ビジネスの世界では意思決定をしなければいけない瞬間にしばしば直面する。
というか人間、生きていれば普通に日々意思決定をすべき場面が頻繁にあるはず。

そんな時にちょっと知っておくと便利な考え方を。

例えば季節的に2014年4月入社予定の大学4年生が頑張り始める家探しを考えてみよう。

条件を考えるときに、
 家賃は7〜9万円
 駅近がいい
 築浅の綺麗な物件が良い
 風呂トイレ別
 オートロック
 日当り良好
 会社から徒歩15分圏内
 駐輪場あり
 etc

となりがち。それを不動産業者に伝えてもまあそりゃそうだろっていう感じにしかならない。
結局不動産屋は完全に全ての条件を満たす物件がないことを丁寧に伝えながら、風呂トイレが一緒だけど築浅でオートロックの物件や、日当りは至極悪いんだけど、家賃と築浅は満たしてる物件を案内して、何とか妥協してもらおうとするだけのこと。

そういう状態で物件見ていると何となく綺麗で新しいっぽい物件に惹かれて意思決定しやすい。


はて、本当にその意思決定は正しかったのだろうか?

実は就職後のことを長期的に考えたら、会社から徒歩15分圏内で駐輪場ありが絶対条件だったのにミスってしまった、、、、みたいなことに、、、、、、ま、さすがにそこまでアホな結果にはならないかもしれないけど(笑)。


こういう時に大事なのは、どの条件がMust条件、つまり絶対に譲れない条件なのか、そしてどの条件がWant条件、つまりできればあると嬉しいけど最悪譲ってもいい条件なのかをしっかりと整理すること。

もちろんこの整理が正しいかどうかもちゃんと吟味する必要はある。

その上でMust条件をクリアしている物件かどうかでまずは絞り込む。
そしてMust条件をクリアしていない物件はその時点で候補から外す。
Must条件をクリアしている中でWant条件を一つでも多くクリアしているもの、もしくはWant条件の中でもいくつか優先順位が高いものがあるならその条件をクリアしているものを優先的に検討していく。

それが重要な意思決定の手順。

ま、あたりまえじゃんと言われれば当たり前なんだけど、なかなかできていない人も多い事実もあり。


就職なんかも「組織風土」「給与条件」「若くして与えられる責任と裁量」「財務的安定性」「成長性」「事業内容」「経営者の人格」などなど言い出すときりがない。

この会社はここがいいし、この会社はこっちがいい。
こういう状態の学生って結構多い。

それらをひっくるめて何となく一番イメージの良かった会社やインパクトの強かった会社や、たまたま気が合う人事や経営者がいた会社がまるで自分にとって良いかのような気になってしまって意思決定してしまったり。

それでは自分が本当に求めていた会社を選ぶことはできない。

大事なのは自分にとってMustが何か、Wantが何か、どれがどっちなのかを自問自答してしっかりと明確にすること。その上で意思決定をしようと考えるだけでだいぶ違うかも。