私自身起業した当初より、

理想の組織=全ての社員が誇りを持てる組織

を実現したい、と思ってここまで頑張ってきたという経緯がある。

今思えば、創業当初は経営とか株式会社や資本市場ということへの理解が浅かったこともあり、単なる本能というか感覚的なレベルでそれが大事だと捉えていただけだったような感じだったのかもしれない。


ある程度知識がついてきた今、本当に理想の組織がどういう組織なのかということを改めて考えている。

全ての社員が誇りを持てる組織であるべきだという本質的なイメージは今も何ら変わりない。

ただ社員が楽しいとかやりがいがあるということだけでなく、顧客からも信頼され慕われ必要とされてなければいけないし、株主からも評価され応援してもらえ、雇用を生み出し税金を納め、社会から必要とされるような、そんな会社でなければ多くの社員が誇らしい会社になんてならないということはわかってきた。

そんな中で、長期に渡り意欲ある社員がやりがいと生きがいをもって働き、幸せな人生を送るためには、どういう働き方がベストなのだろうか。


特に最近はライフワークバランスを強く主張される方々もいるし、ヨーロッパ型の働き方を推奨している方も多い。でも何だかどれも自分だったら興味ないな、と思いがちで、今ひとつピンとこずにいた。だからといってみんなが毎日深夜まで働き続けるようなワーカホリックな組織では、多様な人が誇りを持てるような結果にもならないし、働けるのは一部の体力と気合のある人達に限られてしまう。そもそも労基法にも違反してしまうしw

さてどういう働き方が理想なのだろうか。

そんなことを考えいたいたときに以下の雑誌の中から私のイメージに近いと思える主張を見つけた。


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以下は社員に自主管理を強く促し自由度と裁量を最大化していることで有名なEvernoteのCEOのインタビュー記事の一部で、社員のライフワークバランスが崩れるのではないかという質問に対するCEOの回答。


仕事とプライベートの時間との間に線を引くべきとは思いません。少なくとも、私にはそんな線はありません。ただ「ライフ」があるだけです。エバーノートの社員はここで働くことを人生の大切な一部だと考えている。
したがって、休暇中であっても夜の11時にeメールをチェックし、週末でも仕事のことを考えているだろうと、私は期待します。しかし、やっている仕事が好きになれないとか飽きている場合には、それが嫌なことになる。
一方、妻がレストランのレビューをeメールで送ってくれば、私はデスクに座っていてもチェックするでしょう。午後5時まで待とうなどとは考えません。だから目の前の仕事に燃えている人間にとっては、ライフとワークの境界線は完全に溶解しているのです。



この会社は社員がオフィス以外で働こうと何ら構わないとしている。
休暇も無制限と、社員ひとりひとりに自律と自己管理を求めている。
一方で二流の人材は一切不要だとしており、一流である社員だけを雇うことに重きを置いているという。


上記を参考にしつつ、私なりに考えるライフワークバランスのベストは、公私の線引きを必要以上に明確にせず、遊びの延長に仕事があり、仕事の延長に遊びがあり、それら全てをひっくるめて家族と共に幸せな人生が送れていると感じられる状態であることかなと。

いろいろ賛否両論あるだろうが、大事なのはそういう働き方、そういう価値観に一致する人をちゃんと集めることが何よりも大切だと思う。


サッカーに例えれば、サッカーが好きだからどのチームでもいいのではなく、健康のためにサッカーをやりたい人と、世界一を目指してサッカーをやりたい人にとっては、入るべきチームは当然ながら異なる。ビジネスの世界も自分がどういう働き方、どういう人生を歩みたいか、それを叶えるためのチームはどこなのかをちゃんと判断することが大事。

組織もちゃんと自分達がどういう価値観でどういうレベルを目指して働いているのか、どういう生き様を幸せだと感じる人達が集まっているのか、をしっかりと伝え、ミスマッチを防いでいく義務がある。


でもやっぱり思うのは、ビジネスが楽しければ飲んでいても仕事の話になるし、家に帰ってもビジネスのことを考えたり本を読んで勉強したりしてしまうもの。もちろん年齢や家族を持つことなどによって投下できる時間などは少しづつ変化はあるだろうが、それでもやはりビジネスやるからには本気でやったほうが絶対に面白いと思う。


成功という結果も得たいが、心から信頼できる仲間と共に切磋琢磨する、というその過程にこそ人生を豊かにするエッセンスがあるのかもしれない。



こんなこと書くと誤解されそうですが、決してうちはハードワーク推奨のブラック企業ではないので、そこのところ誤解なきようお願いしますw