスに関わっていきましょう!