今日はジョン・キムさんの「媚びない人生」の中から、ベンチャー企業における若い社員(うちの社員)に強く意識をしてもらいたいと思うことを抜粋してみた。


最終決定を他人のものにするな

私自身、自分が若かったときにどの程度できていたかは定かではないが、少なくとも自分が納得できない意志決定や背景がわからない意思決定については、徹底的に上司と議論はしていたことを思い出す。
そう考えると上司からすれば極めて面倒な社員だったかもしれない(笑)。
しかし納得したことについては自分の決定事項と捉えて全力で実行する。そうでない限り当事者意識なんて持てないし、どういう結果になっても「上司の言う通りにやった。」という言い訳や逃げ道だけが残ってしまう。それでは成長しない。
社長は、部長は、マネージャーは、何故こういう意思決定をしたのか、その背景をちゃんと理解し、理解できたのであればそれを実行することや、その結果としての成果については、当事者として強い責任感をもって拘ることが大事だと思う。それによって言われたことをただ実行している人とは全く異なるインプットが生まれることは間違いない。


やりたいことをやるためにも、やるべきことをこなす

大きな夢を持つことは大事だし、成長にどん欲であることは素晴らしいことだと思う。
しかし焦って未熟なまま責任や裁量を組織に求めるのは間違っている。
自分の未熟さを自覚し、まずはやりたいことではなく、やるべきこと、組織に貢献できることを全力で実行することから全てが始まる。
そんな初歩的な仕事でも期待を越える成果を出す人は、上司からも仲間からも信頼され、一つ一つステップアップしていく。
若いベンチャー企業は確かに大きく歴史ある企業と比べると、若いうちから責任と裁量を任されるケースが多い。しかしそれは初歩的な仕事をしなくていいということではなく、人的リソース不足や、事業の成長速度からして、そのステップを踏んでいくスピード感が圧倒的に早いということに過ぎない。
初歩的な仕事もパーフェクトにこなせない人が、責任と裁量のある仕事ができようはずもない。
それはスポーツでもなんでも同じであり、地道な努力の結果としての大きな夢の実現である。



と、私の最近のお気に入りであるジョン・キムさんの媚びない人生から2つのセンテンスを抜粋させてもらった。


古くは阪急グループ創業者でもある小林一三さんもこんなことを言っている。

下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。


どんな時代でも本質論は変わらない。

キャリアデザインなどという表面的な言葉が出回ってしまっていて、すぐに転職だとか、専門性だとかいう話をする若いビジネスパーソンが多いが、そんな表面的なことにとらわれず、本質を理解し、しっかりと最大限組織貢献をすべく努力した結果として身に付いた実力や経験、人脈や信頼こそがキャリアの本質なのではないかと思う。

そして実力があり信頼できる社員に任せるのは、その社員の適性や志向に最も合致した職務となりやすく、その結果としてより本人の望むキャリアが身に付いていくというのが、本質なのではないだろうか。