最近巷ではモチベーション・マネジメントやモチベーション管理なる言葉が飛び交っている。
少し乱暴に言えば、社員のモチベーションを高めないと成果は出せないという意味合いで使われていることが多い。

ただ少し過保護な印象も受けるし、モチベーションが高くないと仕事ができないというのは、あまりに甘えているようにも感じる。

プロスポーツチームにおいては、監督は選手のモチベーションを高めることよりも、どうやったら選手が伸びるか、どうやったらチームが強くなり勝てるか、ということを中心に褒めたり叱咤したりアドバイスをしたりするのではないだろうか。

そもそもプロアスリートでモチベーションが低いなどという時点で戦力外かもしれない。

勿論人間はそれほど強くないので、定期的に自分の決断や生き様に疑問を持ったり、モチベーションを下げたりすることはあるのも事実。あのプロゴルファー宮里藍ちゃんでさえも渡米直後はゴルフを嫌いになったし、辞めようかどうか悩んだと言うのだから、一般人からしたら当然だろう。


ただ最近思うのはモチベーションと気分がごっちゃになっている気がする。

ちょっと仕事で辛いことがあったり、しんどい経験をした時に、いちいちモチベーションが下がってしまう人がいるが、そんなことでいちいちモチベーションを下げていたら長いビジネスライフを安定的に成長して価値発揮することなんてできやしない。

気分や機嫌の上下はあるだろうが、仕事に対するモチベーションはそんな瞬間の出来事でいちいちぶらしている場合ではない。

そもそも目の前のちょっとした仕事がうまくいかないことなんて誰にでもある。
失敗するたびに落ち込んだりモチベーションを落としていたら、仕事が面白くなるわけない。

なのでどちらかといえば、自分が成し遂げたいこと、自分が目指している姿、そういう長期的なゴールイメージをしっかりと持ち、そこに対してモチベーションを持つことが大事なんだと思う。そして日々の業務上の失敗や、辛い経験は、あくまでもそのゴールに向かっているプロセスにおいて躓いただけのことであり、高いゴールを掲げていればいるほど何度も何度も壁にぶつかったり、挫折しかけたりするもの。それでも自分が成し遂げたい姿さえぶれなければ、それほど日々のモチベーションがぶれることなんてないのではないだろうか。

なんか褒められたい、仕事でうまく成果を出したい、そういうミクロな部分にモチベーションを感じながら仕事をする人が多いような気がしてならない。

下町ロケットの佃社長じゃないが、国産ロケットを飛ばしたい、そういう大きな目標に対してモチベーションを持ちながら、日々は失敗の連続。それでもモチベーションは一切ぶれない。そんな働き方をしている方が絶対に成長するし、自分自身も楽しいのではないか。

上司の評価、給与、日々の成功、それだけが心の拠り所だとしたら、安定して仕事を楽しむことなんてできない。

自分のモチベーションの源泉がどこにあるか、どうあるべきかについて少し考えてみると、もしかしたら日々のモチベーションの上下が一気になくなり、長い道のりで多くの失敗をしながらも、安定してワクワクしながら突き進めるようになれるかもしれない。