本日エグゼクティブサーチファームの方とランチをしながら情報交換をする中で、グローバルに優秀な人材とは、というネタで盛り上がった。

我々は600〜1300万円くらいの方々、業界的にはミドルエグゼクティブとか、若手経営人材などという層に強みを持って活動しているが、グローバルなエグゼクティブサーチファームとなると、年収1500万円以上の方で経営経験のあるような人材が主なターゲットとなる。


そんな中で面白かったのはコンサルティングファームの話しと日系大企業の話し。

コンサルティングファームの人は、30才前後の方はまだ選択肢がある。
そこはまさに我々の得意な領域。
行き先の多くは成長企業の経営幹部ポストが多い。

一方大卒後、34歳くらいから44歳くらいまでコンサルティングファーム一色で経験を積んでしまった人が一番難しいという。
我々のClientsにとってはそもそも年収レンジが合わないし、実行力や組織マネジメント能力という点でもスキルセットが異なる。
一方でエグゼクティブサーチファームからしても、グローバルな企業で事業会社での経営やマネジメント経験がない人をダイレクター以上で登用する可能性は極めて少ないという。

ターンアラウンド(再生)など特別なタイミングではありえるのだろうが、通常の経営幹部としては、HRマネジメント(人的、組織的なマネジメント)の経験が不足していると指摘されてしまうらしい。このあたりは成長企業での評価と一緒。


やはりグローバルな経営人材を目指していくならば、30才くらいまでに2,3年の戦略ファーム経験を積んだり、MBAを獲りにいくのはありだが、35歳を超えてまでコンサルティングファームに留まってしまうと年収も合わないし、経験も偏りすぎてしまうというのが、私とサーチコンサルタントの方の共通の見解だった。


もう一つの日系大企業の話しも面白かった。

英語ができて経営を担ったことがある人材のニーズが多いエグゼクティブサーチファームでは、主に外資系経験者を中心にサーチをしているという。


そこで出てくる疑問は日本の企業の経営者達で英語ができる人達では駄目なのか?

結論としてはNGだという。

まず経営経験の長さや深さと、年齢がグローバルに見ると見合っていないという。
しかもサラリーマン的な経営者が多く、意思決定能力や戦略的思考が極めて弱い人が多いということもあるらしい。

さらには海外のビジネス事情に極めて疎いということもあるとのこと。
うーん・・・・なかなか厳しいご指摘。


海外の大企業では20代後半くらいからエグゼクティブを育成するための抜擢人事が盛んに行われるが、日本では年功序列から抜け出せないまま、力のある30代中盤くらいの人がサラリーマン的中間管理職(課長や係長)にダブついてしまっている。

リスクも取った行動や意思決定が許されるような風土や責任・裁量もない中で、次第にサラリーマン化してしまうことで、社内ではいくら出世したとしてもグローバル市場での価値は下がっていく。


なるほど、なかなか世の中厳しいと痛感する。


一方我々ベンチャー企業も非常に難しいところ。

若くして責任と裁量は持っているし、意思決定や戦略構築の場数は踏んできているのは間違いない。しかしいかんせん動かしているスケール、すなわち組織規模や売上規模やカバレッジエリアが小さい(狭い)のがネックとなる。


なんだか日本にいるとグローバル人材として市場価値を高めることさえも難しいという結論になりつつあるが・・・。


とにもかくにもいよいよもってグローバリゼーションの波が日本にも届いてきているのは間違いないわけであり、その市場の中で勝ち残っていくには相応の力が求められる。日本独自のルールに固執していると、そのうち痛い目にあう。


自分のキャリアの棚卸しと、将来に向けたキャリアデザインは行っていくべき。

特に日本大企業の中には、技術者を中心にグローバルでもトップクラスの価値を有している人材が眠っているのは間違いない。(勿論ごく一部だが)

発光ダイオードの中村氏がいい例。

今こそグローバルな市場における自分の価値を知っておくべきだと思う。

興味がある人は是非。

以上、英語すらできないドメスティック経営者の言いたい放題なブログでした。。。