最近思うのは、凄い会社というのは本当に地道な努力を続けているんだなということ。

凄いスポーツ選手が本当に地道なトレーニングを誰よりも必死になってやってきた結果であるのと同じように、凄い企業というのは本当に外からは見えないような細かい努力を徹底してやり続けてきた結果なんだと。

そう思わされた事例を紹介しよう。


先日ユニクロでつま先とかかとだけがひっかかるような靴下を購入した。
まさに夏、素足のように靴を履きたいというニーズに対する商品であり、毎年愛用している。

ただ昨年唯一の懸念として、足の甲の部分にあたる靴下の縁が折り返して縫い合わせてあり、長時間靴を履いているとその部分が足の甲に食い込んでしまって痛くなるということがあった。
まあ安いし脱げにくいし、そのくらいは仕方ないと受け入れていた。

それがなんと、今年購入して履いたみたら全く痛くなくなっていてびっくり。
良く見たら靴下の縁の縫い合わせがかなり特殊な縫い方をしていて、全く痛くなくなったではないか。
こんなミクロな課題点を誰が気付き、誰がここまで試行錯誤して作り上げたのだろうか。
大袈裟に思うかもしれないが、愛用していたユーザーとしては自分の心の声が届いたかのような気がして本当に感動した。

そういえばユニクロで少し前にも似たようなことがあった。

うちの社員が会社に当時ユニクロが力を入れ始めたステテコを普通にはいて出社していた。
さすがにちょっとパジャマっぽいのは否めないが、真夏は涼しくて軽快らしく、手放せないらしい。
まあエンジニアなのでそれもありかなと思っていたところ、唯一の弱点としてはポケットがないことだという。恐らく部屋着としての使用以外を想定していなかったのだろう。
そりゃステテコなんだから仕方ないだろーと冗談交じりに言っていたら、翌年ポケットのついたステテコが販売されていたのを見てびっくりした。

このレベルまでちゃんとユーザーニーズを商品改良に活かしているんだと。


今回はユニクロの事例を2つ紹介したが、インターネットサービスやモバイルさービスであっても、何となく使いやすいなと思うサービスは、その裏ではとんでもなく細かいところにこだわって改良を続けていたりする。
もちろん言うは易し行うは難しで、一朝一夕にはできるようなものでもないし、本気でユーザーのことを考え抜く姿勢や、カルチャーがなければ、そもそも気付くことさえもできないような細やかな改良ポイントが最終的には大きな差となって現れてしまう。

まさに「神は細部に宿る」である。

我々も多くのユーザーに使って頂いているサービスを運営している立場として、驚くほど細部にまで徹底してこだわってものづくりをしていかねばならんと、ユニクロの靴下によって改めて気付かされた次第。