先週末に珍しく時間があったので、自宅付近のとあるレンタルDVDショップでDVDを借りてきた。

しかしそのDVDを観ていると、1時間ほどして盛り上がってきたあたりで画像が乱れたり、止まったり・・・。

とはいえ夜なのに自宅から自転車で5分以上かかるショップに行って、わざわざ交換するのはあまりに面倒。仕方なくなんとかストーリーを類推しながら、途切れ途切れ観ることに。。


翌日、DVDを返しに行ったときに当然のようにそのことを伝えた。

そうするとアルバイトらしき店員は、

「同じDVDでちゃんと観れるものを無料でお貸しします」

という。

しかし週末も終わり、それほど暇がない上に、途切れ途切れ観て結末をなんとなく知ってるDVDをもう一度観ようとはさすがに思わないわたくしは、丁重にお断りした。

そうしたら店員は、

「承知しました。それではまたのご利用ありがとうございます。」

などと言い出す。当然わたくしはすぐに

「え???それはおかしいでしょ?」

ということで、自分が負担したレンタル料金と途切れ途切れでしか観れなかったことを改めて伝えたところ、今度はしぶしぶレンタル無料券を1枚渡してきた。

しかもその無料券は旧作しか使えないという。

面倒臭かったので、いったんはそこで帰ることに。


しかしどう考えてもおかしい。私は行き帰りの時間を費やし、週末の貴重なリフレッシュタイムにストレスを感じたわけであり、最低でも料金をそのまま返すのが当然の対応であり、できれば料金を返金することに加えて、レンタル無料券を出すくらいのことがサービス業としてあるべき姿だと思う。


こういうことには意外とうるさい私としては、やっぱりいてもたってもいられなくなり、お店に電話して担当してくれた店員に伝えた。

「今回の判断はあなた個人の判断なのか、お店としての決まりなのか?」

そうしたら驚きの事実が発覚した。

「基本的にはお客様との話の流れの中で判断させていただいています。まずは同じ商品を無料で貸し出すことを提案させていただき、それでもご納得いただけない場合には無料券をお渡しします。それでも難しい場合には、返金ないしはプラスアルファの対応をさせていただくような形になります。」

なんというルールだろう。

わかりやすくいえば、できるだけ店が損しないようにお客さんの顔色を見ながら判断するというマニュアルになっているということ。


これを聞いてますます腹立たしく思った。

別に数百円の金額を返してほしいという話をしているのではなく、サービス業としての行動指針というか顧客に対する考え方のこと。

結局その子にそれ以上話をしても無駄だと気付いて、電話を切ったが・・・。


改めて思った。

こういったトラブルやクレームのときの対応にこそ、会社としての顧客に対する考え方や価値観などが現れる。

お客さんの顔色を見ながらできるだけ自社の損がないような対応をする、なんていうマニュアルを作っているサービス業はありえない。

自社が損してでもお客様に損をさせないような提案をする、というくらいの行動指針があってもいいくらい。そういうことの徹底がVisioalyな組織をつくり、社員やスタッフに誇りとやりがいをもたらす。

改めて行動指針の重要性に気づかされた事件だった。


ちなみに表参道にある「ごりょんさん」という居酒屋は、まさにこのレンタルDVD店とは正反対のお店。私が知る中でもトップクラスのビジョナリー店舗だと思う。

もしよければぜひ行ってみてください。