昨日経営者仲間と飲みながら情報交換している中で出てきた話。

最近シリコンバレーがこんなに活気づいているのに、日本のベンチャー市場は何故リーマンショック後、依然として盛り上がらないのか。

目黒の美味しい焼き鳥屋「鶏しき」でつまみながらそんな議論を繰り広げていた。

確かにここ1年くらい、シリコンバレーでは未だかつてないほどの盛り上がりを見せている。
世界中から投資資金が集まっているようにさえ見える。
しかし日本の新興市場は依然としてそれほどの盛り上がりは見せていない。

ビジネスチャンスという意味ではソーシャルを中心に各社盛り上がりを見せているものの、実は一部のプラットフォームモデルだけに収益が集中し、アーリーベンチャーの多くはそれほど潤っていないし、投資資金もそれほど流れ込んできていない気がしている。

ではそれは何故か、ということについて熱く議論してみたところ、こんなことなのかもしれないという結論に達した。

一つはネットサービスにおいて、国という境界線がなくなりつつあるということ。
つまるところ英語圏と日本語圏では市場規模が違いすぎるというのがまず第一にある。
特に営業やサポートなど、ドメスティックな組織をほとんど必要としないネットサービスについてはこれが大きい。

米国で流行れば英語圏で流行るが、日本でちょっと流行っても市場規模からすればたかが知れている。特に最近のコンシューマー向けのネットサービスだとフリーミアムモデルなども含めて、少額課金×多数ユーザー、という図式が多く、対象市場の大きさが物を言うというケースも多い。
もちろん沢山の人が使うことでネットワーク外部性により乗数的に伸びていくということもあるだろう。

では楽天やAmazonやグルーポンモデルのように、ドメスティックに組織を持ち、パートナー企業を開拓したり、流通網を構築したり、顧客をスーパーバイズしないといけないタイプのネットサービスはどうか。こういうサービスには国境はそれなりのハードルを維持していると言えるかもしれない。

ただし今度はその国の経済環境が多いに影響してくる。
米国でもそれほど回復しきっていないとも言えるが、日本と比べれば全然良い。
日本の経済の低迷ぶりを考えれば、ドメスティックサービスの成長も簡単ではないのは明らかであり、それが他国のドメスティックサービスとの大きな違いだと感じる。

もちろん経営者としては外的要因のせいにして、成長できないなどと言うのはありえない。

が現在のおかしな状況を客観的に考えてみると上記のような構図が存在するのかもしれない。

私自身もその経営者仲間と話をしていて気付かされたことに過ぎないが、確かにそんな背景があるように思う。

改めて世界と戦えるネットサービスを生み出すか、ドメスティック市場ながらイノベーションを起こすことで既存のプレイヤーから市場を奪い取るか、これからのアーリーベンチャーが成長を継続するのは今まで以上に容易ではないと感じる。

まあ経営者の腕次第なんだろうけど。

ベンチャー社長仲間の皆さん、お互い頑張りましょう。