私の前職であるインテリジェンスの元社長であり、創業メンバーである鎌田さんの掲載記事でこんなものを発見した。

インテリジェンス創業者が語る、「経営者から見たいい人材」とは?

相変わらず(?)言い回しが強烈ではあるものの、内容は至極もっともであり、特に以下の記述には強く共感した。


〜〜以下抜粋(前略)〜〜〜
ゴールからの逆算なんかするな

なるべく若い時から夢を描き、そこに向かって着々と前進して成功したというのがいいと思ってないか?そこに自分を当てはめたりしていないか?色々な出会いがあって、いろいろな方向を向いて自分自身の方向性が定まっていく 。未来の自分なんかわからなくて当然。
 
日付を入れている場合じゃない
 
いつまでにこれをして...と考えることに大きな意味は無い。常にベストを尽くしていればいい。
信念と聞くと、精神的な強さが想像されるがそう特別なことではない。精神的な強さも作られていくもの。薄ぼんやりとしてでも、「なんとなくこうなりたい」のようなもの(方針)を持っているということが重要。 

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多くの人が夢から逆算することを良しとしているような風潮に対するアンチテーゼでもあり、共感どころか反論したい人も多いかもしれないが、私自身は言い回しはともかく言いたい意味は多いに理解できるし、共感する。

最近は日本全体が経済的に先行き不安感が強いためか、できるだけ自分の未来を確定させたがる傾向にある。インターネットの普及、浸透により情報を収集しやすくなったこともあり、自分が共感できるロールモデルを徹底的に探し、そこにたどりつくためにはいつまでに何をすればいいかを考える(それさえも探す?!)人が多いように思う。

もちろん自分なりになりたい自分像や将来のイメージを持つことを否定するつもりは毛頭ない。
一方で目の前のことに本気になれない人や、そこで価値を発揮できない人にはそもそも明るい未来は訪れないのではないかとも思う。

何よりも一番最悪なのは、経営者になりたいからマーケティングをこの会社で学び、次に転職して営業の経験を積んで、、、、みたいなのをキャリアデザインだと考えている人。こういうタイプは完全にキャリアというものを誤解している。

私が思うに、キャリアの本質は成果を出せる力や目標に到達できる力のことであり、単なる経験でも知識でも、ましては職歴でもないのではないか。

成果を出すためには人脈やリーダーシップ、多くの修羅場をくぐり抜けた実体験なども多いに影響するわけで、目の前のことに全力を投じ、一定の期間を費やして高みを目指す努力の中でしか得ることができない要素は多い。

ちょっと頭の悪い説教オヤジのような言い方をあえてするならば「いいから目の前のことを本気でやってみろ!」ということなのだろう。

情報過多による頭でっかちが増えている昨今だからこそ、目の前のことに誰よりも本気になれる若い人は上司や仲間からの信頼と期待を一手に集め、より活躍できる時代なのかもしれない。

フリーターでもサラリーマンでも起業家でも漫画家でも何でもいいから、目の前のことに本気で取り組むと明るい未来が待っているはず。


最後にスタンフォード大学での講演でジョブズの残した言葉を紹介したい。
目の前のことに本気で取り組むからこそ、点が線になり、いつの日か面になるのだろう。

『だから、点がいずれどうにかしてつながると信じなければならない。』
 So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.