人の育成と定着化ができる会社こそが、長い目で見たときに勝ち残っていく。

これは私が前職を含めて数千社の採用や人・組織について見てきた経験の中で確信していること。


現在の弊社はGreenというIT・Web業界に強みをもつ求人メディアを運営している。
つまり企業の採用(≒求職者の転職)を支援していることになる。

企業の成長にとって、適切な人材を採用するということが至極重要であることについては、恐らく議論の余地はないだろう。

しかしながら穴の開いたダムに水を貯めようとすることほど無意味なことはない。
もちろん無意味と思いながらも短期的かつ戦略的にそれを許容するということはありうるが、穴が開いていることに気づかないままに、これでもかと言わんばかりに水を注ぎ続けている企業は結構存在している。

しかもそのことが無意味なだけではなく、優秀な人材の定着化を妨げることによって組織を弱体化させているようにさえ思う。

この実状はインターネット業界のような知識集約型の産業においてはより顕著だと思う。

資産となるのが人であり知恵であり技術や経験である知識産業では、その人が抜けてしまうことのデメリットは計り知れない。そう考えた上で、人を育てるというと確かにおこがましくもあるが、一定の育成とできるかぎりの定着化を意識した経営努力はすべきでないだろうか。

ではどうすべきなのか。

私なりに大事だと思うことは、第一に何よりも適切な人を採用すること。
ビジョナリー・カンパニー2にも出てくるように、そのバスに誰を乗せるべきかということ。

次にその人に適切だと思われる機会を提供すること。
さらにその努力や結果を適切に評価してあげること。

このサイクルを適切に回すことが驚くほど重要だと思う。特に長期的な視野に立てばなおさらだろう。

もちろん組織の硬直化は望ましくないし、組織の活性化という点からも、ある程度の離職率があることについてはそれほど問題ではないだろうし、むしろプラスの要素にもなりうるのかもしれない。

何にせよ短期的にお金を投資して採用するのも大事かもしれないが、一般的に会社経営は長期戦として捉えるべき領域であり、人材の定着化、すなわち働く人達が幸せややりがいを感じられる組織作りこそが、企業の長期的競争力を高めるのではないだろうか。

事業サイドや技術には長けている経営者が多い中で、人・組織におけるリーダーシップに長けた経営者はむしろ長期戦において強みを発揮できるような気がしている。逆に言えば、長期的に成長し続けている企業を経営しているリーダーは、人・組織に対して高い意識を有していることが多いように思う。

役割という意味でのファウンダーとCEOの違いもそこにあるのかもしれない。

常日頃、我々は人材の採用という側面を支援させて頂くことが圧倒的に多いが、育成や定着化に対しても今後支援させて頂けるようになれればより本質的な企業のパートナーになれるはず。

ということで新たなビジネスの種として具体的な方法論でも考えよっと。


追伸

ここで話は大きく変わりますが、この半年も本当に多くの人達に支えられてきました。
おかげ様をもちまして、この半期は過去最高のパフォーマンスとして終えることができそうです。
明日から新卒4名も加わり、新たな体制で更なる成長を志してアクセルを踏んでまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。