会社を見る定量的な指標としては売上や営業利益・経常利益、さらにはROEだ時価総額だといろいろあるが、大事な指標の一つに労働生産性があると思っている。

労働生産性とは、従業員一人当りが生み出す付加価値高であり以下の式で求められる。


労働生産性=付加価値 ÷ 従業員数


付加価値は厳密にいえばいろいろ面倒な計算が必要だが、簡易に考えるのであれば売上総利益で代用してみてもまあ傾向は掴めるように思う。(厳密には開発メンバーの人件費を売上原価・販売管理費のどちらに入れているかで結構ズレが出るので要注意)


結局のところ労働生産性というのは社員一人ひとりが会社の事業を通して社会に生み出す付加価値であり、基本的にはその価値の金額内でしか給与は払えないわけで、つまるところは生産性が高ければ高いほど給与水準を高められる余地があるということで、生産性が低ければ低いほど給与水準を上げづらいということになるはず。

企業が主力としている事業の労働生産性の限界値が低いとすると、長期的に見て給与水準の上限がすぐに見えてしまうことになる。

どういう生産性の会社にするか、どういう人を雇うか、これは一概に正解があるわけではなく、経営者の戦略やポリシーに依存するのだろう。

私自身の考える基本ポリシーは、自分自身が働きたいと思える会社なので、そういう意味では一流の人材を集め、労働生産性が高く、給与水準も高い会社を創りたいと一貫して考えてきた。


結果として今の組織では一人あたり生産性は5期連続で向上しており、業界でもトップレベルと言っていいであろう水準で推移させることができている。勿論そもそもの規模感が小さいのはあるが。。。



試しに世の中の給与水準が高い成長企業の代表であるサイバーエージェントとリクルートの決算情報から簡易に労働生産性を算出してみると、、、、

サイバーエージェント   2378万円
リクルート        3970万円
DeNA           5765万円


とやはり相応の金額。特にDeNAの生産性は恐ろしいレベル。。。
まあ勿論モバゲーの収益力が半端ないわけで、それを維持するのは至難の業ではあると思うけど。

だからこそ社員に対しても高い給与を提示できるのだと改めて納得。


勿論働く目的は給与向上だけではないとは思っているものの、社員が物心共に満たされて働きがいのある理想の組織を目指す上では、労働生産性は外せない指標であり、経営者の目指す組織イメージが現れる指標の一つだと思う。

自分の会社の労働生産性を調べてみると、意外に愕然とするかも?!