様々な顧客から、どうやったら若くて優秀な人材が採用できるかという相談を頻繁に受けるのだが、私はそれに対して全く異なる提案をすることが多い。

というのも、正直申し上げて労働人口、特に多くの企業が採用したいと思っているような若くて優秀な人材は市場にも限られているし、年々少しづつ減ってきている。
そんな中でブランドや資金力や人材リソースのない中小企業やベンチャー企業が、そういう人を採用するとなると、これは一筋縄ではいかない。

実現できたとしても、コスト、人材リソースなど、決して見合わないのではないかと思うこともしばしば。

個人的には非常に非効率かつ無益だと感じることが多い。

ではそういうときにどうしていくのが良いのか。


私が良くお伝えするのは2つ。

1つは離職者を減らす努力をすること。採用にはコストをかけるものの、離職者を減らすことにはコストをかけない経営者が多い。


2つめはシニアと既婚女性の積極的な活用。
シニアといっても50歳以上で十分。今の50代は全くもって元気そのもの。
勿論人選は必要だが、ノウハウや経験に長けていて、かつ高い意欲で働いてくれる層であることは間違いない。
特に管理部門や工場関連職種など、専門性の高い職種においてはかなり効果的だと思う。

既婚女性も同じ。短時間勤務であっても保育手当てを出しても、年収や採用コスト、さらにモチベーション維持コストなどを考えれば、既婚女性が働けるために投資するコストなんてたかがしれている。にも関わらず、多くの経営者はどこかで男女差別的な思想を持っているために上手に活用できていない。


ちなみに弊社でも既婚女性や育児をしている女性が本当に良く活躍してくれている。その能力や安定した仕事ぶりは、ときに若手を大きく上回る。

これからの採用難の時代、人的リソースの確保にも多様な考え方と戦略が必要だと感じる今日このごろ。