今日はちょっと社員に向けたメッセージ。
勿論誰か一人に対して伝えたいのではなく、全員に伝えたい話。

ベンチャーで働く若者には共通の話かもしれないが。。。。


我々I&G Partnersは一端のベンチャー企業を標榜している。
そしてそんなベンチャー企業に、ビジネスに好奇心旺盛な若くして優秀な仲間が多数在籍している。

特に新卒組は他でもいくらでも選択肢があったであろう優秀な奴らが多く、わざわざその中で弊社を選んでくれている。大変にありがたく、極めて重要な戦力となってくれている。

では彼ら(彼女ら)は何故この会社を選んだのか。

いつの説明会でも面接の場でも、採用する前に幾度となく私が強調していることがある。

それは我々は極めて未熟であり、極めて不出来な会社組織であるということ。

資金力もたかがしているし、知名度もたかがしれている、給与も普通だし、仕事は忙しい。
さらには技術力やノウハウという点でも全然足りていない。
それは事実なのでそう伝えるしかない。隠して採用しても意味がない。

ただ唯一言えることは、そんな未熟な状態でいつまでもいようなんて思っていないし、大きな夢と目標を持って必死にやっていることだけは間違いないということ。
ゆえに必要としているのは、この未熟な状態から一緒に理想の組織を創り上げていこうと心から思ってくれる人。

多くの足りないものを着実に自分達の手で補っていきつつ、目指す組織を創り上げていく仲間を求めている。

そしてI&G Partnersという会社は昔も今も、そして未来もそういう会社でありたいと思っている。


その一方で山っ気ある若者からすれば、入ってみるといろんな苦労が多い。
組織なので自分だけが頑張っても成功しなかったり、好きなことがやれると思って入社したのに、やりたいこと以上にやらなければならないことが多くて時間ばかりが過ぎていってしまったり、不況の波で大きな影響を受けて不安になったり。。。。言い出したらきりがない。

新規事業を担当しても、技術者・技術力は足りないわ、資金力も足りないわ、知名度も足りないわ、そんな多くの制約のある中ゆえに、なかなか事業1つ考えたり立ち上げたりするのも一苦労だったりする。そりゃ簡単に成功するわけはない。

でもそれをわかってベンチャーを選んだはず。

もし豊富な技術者と豊富な資金と豊富な知名度がある状態で事業を立ち上げたり、ビジネスを成功させたりしたいなら、いくらでも違う選択肢がある。そしてそういう環境であれば成功できる人も五万といるだけのこと。


そもそも少し賢いと組織の抱える課題には比較的気付けるもの。

例えば、最近ベンチャーっぽくないなとか、スピードが遅いなとか、技術力が弱いなとか、もっと思い切った打ち手を打つべきだなとか、社員の一体感が足りないなとか。

そのうちの多くは私自身も感じていることだったり、気付いていることだったりして、まさしくその通りだと思うことも良くある。当然ながら未成熟な会社組織である以上、課題点はいつでも山盛り。


そんな課題に気付いてくれた人に良く言うのは、

「どうしたら改善されると思う?」
「●●がこの会社の社長だったらどうする?」

ということ。

課題を見つける人は多いけど、課題を解決しようと努力したり、悩んだり、相談してくれるような人は、残念ながら極めて少ないといわざるを得ない。
決して悪気はなくとも、課題を見つけてもよし自分が解決してやろう、とはなかなかならないもの。

技術力が弱いから技術力が高い会社へ、資金力が弱いから資金力が豊富な会社へ、ベンチャーっぽくないからベンチャーっぽい会社へ、給与が安いから給与が高い会社へ、、、、

ということは、ビジネスを成功させることができないから、ビジネスが成功しそうな会社へ、今の会社じゃ勝てなそうだから、勝てそうな会社へ、ということと一緒。

これを突き詰めて行くと結局勝ち馬に乗りたいという話と同じ理屈にたどりついてしまい、だったら最初から既に勝っている業界のリーディングカンパニーに入るほうが良かったという話にしかならない。

勿論そこまで極端ではなく、適度な自由と、適度な勝ちやすさがあるところで勝負したいという気持ちもあるのかもしれないが。。。。

個人的に思うのは、勝ち馬に乗るのではなく、勝てる馬を育てるプロセスにやりがいと成長機会があり、それこそがベンチャーの醍醐味だと思う。

ベンチャーの魅力の大きな要素として、自らが自らの信ずる方向に組織を突き動かすべく、いろいろと能動的に動けることだったり、自らの意志で組織を変えられることだったりする。

自分が新規事業に携わりたいと思えば、自分の今の業務を引き継げる人材を自ら育成し、引継ぎ、自分は新たな挑戦をするということもできるはず。

少なくとも弊社ではそれくらいできる程度の自由度と裁量と理解はあるつもりでいる。

今の仕事が忙しすぎて効率が悪いと思っているなら、人を増やすのがベストなのか、システムを導入するのがベストなのか、人を増やすとしたらアルバイトなのか、正社員なのか、派遣なのか、システムであれば内製か外注か、などなど、私ら経営陣が気付いて策を講じるよりも先に積極的に提案してくる社員がもっといてほしい。

それが自ら会社を創っているということであり、やりがいと実感を感じられる働き方だと思うし。

そういった努力をせずに、目の前に与えられたことだけを必死に頑張り(目の前のことを頑張らない人はそもそも話にならないが)、頑張ってるのに評価してもらえない、抜擢してもらえない、と思っているようではそれは受け身すぎて話にならない。少なくともI&G Partnersでは。

心から自分達の会社なんだと思って、必死になって会社のことを考え、必死になって自分が成すべきことを考えてくれる人が何人いるか。そういう人が多い組織ほど、大きくなっても成長し続けられるし、経営人材を育成するというのは、まさにそういう人を育てるということでもあるのかもしれない。


このブログを読んだ弊社社員は、今一度、自分が気付いている会社の課題や問題をしっかりと整理し、その改善策と共に私に提案しにきてもらいたい。飲みながらでもメールでも口頭でも何でもいい。

方法は問わない。
ただ自分が経営者になったつもりで必死に考えた上でもってくることだけ。

自分の提案したことで会社が変わっていく。
給与を高くしたければ、どうやったら給与を高くできるかを一緒に必死に考える。

スマートフォンの開発に挑戦してみたければ、弊社の進むべき方向性とスマートフォン市場のビジネスチャンスを考慮し、有益な新規事業を提案するなり、相談するなりしてくれればいい。

この会社がどういう会社になっていくか、それは私を含めた全員で考えることであり、全員で取り組んで行く壮大なテーマ。

改めて、本気でこの会社のことを考えてくれる人を評価する会社にしたいし、いつの日か私以上にこの会社のことを考え、この会社を将来を語れるような人が出てきたら、そのときはその人が社長になればいい。

これからもI&G PartnersはMy CompanyではなくOur Companyを標榜し続けていく。

全ての社員が誇りを持てる組織であり続けるために。