日本には真の経営者が少ないという話しは誰でも一度は耳にしたことがあると思う。

一方で若い経営者は昔に比べて増えてきている。

でも経営者が育っている印象はあまりない。

個人的に思うのは、ビジネスを生み出し成長させるための組織がスモール化してきているということ。

つまるところ、テクノロジービジネスや金融ビジネスのように、1人当たりの生産性を高めることができる事業領域が活発に立ち上がっていることで、組織マネジメントや社員の教育などを行う必要性よりも、新たなテクノロジーや新たなサービスを発案することに重きが置かれすぎてしまっているのではないかと感じる。


ビジネスリーダーというのは、Visionを打ちたて、人を巻き込み、育成し、モチベーションを高めながら目標に向けて率いていけなければならない。
そのプロセスにおいては多くの障壁が存在するが、それらを一つ一つ乗り越えていくことが求められる。

そして短期的にも長期的にも最大のパフォーマンスを出すことがリーダーのミッションであり、マネジメントの目指すべき命題だろう。


そう考えると、最近のネットベンチャーやモバイルベンチャーにおいては、真のビジネスリーダー的な存在が少ないのではないだろうか。

技術に詳しかったり、クリエイティブセンスが高く、ビジネスアイディアに長けた人が、夢中にサービスを作っていく中で気付くと部長という肩書きになっていたりする。勿論そういう人の中にもビジネスリーダーとしての素養や一定の経験を持つ人もいるとは思うが、両方を兼ねそろえている人はあまりお見かけしたことがない。


若いベンチャー企業だとついつい勘違いしがちだが、成熟した業界から転職してきた人達が社内を知ったら、そのマネジメントレベルや経営レベルの低さに驚かれることと思う。

これから若い会社やインターネット・モバイルなどの新興企業が、将来日本を代表する会社になっていくためには、やはり人を雇い人を育てテイク事を意識しなくてはならないし、好きなサービスを考えたりするだけではなく、どんな事業でも任せれば最速でゴールに導いてくるようなビジネスリーダーを育成・養成していくことで、組織的な力を高めていくことが必要なはず。


自分がビジネスリーダーとして、経営者として、一流を目指していく若い人は、是非とも成功体験を重ねていってもらいたい。好きなサービスを開発すること以上に、どんな事業でもどんな組織でもいいから、自分が責任と裁量のある立場で人や事業を率いて結果を出すということにコミットしてみることをお薦めする。

勿論そういうチャンスは誰にでも訪れるわけではない。

日頃からそういうチャンスを狙ってちゃんと鍛えておくこと。また日々の業務の中で周囲からの信頼を勝ち取っておくこと、そして自分がそういうことを目指していることややってみたいという意志を上司や経営者に日頃から発信しておくこと。

それによってチャンスがつかめる可能性が高まるはず。

実際に我々自身も、もう少し資金的な余裕が生み出せた後は、長期を見据えて、次世代のビジネスリーダーを生み出すためのオポチュニティやトレーニングをスタートしていくつもり。

誰を抜擢するか、そういう視点で日々みんなの言動を見ているのが経営者。
出る杭こそ、全力で引き上げてあげたい。

こんなことを書くと社員のみんなが変に意識しちゃうかも(笑)。