先週末の組織論ネタの続きです。

先週のブログでは、抑圧的かつトップダウン的な組織をサッカーチームに比喩して表現してみましたが、今回は私がイメージしている理想的な組織をまたまたサッカーチームに比喩してみます。



試合前のロッカールーム。

「今日のフォーメーションはどうしようか?」

誰ともなくこんな言葉を言い出した。すると、

「俺は今日相当調子がいいので、できれば前線で攻めていきたい。」
「俺も昨日のシュート練習のテゴタエは最高だったし、フロントで勝負したいな。」
「よし、それなら今日はお前らに攻撃を任せて、俺は守備を固めるとしよう。」
「じゃあ俺も一緒に守るとしよう。その代わりお前ら頼むぞ!」
「じゃあ俺は・・・・」

メンバー同士が上記のようなコミュニケーションを取り、自発的に今日のフォーメーションが決まる。しかし敵のフォーメーションを考えると、このフォーメーションだと少々優位性に欠けそうである。

そのとき誰かが、

「いや、このフォーメーションだと敵のフォーメーションを考えると不利だぞ。」
「確かにそうだな。あと1人守りに回ったほうが良さそうだ。」
「よしじゃあ今日は俺が守りに回ろう。華はお前らに譲るよ。」

そして試合開始。勿論なかなか当初予定した通りには事が進まない。
ただし各自が臨機応変にその場その場で判断し、仲間と声を掛け合いながら動いている。今日は守るといった選手も、チャンスと見るや否や一気にオーバーラップして攻撃に参加することもしばしば。

それを見た他のディフェンスの選手は彼の穴を埋めるべく少人数でも守れる配置に移動し、彼の攻撃時にできた穴をなんとか補う。

もしそれが失敗に終わったとしても仲間からの声は、

「ナイスチャレンジ!」
「惜しかったな。」
「次やるときは成功させよう!」
「今のはタイミングがちょっとだけ遅かったな。次はもう一段階早めよう!」

というポジティブなもの。
勝つためにリスクを取ること、挑戦することは賞賛される。
失敗しないことではなく、ちゃんと挑戦することがこのチームが大事にするカルチャーである。

負けると何よりも彼らは悔しがる。次に勝つために、その日はみんなで徹底的に改善点を探り出し、次にいかそうとする。

一応監督も存在する。が、基本的には選手が中心となってチームは運営されている。監督はというと、相手チームを分析した情報を選手に提供したり、試合をマッチングさせたり、選手達からの相談に乗ったりすることが中心であり、指示を出したり命令したりすることはほとんどない。




こんなサッカーチームがあったら、サッカーが楽しそうだなと思う。
そして強い選手、力のある選手が自分の力を120%発揮できるような気がする。
強いチームになるも弱いチームで終わるもまさに自分達次第。

監督としては任せすぎではないかという不安も残るのが普通だろう。
それでも任せたほうがいい。


なぜならば選手は皆サッカーが大好きで、かつ負けることは大嫌いなメンバーばかりが集まっている。勿論それを実現できるだけの一定のスキルも有している。

自分が選手の立ち場であれば自由にやらせてほしいと思うのは間違いない。
自分がやりたいことを選手にやらせていない人が多い。
自分はそうやりたかったのに、自分が監督になるとそうやらせないのはなぜか。
それは自分だから出来る、自分は特別だという驕りではないだろうか。

誰だってうるさく指示されたくないし、それが制約になって遊び心や挑戦心が損なわれるのはつまらなすぎる。プロであればあるほど余計に。


そして私自身も選手としてフィールドに立ち、たまには点を取ったり、選手と一緒になって一喜一憂したい。それがベンチャーの社長の醍醐味であり、私が理想とするフラットな組織。


こんな組織、実現できたら面白くないですか?

私はこんな組織が次世代の理想とされる組織になると確信しています。
そしてそれをどこの組織よりも早く実現してみたいと心から思ってます。