ベンチャー企業にとって、最近の経営環境は完全に逆風といってもいい。

新規の株式上場銘柄については、5月はなんと現時点で1社しか該当社がないという。

確かに現状を見る限り、よほどの成長力と余程の利益創出能力がない限りは、現市場に上場するメリットはほとんど感じられないのも事実だろう。

しかも問題はこれがどの程度回復するのかということだが、それに関しても非常に懐疑的だと感じている。


そもそも日本のベンチャー企業は株式市場におけるPERが高すぎたという見方のほうが一般的なのではないだろうか。米国ではとっくの昔に現状の平均PERに落ち着いていたにも関わらず、日本はやれ40倍だ50倍だという数値がつき、投機的性質のお金がそこに流れ込むという、一種のバブル状態だったと言っても過言ではないだろう。
そう考えれば、現在の流れから多少の復調はあるだろうとは思うが、落ち着くべきラインからそう大きく逸脱していないのかもしれないとも思う。


もし現状のような推移が続くようだとベンチャー企業のエグジットは上場ではなく、売却が主流になっていくことも十二分に考えられる。まさに米国のベンチャー企業がたどっている道のりを1歩遅れてついていく格好になりそうな気配である。


個人的には本物だけが勝ち得る、本物しか生き残れない状況は歓迎だったりするものの、一方で株式市場やマスコミの煽り方によってせっかくベンチャー企業に興味を持ちつつあった学生や若い社会人が、再度大手シフトしていることだけは避けたいと思っている。

そのためにもベンチャー起業家はこういう逆風の中であっても、しっかりと成功を掴み取ることで、若い世代にその魅力ややりがいを伝えていく必要があるのだと勝手に思っていたりする。


ちなみに弊社は売却など全く狙っていない。
上場するかどうかはともかくとして、会社としての実質的な価値をしっかりと向上させていき社会に価値ある会社へと進化していくことだけを純粋に目指していく。

それが結果的には社員にとっても、株主にとっても、そして顧客にとってもGoodな結果へとつながるはずなので。

逆風の中、一歩一歩前進すべく愚直に頑張ります。