思い起こせば15ヶ月ほど前から英語の勉強を始めた。
37歳と10ヶ月からの挑戦。

きっかけは会社の成長戦略を考えている中にあった。
インターネット業界は他業界と比較しても国家間の垣根がすこぶる低い。
つまりこの業界で戦う以上、競合相手は世界中に存在する。

一方で日本市場は中長期的に見て、どう考えてもシュリンクしていく可能性が高いと言わざるを得ない。勿論経済成長できる可能性はゼロではないだろうが、人口動態という経済成長において最重要ファクターが完全に右肩下がっていること、そこの改善は今すぐに適切な戦略をとっても数十年を要することを考えれば、自ずと想定できる。

また企業は成長し続けるべきだと思っている。
いろんな理由があるが端的に言えばそうでなければ、能力と意欲と人間性を兼ね揃えたような社員は集められないし雇用し続けることもできない。
知識集約型の業界である以上、「人」が最も重要な資源であり差別化要素。
そう考えれば成長し続ける企業が強いのは明白だし、何よりもその方が楽しい。

それらを考慮すると中長期的には日本市場で戦うのではなく、世界に打って出ることで、世界中の競合企業と同様に我々自身もグローバル化することで、世界中から優秀な人材を獲得し、世界市場で戦うことが大事なのだと考えている。

日本企業が世界中から優秀な人材を採用するときのボトルネックは明らかに語学。
フランスの会社でも韓国の会社でもグローバルに成功している企業の経営陣や幹部層は全員英語ができるし、社内の基本公用語は英語だったりする。

日本語をMust条件にした時の世界のける採用対象者数を1とすると、英語をMust条件にしたときのそれは10以上であることは間違いない。

製造業のように「物」という非言語なプロダクトを海外に輸出しているのであれば、それほど言語の壁は感じないかもしれないが、我々のようにサービスを展開しようと思っている以上、「人」が大事になり、「人」をマネジメントし、「人」を動かすためには、言語の壁は想像以上に大きいと思っている。


そんな背景の元、2015年10月より社内の公用語を段階的に英語化していくことを社内外に発表したところから英語との格闘が始まった。

楽天やソフトバンク、ファーストリテイリングなどの大企業ならまだしも、グローバルにサービスも展開していない小規模ベンチャーが何を馬鹿言ってるんだと思われるかもしれない。
しかし1990年くらいに1人1台パソコンがあった会社は相当少なかったし、パソコンが使えることはMustではなかった。しかし今パソコンを使えない人は正直我々の業界では仕事にならない。

実は英語も10年後くらいには今のパソコンと同じように、英語ができない人は仕事にならない、という時代が来るのではないかと考えている。少なくとも経営やマネジメント、グローバル企業においてはリーダーとして活躍することは不可能なはず。

社内の公用語を英語にするというのはすこぶる大変なこと。
PCと違って数ヶ月やそこらでできるようになんてならない。最低数年の継続努力が必要であり、社員全員となると気が遠くなるほど難しい。それでも少しづつそれが当然の会社にしていくことが、長期的な成長を考えれば絶対に大事なのだと考えている。

自分で勉強を初めたのが15ヶ月前。
社員を巻込み始めたのが10ヶ月前。
私のTOEICの点数は恐らく500点くらいから段階的に伸びていき、先日のTOEICでは820点まで上がって来た。といっても当初のイメージと違って800点くらいでは話しにならないレベルだということはわかってきたが。。。。

一方で一緒に勉強している社員もほぼ全員が700点を越えてきた。
楽天さんが社内に630点という最低限スコアを課していることから考えても、それほど悪いスコアではないと思う。

最終的には全社員850点オーバー。経営陣やリーダーは900点オーバーは当然という状況にしたい。


TOEICじゃ英語力は測れないというアドバイスも良く頂くが、私は英語力向上に関しては誰に何を言われようと、最も信頼できる親友の意見を尊重している。目指しているのは旅行英会話ではなく、ビジネス英語力の向上でありビジネスの実践で使える英語であり、そのためには回りくどくても最も効果的な道を信じて進むことが大事だと思っている。

スモールウィンを得るためにちょっとした英会話力が上がったりしたいという思いは当然ある。
しかし絶対に最終目標までやりきるのであれば、脇目も触れずにまずは900点オーバー、そしてアウトプットトレーニングという親友のアドバイスを信じ、日々努力あるのみ。

40歳まであと10ヶ月を切った。40歳までには900点を突破し、41歳までにはビジネスである程度使える状態にならないと2015年10月からの社内公用語英語化とともに自分自身が不必要な人材になってしまう。

何ともハイプレッシャーな環境を創り出してしまったものの、仕事と英語と趣味と遊びと家庭とで、忙しくも充実した39歳を過ごさせてもらっている気がする今日このごろである。