キャリアはどうやれば形成できるのか
真の安定とはどういうことなのか


最近就職活動時期だからか、こんな質問がソーシャルメディアやBlogを中心に飛び交っている。

多くの人達が知っての通り、日本において長年当たり前だと思われていた大企業における終身雇用神話が大きく崩れてきている。

競争社会である資本市場において雇用を保証することなんてどんな経営者だって、どんな企業だってできるわけがない。できるのは「最大限雇用を大切にしたいと思っている」「可能な限り雇用を保証したい」という経営者の価値観や願望や想いであり、倒産する可能性だって、業績悪化になる可能性だって、経営者が交代させられる可能性だってある資本市場において、終身雇用を保証するなんてどう考えてもナンセンスだということは誰でも理解できるはず。

となると今度は伸びている企業、つまり成長企業が安定だと思っている人達。
確かに今成長している企業というのは勢いもあり、社内にいる人達にとってはいろんな意味でチャンスも多いはず。でもその成長がいつまで続くかなんて誰もわからないし保証してくれない。
就職となると1年以上先に入社するわけで、今の新興市場においては1年も経てば成長企業が成長企業じゃなくなるケースなんて沢山ある。

そのときに「話しが違う」とか「選択を間違えた」と感じるのはこれまたナンセンス。
そもそも企業のコンディションはそのときそのときで変化していくもの。
良い時もあれば悪くなるときもある。
成長著しい時もあれば、厳しい局面もある。
そういう山谷を乗り越えてでも自分達が成し遂げたいことが企業ビジョンとか企業理念、ミッションなどと呼ばれるものであり、その本質に共感せずに条件ベースで選べば、当然ながら条件が変わった瞬間にその組織にいるモチベーション自体が大きく損なわれる。

年収3000万円の外資金融マンと結婚したら1年後に解雇になり、転職先では年収800万円。
話しが違う、離婚だ、というような話と同じこと。
何となく現実的にも結構ありそうな話なのが怖いけどw

これからの時代は多くの人が70〜75歳くらいまでは働くことが普通の時代になっていくと思う。
そう考えれば生涯安定している企業も事業もありえない。
そのときに初期条件を重視しすぎた企業選びは、明らかに本質的ではないと思う。

唯一確率論が当てはまるとすれば、若い世代の人達は成熟業界に身を置くのではなく、変化の激しい、これから成長し続ける業界に身を置くことで、世の中にないノウハウや経験を身につけられる可能性は高い。諸先輩達が未知の領域で、これから多くの企業や組織が求めるノウハウや経験であれば、当然それが自分の武器やキャリアとなりうる。

ま、それ以上に好きこそ物の上手なれなので、自分が本気でコミットできる土俵を選ぶことのほうが大事なのは言うまでもないけど。

既存の情報をいくら分析して勝ち馬を選ぼうとしても、競馬と同じくらい当たらないし、当たったとしても会社が成長することと自分が成長することは全く同義じゃないことに気付くだけだと思う。

是非本質的な仕事選びを。