先日一冊の本に面白いことが書いてあった。
TQE(トータル・クオリティ・アントレプレナーシップ)という考え方。
これは、起業家の本質という本の最終章あたりに記載されていた。
その前にこの本について少し紹介。
この本の内容、これまた凄い。
何が凄いって完全に起業家こそが偉いということが、Inkという米国の有力ビジネス誌の元発行人によって、ある意味ロジカルに主張されている。。説明というよりも主張と言うのが適切な言い回しだと思う。
ちょっと例に出しているケースが極端ではあるが、起業家の立場である自分としては非常に心地よい内容である(笑)。
起業家が経済を支え、起業家が雇用を生み出し、起業家が税金を払い、でも国(ここでは米国のことを言っている)は起業家を支援しない。それどころか足かせをはめたり、成長を妨害したりする法案を可決するという仕打ちをしている、といったトーンで書かれている。
そんな極論の展開の中、普通に「なるほど」と思うことも多々記載されている。
その一つが冒頭で触れたTQEである。
これはまさに私自身が自らの会社を今までにない、全く新しい組織にしていきたいと思っていることと、重なる部分が多々ある。
というのも既存の会社で、こんな会社にしたいと思う会社は、僭越なようだが存在しない気がする。
勿論素晴らしい企業は日本にも沢山あるが、自分達の会社を将来そういう会社にしたいかと聞かれるとNOだったりする。
そういう思いの中で、新しいマネジメントスタイルや組織構成などについて、日々いろいろと考えをめぐらせている。
そこにTQEがヒットした。
簡単に説明すると、一つ一つのチームに責任を裁量を与え、ヒエラルキーのある組織から、分権型の小チームの集団にしていくことで、アントレプレナーシップを全員が保てる組織風土を生み出す、それこそがTQEという次世代のマネジメントシステムだという。
評価の方法なども、上司が一方的に評価する既存のシステムとは全くことなり、上司、同僚、顧客からの3者評価を基本と考えている。
そして組織の目的は株価や他の誰かに決められた業績目標に固執したものではなく、会社にとって本来あるべき企業にとって正しく顧客・従業員に向いていくことだと言っている。
詳細は本を読んでもらえればと思うが、なかなか極端な意見が多い中でも賛同する。
この考え方に多くの人は、随分極論だなと思うのだろう。
(読んだ直後の私と同様に)
しかし振り返って思うのは、その意見が現在の主流な考え方と大きく異なることを、極論だと捉えてしまうのは危険だとも思ったりする。
私自身、振り返ると随分極論ばかりを口にしながら、ここまでやってきた気がする。
ある意味、世の中のほとんどの人は今ある形ややり方にとらわれすぎてしまうのかもしれない。
そしてそれを打破するのは、こういう考え方を持った人だけなのかもしれない。
ふとそんなことを思った。
Googleなどはまさにその典型的企業なのかもしれない。
そして日本人はそういう発想や考え方がより苦手な人種なのではないかと思ったりもする。それが起業家の少ない日本を生み出しているのかもしれない。
最近少しずつながら若い人達の職業観が変わってきている。
これは日本にとっては非常に良いことだと思う。
我々I&Gパートナーズはそういうことを後押しする立場でありたい。
ということで、TQE、もしよければ参考にしてみてください。