今朝のニュースでも各局取り上げていたが、八ッ場ダム建設の中止案、これはどちらにせよ決断するのは結構大変そう。

どうやらこの工事は1950年代に着工することを決定し、そこから60年近くにも渡り工事を続けてきたというから凄いの一言・・・。

それが今更あまり必要ないというから、これまた本当なら何ともひどい話。


しかしそれを今から中止にするという民主党の案を貫くのは、現実的にはなかなか難しいし、かなりの労力を要するように思える。


というのは、

・住民側に偏ったマスコミの報道
・国民の住民への同情や共感
・自民党や官僚の面子や利権
・今までの投資資金の大きさ

など、中止するにはかなりの抵抗を押し切る必要がありそうだ。
それをやりきる実行力や信念を持っている党だとはあまり思えないし・・・。


本件において、私が争点とすべきだと思うのは、

・そのダムが今後完成することで得られる実質的な価値とそのための支出
・そのダムが完成しないことで失われる経済的負担(地域住民への弁済や保障など)

だけだと思っている。


評論家やコメンテーターや一部の地元住民は、

「ここまでやってきたのに何で今更」
「ここで中止したら今まで投資した3200億円が無駄になる」

と連呼していたが、それはちょっと違って、その発想は典型的なサンクコストの錯覚と言われるもの。

サンクコストは日本語だと埋没費用とか言われるもんだが、つまるところもう戻ることのない過去の投資資金のことをいう。

ギャンブルなどでもよくあるが、これだけ投資してきたんだから勝つまでやる、という発想などはまさにサンクコストの錯覚であり、投資理論としては誤った考え方。


正しくは、

新たに投資すると損をするならば、今まで払った費用に関係なく投資すべきではない


と考えるのが明らかな合理。


つまり今まで3200億円投資してきたとしても、今後更に投資が必要になったり、最悪完成しても運用費が莫大にかかることなどを考えれば、おのずとそのダムが完成したことによる恩恵や享受できる国益がそれに見合っているのかということを考える必要があるはず。


何だか各局のコメンテーターの意見は極めてずれていたし、地元住民への同情と政治家への批判的な心理から(気持ちは良く良くわかるが)、かなり偏っていて合理性を欠いた内容になっていた。

マスコミももう少し報道の仕方について考えたほうがいい。
もしくは民主党を批判するためにあえてそういう内容を中心にしているのか。

裏の理屈は良くわからんが、そういう報道に安直に煽られるべきではないと感じたので、ちょっとコメント。

朝からあれだけ沢山報道されていたのに、ダム自体の存在価値についてはあまりよくわからなかったから、結局は私自身もどっちがいいのかはわからずですが。。。


朝から何だか扇動的な報道にちょっと反論を述べたくて。

こういうこと書くから最近論調がホリエモンみたいとか言われてしまうかな・・・。