弊社が人材を採用する際に重要視するポイントの一つに利他の心を持っているかどうかという点がある。

利他とは読んで字のごとくだが、国語辞典で調べてみるとこんな記載がある。


り‐た【利他】
1 他人に利益となるように図ること。自分のことよりも他人の幸福を願うこと。
2 仏語。人々に功徳・利益(りやく)を施して救済すること。特に、阿弥陀仏の救いの働きをいう。


こう書くとちょっと悟りを開いた人でないと到達できない境地みたいだけど、、、。

要するに利己的であることの逆の意味を持つ言葉。


ただ決して人の為に自分を犠牲にしろという発想ではなく、自分の利ばかりを考えている人は結果的に自分も得をしないということ。


会社という組織で働く以上、当然ながら自分に都合の良いことばかりではなく、誰かがやらなければならない面倒なことなどもたくさんあるわけで、当然ながら一定のルールがあったり、守るべき規則があったり。

特に弊社では自主性を重んじてルールを極力制定せずに運営しているため、一人一人が高い視点や利他の気持ちを持ち、自ら判断し行動していくことなくしては成り立たず、一人でも自分のことばかりを考えるようになってしまうと、結局ルールを創るしかなくなる。


ただ勘違いしがちなのは、仏のように優しくなれという意味ではないということ。

本気で相手のことを考えたら叱るべきところ、注意すべきところではそうすべきだし、同じ目標を掲げる仲間としてお互いに妥協は許さずに厳しくやっていくのは当然。共に高いレベルを求め合うべき。

決してお互い甘やかし合うようなぬるい組織がいいという意味ではない。

サッカー日本代表みたいな組織を例にとればわかりやすい。自分が点を取りたいし、自分が試合に出たい。そういう意味では仲間はライバルでもある。一方で足を引っ張り合うのではなく同じ目標を掲げる仲間として、お互いを尊敬し合い、信頼し合えない限りは、本来戦うべき相手には勝てはしない。

では利他の心を持つ人と持たない人の違いはどうやって見極めるか。

正直答えはないですが、自分の利と組織全体の利が一致しないときに、どっちを選択してきたかということを確認するくらいでしょうか。

もっと端的には利他の心を持つ人は、周囲にその人を慕う人や信頼する人が多いもの。

友達が多いというと短絡的かもしれないですが、ある意味そういうものだと思う。

友達が少ない人や部下から慕われていない人、上司からかわいがられていない人は、もしかしたら自分は利己的なんじゃないかと自問自答してみると良いかもしれない。


ちなみに私はずっとガキ大将で非常に自己中心的な人間でした・・・・。

ただ究極の寂しがりやなので友人や仲間や後輩との人間関係はすごい大事にするタイプだったので、そういう意味では多少利他の心も持っていたのかもしれないです。

ぎりぎりセーフかな・・・。人間日々成長です。