リモートワークが当たり前の世の中になり、いよいよ旧態依然としたヒエラルキーによる管理型組織がワークしなくなり、必然的に自律分散型組織への注目が高まってきている。

とはいえそれでもまだ「リモート環境でも部下が働いているか監視するツール」などを全力で探していたり、作ろうとしている人達もいるというから驚きだ。


そういう人たちに「あなたは上司が見てなければサボりますか?」と聞くと決まってこう答える。
「自分は仕事も好きだしやる気もあるので上司が見てなくても当然サボらない。」

自分はサボらないけど、部下はサボると思っている。でもさらにその人の上司からすれば、その人さえも監視してないとサボると思われているわけで、まさにこれが性悪説で作りあげられたヒエラルキー型組織の悪い例。


ちなみに余談だが、人事評価においても面白くて、弊社のような360度評価だと評価者として能力が不足している人が評価するのはどうかと思うというような意見を頂くことが多い。私はそういう人にはこんな質問をしている。

「あなたは部下のことをちゃんと評価できている自信がありますか?」

ほとんどの人はそれなりにできていると答える。次にこう聞いてみる。

「あなた自身への上司からの評価は適切にされていると思いますか?」

多くの人は「・・・・」となる。

自分はできてるけど、自分への評価は適切ではないと考える人がかなり多いということであり、やはり気付かぬうちに自分中心で客観的ではなくなっているということなんだろう。


話を戻すが、リモートワーク中心になり、仕事を細かく指示することも難しくなってきていたり、完全なる職務概要を定めてそれを実行すればいいというケースも知識産業化によって減ってきている。
そういう状況においては、今まで以上に、自らが自らの仕事を創造することが重要になる。もちろん最低限度の役割としてやるべきことはあるが、それに加えて何ができるか何をすべきか、それを自ら考え生み出せる人が活躍する時代に突入している。

言い換えれば、タスクベースで仕事をこなす人よりも、ミッションベースで仕事ができる人の方が圧倒的に価値があるということ。

上司がやるべきことを指示してそれをミスなくソツなくこなすことが優秀だった時代から、目標や戦略方針を理解した上で、自分が何をするのがもっとも貢献できるか、今チームの中で自分が何をしなくてはいけないか、ということを自ら考え実行できる人こそが優秀だと言われる時代が到来している。

こういう時代に個人事業主や経営者が強いのはまさに最初から自分に上司がいないから、自ら考える以外に誰も指示してくれないから。仕事をサボれば自分に跳ね返ってくるし。。。

サラリーマンで給与をもらい、上司に指示されることを実行することに慣れてしまった人は、このリモートワークを機会に、大きく感覚を変えていくべく挑戦してみてほしい。ちょうどうるさい上司から細かく管理監視がされなくなっているこの機会をチャンスと捉えて、今の組織、今のチームで何をすればもっと本質的に目標の実現や顧客価値向上に繋がるかということを考え、生み出し、実行してみるべし。

VUCAと言われる不確実性の高い時代だからこそ、どんな組織でもどんなプロジェクトでも、自分なりの価値を発揮できる人材になっていくことが、唯一最大の安定だと思う。


最後に、このリモートワーク状況で多くの会社が気付いたと思うが、労基法が多くの業界や組織の実態に全く適していないということ。さっさと変えて欲しい。