日本でもM&Aが増加の一途をたどっていることは
誰もが知っていると思う。


私自身、企業の成長戦略においては非常に有益な手法
の一つでもあると考えている。


しかしその一方で、成功事例が少ないことも様々な
書物やメディアで取り上げられてきている限りは事実
のようである。


その多くは、カルチャーの不一致や人材の流出による
ものであるという。



私自身、ずっと長いこと人材採用や教育、組織に関する
畑でビジネスをやってきたためか、ある意味想像通り
であった。

現代の組織における唯一無二の差別化は知識労働者で
あるという話は、ドラッガーを中心に有名な話しだが、
そんな現代の会社同士が一緒になるときに、従来のように
会計的デューデリジェンス、法的デューデリジェンス、
ビジネスデューデリジェンスによって意思決定すること
自体、明らかにおかしいように思う。


もし弊社がどこかの会社に敵対的買収をされたとしよう。
普通に考えれば間違いなく全社員退職してしまうだろう。
弊社のようにものを有さない企業においては、まさに
モチベーションの高い、優秀な社員こそが唯一の差別化
であり価値なのに。。。


そう考えると、今後のM&A市場において、ヒューマン
リソースデューデリジェンスという、組織カルチャーや
人材のレベルなどを見極める判断基準が生まれてくる事
は必然だと思う。

転職するときですら、社員のレベルや経営者の考え方、
風土などを気にする。

買収するならなおさら重要だろう。

ベンチャーキャピタルにおいても、事業モデル以上に
経営者や経営メンバー、さらには社員のレベルに注目
して投資するキャピタルが増えてきていることからも、
もう時代は変わりつつあるのかもしれない。。


そんな中、まさに組織を人材という側面から見続けて
きた私達のようなプレイヤーこそが、まさにその領域に
進出できる数少ないプレイヤーなのかもしれない。


そう考えると、どんなビジネスであっても本質を極める
ことで、より高度で高付加価値な領域へ昇華していく
ことができるのだと気付かされる。


個人的にはすぐにでも実行可能ではあるが、会社組織と
してそういう依頼に応えられる力をつけていかなくては。。

そのためには、もうちょっと突き詰めてやっていく必要
がありそうだ・・・。