現代のビジネスにおいて、何がパフォーマンスの差になるのだろうか。

一昔前であれば、情報力や判断力、経験によるノウハウ(やった事があるということ)、人間力(コミュニケーション能力含む)などがあった。

しかし現代ビジネスにおいてはその多くが様変わりしているように思える。
その一番の要因はITとインターネットの進化であろう。


例えば情報力。

現代においては、収集可能な情報という意味は大企業の経営者であっても、私のようなベンチャー企業の経営者であっても、はたまた一社員であっても、さらには学生であっても、ほとんど差はないと言っても過言ではない。下手したらリテラシーの差で若い人の方が情報収集力が高く、持っている情報も多かったりする時代かもしれない。

経験によるノウハウについても、昔ほどの差が出ない職種が増えている。
昔はプレゼンテーション資料一つとっても、何年も先輩が作る資料は凄いなーと思ってみていたものだが、今の時代は様々なソフトウェアやアプリケーション、ノウハウに関する情報や参考になる事例集など、様々なものが手に入る時代であり、それらを駆使できる若者はあっという間に我々世代よりもクオリティの高い提案書を作ったりもする。(勿論何を伝えるかという点についてはある程度の経験値が重要であることはその通りだが)

結局のところビジネスパーソンの実力の差はどこに現れるのか。

いろんなところに現れるとは思うが、私が思う一番重要なポイントは、時間の使い方ではないかと思う。

1日24時間しかないのは世界中の誰もが同じ条件であるのは間違いない。
それは私も孫正義さんも、スティーブジョブスも。

その1日24時間という限られた時間をどこまで有効・有益に効率よく使えるかが最後の勝負になるのではないだろうか。


良くある話だが、1日24時間を大きなバケツに例えてみる。
やるべき事を重要な順に、大きな石、中くらいの石、小さな石ころ、砂利と分けてみる。
そのときに如何に多くの石や砂利をバケツの中に入れられるか。それこそがタイムマネジメントの概念を端的に表している。

砂利から入れてしまっては上手に入らないことは直感的にも理解できるだろう。
当然ながら大きな石から順に砂利まで、少しづつ隙間を埋めるように入れて行くことができれば、最も沢山の石や砂利がバケツに入ることになる。

ビジネスにおけるタスク管理やタイムマネジメントにおいても同じことが言える。

私自身、基本的にはハードワーカーだが、致し方ないときを除きだらだらと深夜まで仕事をするのは好かない。如何に普通の人が1時間かかるところを40分で処理できるか、判断できるか、を考えながら、常に自分にタイムリミットを設定して効率を上げる努力をしている。

人と付き合う時間、社員と話す時間、本を読む時間、その全てが自分の成長につながることを考えると、自然に時間を効率的に使うことを必死に考えるしかなくなるはず。

私は、極端にいえば、電話が左側に置いてある方が動きに無駄がないか、右側の方か、ということくらいまで気にしている。最近では秘書もいないので、会食の設定やスケジュールの調整なども自分でやるが、そういうのも相当に効率的にできるようになってきた。

とにもかくにも非効率な状態を放置しておいたら、その時点で現代のビジネス競争では敗北を意味する。

だからといって一日中ピリピリと仕事をしているわけではない。
社員をつかまえては雑談したり、ゴルフに誘ったり、オフィスをふらふらしている時間も結構ある。

おおよそのイメージとしては、1時間仕事して、10分間は頭のリフレッシュと社員とのコミュニケーションを考慮して、オフィスをうろうろして社員に絡むようにしている。といってもそれほど意識しているわけでもなく、そのくらいしか集中力が持たないだけで、それを自分自身何となく理解していて、実践しているだけのことだと思うが。。。

大事なのは、「もっといい方法がないか」「こんなことにこんなに時間を使うのは無駄だ」「如何にしたらもっと簡単に作業ができるのか」「どういう順にタスク処理するのがベストか」などなど、そういうことを常々考えてながら仕事をすることだろう。

時間をかけるしかない、これしかやり方はない、とにかく頑張る、という精神論で乗り切ろうとする人も多いが、それでは成長はない。世の中にはもっともっと上手にやっている人がいるはずであり、その差はその作業だけでいえばたいした差ではないかもしれないが、自分の社会人人生ということで考えれば相当な差になっているはず。


徒然なるままに書きなぐってしまったので、最後に整理すると、言いたかったことは、突き詰めると実力や成果の差は、時間を如何に有効活用できるかにたどり着く。

それはただ長時間働く人間が偉いなどという単純な根性論ではなく、単位時間あたりの業務遂行スピードの高さであり、最適なタスクマネジメントができるかどうかということ。

そういう人ほど忙しくても上手に遊ぶ時間を作るもの。

毎日深夜まで働き終電で帰り、週末も家で仕事しているという人の多くは(一概には言えないし、私自身もそういう年代もあったが)、効率の悪さを長く働くことでしかカバーできず、進化していけないことで、万年残業人生みたいになっている人が多い気がする。

しかも太刀が悪いのは日本という国は、そういう愚直なタイプを非常に高く評価し、要領が良いタイプを評価しない傾向があるということ。

愚直であることは大事だが、それ以上に時間を有効に使うことが、将来の大きな差になることを理解し、日々時間の有効活用を意識しながら取り組むことが大事だと思う。