本日の日経新聞の1面に日興の上場廃止の記事が出ていた。

凄いできごと。


まさか日興ほどの会社が上場廃止になるなんて、5年前なら
誰も想像しなかっただろう。



昨日、野村證券の元経営陣だった方々と食事をご一緒させていただいた。

そこでも昨今の株式市場やMSCBなどについて、議論が変わらされた、
私もその中でいろいろと学ぶことがあった。


ただやはりその方々がおっしゃることも、私が考えることも、
レベルは違えど、本質は同じなんだと感じた。


会社は投機的な株主のために存在するわけではない。
従業員、顧客、株主というステークホルダーのバランスを取る
ことこそが経営者の責務なのだと思う。
もちろん資本コストに見合った期待リターンを提供すべきである
のは間違いない。




また最近紙面をにぎわすコンプライアンス(法令遵守)という
考え方も個人的にはちょっと不足だと思っている。

法を守っていれば何をしてもいいのか、というとそうではない。
グレーな法の落とし穴がまだまだ存在する以上、企業としての
倫理観や行動理念みたいなものが大前提として存在しないといけない。


つまり法的には問題なくとも、会社としてやってはいけないこと、
取り組むべきではないこと、そういうものを明確にして、企業風土、
行動指針として浸透させていかなくてはいけない。


法律は人が作っている以上、完璧ではないわけだし。


弊社の行動指針にもそういうフレーズがある。


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プロセスには拘れ!しかし結果がすべてだ。
〜結果は絶対。さらにプロセスまでにも拘るのがIGPクオリティ〜

どんなにビジョナリーな会社であっても結果が求められる。

売上予算、行動指標、顧客の期待値、・・・これらの指標は
メンバー一人ひとりが拘り、必達することが前提である。

達成するためには様々なプロセスを、
試行錯誤、努力することが求められる。

ただし、いかに達成するためであったとしても、
顧客にとって不利益をもたらすものや、
法的・道徳的にグレーなプロセスを経たものは
一切認めない。
IGPにおいては、決して後ろ指差されることのない、
正々堂々としたプロセスを経た達成のみが認められる。
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会社にとって大事なのは、誠実さをもって市場や顧客と
真摯に向き合い、自分達の行動理念とプライドを持って、
社会に必要とされる企業になること。


個人的にはそう考えている。


世の中はやれ日本版SOX法だなんだのと、ルールや
法律で規律を設けようとする動きが活発である。
もちろんそういうツールやルールも必要。


ただ、そういうルールや法律とは異なり、もっと本質的な
部分の、企業風土や企業カルチャー、経営理念や行動指針
といったものこそが、最も大事なのだと思う。


何が正して、何が正しくないのか、最後は原理原則本質論。


儲かるならいい、法律に違反しなければいい、そういう
カルチャーを作ってしまうのは経営者の責任。


自分達がやっていることが、胸をはって正しいと思える、
社会に価値があるか、顧客に価値があるか、そんなことに
こだわってプライドのもてる仕事をしていきたい。


少し遠回りに感じることがあっても、最終的には、
そういうことに拘れる会社だけが、永続的に成長を実現し、
時代を代表するエクセレントカンパニーになるのだろう。


しかし上場企業の経営者が、株主(市場)から受ける
プレッシャーは相当なんだろうな、、、。

そこだけはさすがにちょっと不安を感じる今日このごろ。。