新卒採用で私が自社について理解してもらうために良く使う表現にこんなものがある。

「我々はまだ草サッカーチームに過ぎないが、本気でセリエAに昇格しようと思っている集団」

この社長、変なことを言う人だなぁ、と思われることもしばしば(笑)。

しかしこの表現が一番わかりやすいと思う。

ビジネスをサッカーに例えるなら、自分達を客観的に見ると間違いなくどこにでもある草サッカーチームでしかない。

グラウンドは雑草だらけで、トレーニング設備も、優秀なコーチも足りていない。
勿論チームとしての収益もJリーグのチームなどとは比べ物にならないために、それほど選手の年俸も高くない。時には監督も試合に出ることがある。

我々はまさにそんな草サッカーチームなんだと思っている。

しかしながらそこで頑張って練習している選手達は今はまだ無名ながら、かなりのポテンシャルを持っている奴らが集まっている。
選手を集めてくるということだけに関しては創業以来、本当に力を入れてきており、監督自らが口説きに口説いて集めてきた才能ある若い逸材が集まっている。

彼らの一部は今すぐにでもセリエAやJ1のチームに移籍できる力と経歴を持つ。

しかし強いチームに入ることよりも、自分達の手で自分達のチームを強くしていく、そのプロセスにこそやりがいがあり、楽しさがあると考えている選手だけがこのチームを選んでくれたのだと思っている。

外部から見ると、草サッカーチームなのに、練習量や監督から求められるレベルは常に世界レベル。そういう意味では非常にしんどい環境ともいえるかもしれない。

草サッカーチームで楽しくサッカーできればいいや、という安易な気持ちで入ってきた人は、とてもじゃないけどこんな頭のおかしい連中にはついていけないと思うかもしれない。

世の中には多くのベンチャー起業家がいる。
しかしなかなか成長できなかったり、多くの壁にぶつかっている間に、少しづつ「もう草サッカーでいいや」「楽しければいいや」と初心を失い、自らの幸せの基準を下げてしまう傾向があるように思う。

勿論草サッカーでいいと思えば、練習量を減らし、選手の年俸を抑え、その範囲で黒字化する仕組を作り上げれば監督と一部のリーダークラスの選手くらいはまずまずの生活ができるだろう。

しかし我々はそもそもそんなことをするために自分達のチームを立ち上げた訳ではない。

なんでそんなに頑張るのか、なんで社員にも同じレベルで頑張ることを期待するのかと良く聞かれるが、それはどうせサッカーをやるならセリエAでやりたいから。日本のチームはセリエAでは通用しないと言われて「なるほど」と諦めるつもりは毛頭ない。

正直足りないことだらけで、まだまだ乗り越えないといけない壁が沢山あるが、それでも何としても実現したいと思っている。

楽しくまったりとサッカーをやりたい人は迷わずそういう監督の元、楽しく趣味でサッカーをやっている草サッカーチームに行くことをお薦めする。

弊社に参画してもらいたい人は、本気で世界のトップクラスを目指す人で、この仲間であれば、この監督の下であれば、自分が加わればいけるはずと思える人。

周囲の多くの人が無理だろうと思っているかもしれない。
いや思っているだろう。

しかし成功したほとんどのケースで周囲はそう言っている。

イチローがメジャーリーグに挑戦した時も、多くの評論家はいろんな理論、理屈をつけて「さすがのイチローでも、メジャーにおいて野手として成功するのはかなり難しいだろう」と言っていた。
それが今やメジャーの中でもトップ選手に上り詰めている。

イチローを自分達を重ねるのはあまりにおこがましいが、想いを持つ者だけが到達できるということについてはその通りであり、ビジネスもスポーツも同じはず。

今は草サッカーチームであっても、近い将来、世界で活躍するチームになってやろう。
新卒採用もやっているが、そんな想いに共感できる人に入ってきてもらいたい。