最近こういうご時勢ゆえに、キャリアに関する相談をもらうことが多い。

そんなこともあって、ちょっとキャリアに関して書いてみることに。


キャリア=専門知識や実務経験

と思っている人が結構多い。


勿論キャリアを形成する一つの要素として、専門知識や経験が重要なのは言うまでもない。ただ実はそれだけではない面があり、そこがあまり理解されていない点。

それは「人脈」。

何かを実行しようと思うと必要になったり、価値を発揮するのが「人脈」。


実は本質的に市場価値が高い人、つまり本質的に成果を出せる人の多くは、圧倒的に価値ある社外人脈を有していることが多いという共通点がある。


例えば何か新規事業を立ち上げる際にも、知り合いのWebデザイナーに格安でWeb制作を依頼し、知り合いの投資銀行マンに資金調達のアドバイスをもらい、知り合いの資産家社長に資金を提供してもらい、知り合いの企業に営業して売上を立てる、といった具合に、人脈があることでスムーズになるシチュエーションは、ビジネス上多岐に渡るのは想像できるはず。


そういう人脈があるかないかということでのバリューは大きく異なる。
特に30代以降でマネジメントや一定の責任と裁量を持つようなポジションに就く人においてはなおそうである。


一方でじゃあただ知り合いが多い人は市場価値があるのか、というとそれはここでいう人脈とはちょっと異なる。


大事なのはお互いに信頼できる関係性が築かれているかということであり、それがない単なる知り合いは、キャリアという意味での人脈には値しない。

つまり「君から頼まれたからには力を貸そうじゃないか」とどれだけの人に思ってもらえるかということがキャリアにおける人脈。

勿論、人脈とスキル・経験のバランスにおいて、エンジニアのようにスキル・経験の方が人脈よりも重要度が高い職種もあるのだが・・・。



私は、昔からキャリアという言葉の定義として、

「将来に渡って自分が望むことを実現するための知識・経験や人脈」

だと理解している。これについては随分昔のブログでも書いている。


多くのサラリーマンは毎日会社と自宅の往復で終始しがちだが、それだと自分の進みたい道を自分で決められる力はいつまで経っても得られない。


一方で、良くいろんな交流会に顔出しては名刺交換ばかりしている若い人を見かけるが、それはそれであまり意味を成さない。いたずらに知り合いを増やしても、キャリアという意味では価値をもたないのは上記したとおり。


相応の方と信頼関係を築くためには、まずは自分の持つ魅力(実力や経験や知識や情報など)を磨くことが大事。
お互いにWin−Winとなる要素がない限り、なかなか信頼関係は築けない。


つまり若いうちは自分に真の実力をつけることに時間やお金を投資することが大事であり、30代以降はそれを武器に人脈を構築していくというのが一番スムーズなキャリア形成といえる。もちろん30代は実力を磨かなくていいという意味ではないが。。


とはいえ多くのサラリーマンは、30代にもなると金銭的なゆとりもないだろうし、家には家族が待っているということもあり、時間やお金を投資することが難しいのも事実。


ただもし将来的に自分が望むことを実現したいのであれば、少なくとも40歳くらいまでの間は、金銭的に貯金したり資産を購入したりするよりも、自分のキャリアのアップサイドに時間もお金も投資することが重要。


独身かつ経営者の私が言うとちょっと極論かつひがみに聞こえるかもしれないが(笑)、こういう景気の中でも一切の不安もなく自由に生きている人達を目の当たりにすればするほど、そう思わざるを得ない。


結局は自分が将来どうありたいかを明確に持つことが大事。
学生時代に努力しなかった人は就職時に選択肢が少ないのと近い。
今、そういう努力をしなければ45歳、50歳での選択肢は非常に少なくなる。

それだけのこと。

まあもう少し景況感が変われば、こんなことを考えずとも誰でもある程度自由に楽しく生きられるのかもしれないが。。。