ちょっと古いが、最近ミスミの三枝社長が書かれている
「V字回復の経営」なる本を読んでいる。

何故かたまたま読み損ねていたところ、たまたまAmazonの
お奨めで出てきたことで、衝動的に買ってみた。



・・・そう考えるとAmazonのリコメンデーション機能はすごい効果。。




その話の中で、商売(ビジネス)の基本サイクルという
話が出てくる。


研究開発⇒製造⇒営業・マーケティング⇒顧客


という一連のビジネスの流れであり、最後顧客からの声、ニーズを
さらに研究開発や製造、営業に活かしていくことで、サイクルが
完成する。


ここで重要なのが、このサイクルを如何にして短縮化するかが、
企業の競争力になるということ。


確かに顧客の声が研究開発や製造現場に届かないような企業では、
良い商品やサービスが開発されるわけもない。
セブンイレブン社なども、Dailyでポスデータが吸い上げられ、
顧客の行動結果を分析し、現場に活かしているという。


わかりやすい話として、椅子作りの話が出ていた。


以前一人一人の職人がデザイン・設計から、塗装や組み立てまで
手がけている時代であれば、店頭で売られる自分達の商品が
顧客にどう思われ、どう評価され、どう使われているのか、を
職人達は相当気にしたという。そして何か問題や改善点があれば、
すぐに次に組み立てる商品に反映させることができたと。


一方で近代化した工場においては、効率重視の完全分業体制が
敷かれている。つまりある人や椅子の脚だけを削っていたり、
色だけを塗っていたり。。
そうなると、指示に基づいて作業を行うだけの人になりやすく、
当然ながら店頭で顧客がどう評価しているかどうか、なんて
気にしなくなる。
そしてそういう声がフィードバックされる仕組みも、ほとんどの
ケースにおいて存在しないか、実質機能していないという。


確かにそういう状況は容易に想像がつく。



この話、どんな業態でも気をつけないといけない。
効率や生産性などは非常に大事。

しかし自社が社会に提供する付加価値はなんなのか、そして
それが本当に提供できているのか、どんな部門、プロセスに
関わっている人であろうと、その点を常に意識していかない限り、
如何に生産性を上げてもそもそも市場に受け入れられないだろう。


弊社の行動指針『As IGP』に『IGPという城を創れ!』という指針がある。


これはまさに、働く上で重要な視点と目的意識に関する指針。


ただ日々釘を打っている人。ただ日々ペンキを塗っている人。

そういう人ではなく、日々は釘を打っていたとしても、
何をしているのかと人に聞かれたら、熱を込めて

「IGPという城を創っているんだ」

と語れる働き方をしてほしい。それによってできる工夫や
モチベーション、個々人の成長はだいぶ異なる。




話を戻すが、ビジネス(商売)の基本サイクルを短縮化し、
しっかりとまわしていくこと、簡単そうで簡単ではないこの
基本的な考え方を、改めて意識して経営をしていかないと
いけない。


もちろんこの話以外にも沢山参考になる話はあった。

V字回復の経営」さすが名著!