昨年から今年にかけて、経営という意味では本当に厳しく、大変なことが多かった。

その長く暗いトンネルを抜け出し、やっと光がさしかかってきているのが2010年4月以降の話。

まだまだ予断は許さないものの、以前と比較すればだいぶ良い状態になっている。
中小企業という意味では普通に順調な会社と言ってもいいのかもしれない。

そんな状況の中、2012年の新卒採用を始めたり、ソーシャルアプリやネットサービスなど、新規事業領域への積極的なリソース投下を再開している私の経営判断について、せっかく儲かっているのだから、余裕が出るまではリスクをとり過ぎない方がいい、というアドバイスを頂くことがある。

もちろん弊社のことを考えて親切心からのアドバイスであり、そのこと自体は大変ありがたく思う一方で、経営判断という意味では受け入れにくい内容だと思っている。

そもそも正解はない。
もちろんリスクはコントロールすべきであり、ただ何でもリスクテイクすればいいというものではないのはご指摘の通りだと思っている。

しかし更なる挑戦をするかしないかの判断は、何を目指しているかということによって大きく変わってくるべきだと思う。

最近プロスポーツ選手から学ぶことが多いのだが、ここでもまたプロゴルファーである石川遼の例を出させてもらおうと思う。

彼はプロになった当初より常に世界を意識して取り組んでいたという話は有名だ。
デビュー以来、破竹の勢いで活躍し、昨年は賞金王にまで輝き、今年は世界最小スコアを記録するなど、華々しい活躍が続く。

その石川遼が今年少しスランプ気味だった時期があり、そのときのことをテレビか何かで知ったのだが、彼は今年1年かけてスイング改造に着手しているという。

賞金王を取り、順風満帆な状況の中、あえてスイングを改造しようというその目線の先には、間違いなく自身が掲げる世界一という目標があるのだろう。世間は最年少賞金王ということに目がいきがちだが、彼にとってはあくまでも通過点に過ぎず、それを守るという意識よりも、世界一に向けて更なる成長をしないといけないという意識の方が明らかに強いということだろうと思う。

会社組織にも同じことが言える。

弊社も今の収益を社員で分配し、役員報酬を高く設定すれば、向こう数年間は中小企業としてそこそこ良い状況が続けられるだろうと思う。しかし弊社では誰一人としてそれを望む人間は居ない。

もちろん時折、中小企業でいいやと割り切ってしまえばどれだけ楽だろう、と思うこともないわけではないが、それで満足できるような性格ではないことは自分が一番知っている。

迷ったら創業8年目という意識を根本から変えればいい。

この会社は2010年10月に立ち上げたベンチャー企業であると。
みんな今、この会社に参画したばかり。

そう考えれば、本当に創業したときよりも、社員一人一人が参画してくれたときよりも、恐らくはノウハウも資金力も仲間も、顧客基盤も、ポジティブな状態のはず。
ベンチャーの創業期としては最高の状態だろう。

そう考えれば守るべきものも、失うものもまだ何もない。

我々はまさに今年起業したばかりのベンチャー企業と同じ。
そう思うと、また創業期のようなワクワク感を感じるし、その時以上に力がついているし、何でもできる気がしてくるから不思議。

過去を振り返って落ち込んだり、悩んだりする人が多いが、未来は自分次第であり、いつでも未来は開けている。

自らが掲げた目標を実現するために、そこに向けて必要な努力と挑戦と変革を実現していくことこそ、我々がやるべきこと。

引き続き軸をぶらさずに一歩一歩前に進みたい。