麻布十番で働くCEOのBlog(旧・南麻布で働く社長のblog)

成功報酬型求人メディアGreenの運営や、インターネットサービスの企画・開発を行う株式会社アトラエの社長のblogです。

2016年08月

もうすでに何度かご紹介しているので、このブログを読んでくれている方々はご存じの方も多いと思うが、弊社アトラエは出世という概念がなく、一般的にいう上司・部下という発想もほとんど存在していない、極めてフラットな組織で運営されている。

「ほとんど存在していない」という言葉を使ったのは、上場企業として重要なコーポレート・ガバナンスのための決裁や稟議のために、フラットながらもプロジェクトごとにリーダーと呼ばれる決裁者が存在しているために、上記のようなニュアンスを含めた次第。

そんな細かいことはいいとして、そんなフラットな組織で各自が自律的かつ機能的に柔軟にバリューを発揮したり、お互いの強みを活かしながらチームとしてパフォーマンスを上げていくために重要なことが一つある。

それは自分の取り組んでいることや自分の状況、自分の状態、自分の活動内容を、できうる限り関係する仲間に共有すること。つまり情報発信を無駄だと思えるくらいにすること。

自分の情報を常に発信することで、過去に同様の経験している人がサポートしてくれたり、情報を提供してくれたり。

また常にお互いがお互いの状況をなんとなくでも把握することで、チームとして補完しやすかったり、といろんなメリットがあるもの。

一方で多くの組織では自分の仕事は自分の中で完結させたいという思考に陥りがち。
横槍を入れられたくない、ダメ出しされたくない、ミスしてもバレたくない、どうせ意味ない、など、旧態依然とした組織で働くゆえのいろんな防御本能が働いた結果なのだろう。


よくフラットな組織はいいよね、と言われるものの、実はフラットな組織でパフォーマンスを上げるためには、組織風土の構築、採用する人材へのこだわり、社内の価値観の統一など、かなりこだわる必要があり、一朝一夕にはいかないもの。

逆に無理にフラットにすると組織やチームとして全くワークしなくなり、パフォーマンスがだだ下がりになったり。。。。


アトラエとしては知識産業が中心となる次世代の新たな組織のあり方として、従業員の知恵を最大化するフラットで自由闊達な組織のあり方を今後も模索していきます。

売上をもっとあげたい、経営者なら誰もがそう思っているだろう。
かくいう私も勿論今の売上に満足しているわけもないのだが。

その一方で組織のリーダーとして「売上を上げろ」という指示を出すのは、私の感覚からすると明らかに組織をダメにするミスリードの典型だと思っている。

売上を上げる、利益を増やす、みたいなことを事業運営・組織運営の目標とすると、事業やサービスを通して顧客に価値を提供するという最も大事なマインドが次第に薄れていくものである。

売上を上げるためには顧客に提供する付加価値を高めるか、もっとも多くの顧客に価値を届けるか、ということでしかないわけで、リーダーとしてはそういうメッセージを出すことによって、顧客に価値のない売上なんてありえない、今よりももっと顧客に価値を届けることに力を尽くせというニュアンスが組織全体に伝わり、風土やカルチャーを醸成することにつながる。


多くの組織で目標とされがちな売上や利益だが、その数値の持つ本質的な意味や、その数値を実現するためのプロセスへの拘り、何故それだけの数値を目標にしているのか、それらのストーリーを関わるメンバーにしっかりと理解、腹落ちさせられているかどうかこそが、リーダーとしての重要な役割だろうと思う。

誰も売上を上げたくないなんて社員はいない。
でも一方で売上をあげるために働きたいと思う社員なんていない。

日本経済が右肩上がりで成長しなくなった現在においては、単に経済的な条件だけで優秀な人を惹き付けることはできなくなっている。人材の流動化が高まり、より知識産業化が進む世の中において、組織は今まで以上に人を採用し、育成し、定着化させることに力を費やす必要がある。人や組織こそが、競争の源泉であり、唯一無二の武器となりうるのだと考える。

そんな時代においては、従来のピラミッド形の出世を前提とした組織体系にそれほど大きな価値も意味もなく、年功序列に至ってはもはや弊害しか生まない。老若男女、あらゆる人の知恵を活かし最大化できる組織こそが競争優位に立つ時代。

まさに組織理論は次の世代に突入せざるを得ない状況を迎えていることをひしひしと感じる今日この頃である。

若い社員と仕事をしている中で、仕事の進め方や意識の仕方という観点から、大きく2つのタイプに分かれることが最近わかってきた。

1つは完全に下っ端として事務作業やスケジュール調整や印刷などを徹底してこなし、何か考えるべきことや判断すべきことがあれば、常に「どういたしましょうか?」「どうすればいいですか?」と聞いてくれるタイプ。

もう1つは、すべての事柄に対して自分で考え、自分で判断・意思決定をした上で、「こう考えたのでこう進めようと思いますが、それで問題ないでしょうか?」「こうやりますけどいいですよね?」と自分なりの判断・意思決定をした結果を報告・連絡・相談にくるタイプ。


前者は恐らく、門前の小僧なのに経を読めるようにならないパターン。
後者はかなり近いうちに、経を読めるようになるパターン。

つまるところ丁稚奉公だけをいくらしても仕事ができるようになんてならんということ。
先輩や上司の仕事をどんどん盗んでいき、変わりにやってしまうことが大事。
大事なのは、そのリスクまで自分でとって勝手に進めてしまうと事故る可能性が高いのと、とはいえ会社組織としての意思決定プロセスを無視することとなり、ただの暴走野郎になってしまうということ。意思決定や判断を自分なりに最後の砦としての意識をもった上で行い、その結果をもって先輩や上司に報告・連絡・相談をすることを繰り返すことで、自分の判断軸のズレなども理解できるし、意思決定の責任を無駄に背負うことなく仕事を進めることができる。

相談にくるものくるものが「いいね」「進めて」「その通り」という内容になると、いよいよ「もうお前の判断に任せるよ」という日はかなり近づくわけで、いよいよこちとらライバルとしてうかうかしていられなくなるもの。

考えろ、と言われて考えるのではなく、自ら率先して「自分なら」「自分が責任者の立場だったら」「自分が経営者だったら」と考えることで、視点が高まり、圧倒的な修羅場経験を積むことができる。しかもその答え合わせまでできるのであれば、そんな最高の修羅場経験はない。

優秀な先輩や上司とプロジェクトを組むということはそれほどに大きなチャンスだということをどれだけの若手が認識しているだろうか。

多くの人は「口うるさく言われてやりづらい」とか「全然自分の意見を通してもらえない」「厳しすぎる」などと平々凡々なサラリーマンの言い訳みたいなものに逃げ道を求めてしまっていないだろうか。

やるなら上司や先輩を追い越すくらいの気持ちでやることが大事。

成長の機会なんて組織にいれば働き方一つ、意識の持ち方一つを変えるだけでゴマンとある。

若手社員には是非ともお人好しの丁稚奉公ではなく、向上心をもったライバルになってもらいたいものである。

最近会社員の副業についてFacebook上でもいろいろと話題になっている。
いくつかの会社は副業OKと宣言することで、先進的な働き方ができることを打ち出していたりするものの、組織へのロイヤリティや不公平感が生まれることを嫌い、副業は基本NGとしている会社がまだまだ大半だろうとは思う。

取締役はOKで、従業員はNGという会社も多いはず。
会社の就業規則というのはそもそも従業員向けのものなので、就業規則が副業NGとあれば、従業員は副業NGとなり、取締役はその制約を一切受けない。

最近働き方が多様化してきていることによって生まれてきた問題なのだろう。
個人が情報発信できる時代になってきたことで、個人でいろんな副収入を得ることが、以前とくらべてやりやすくなったということもある。
技術者などはフリーでも稼げたり、夜働くことで副収入を得ている若い女性もいたり、AirBnBなどによって不労所得を得ているなど、副業と一言でいっても多種多様である。


会社経営者の立場としては、なかなか副業OKと声高に言いづらいのが正直なところだろうが、一方で隠して働いている人が多いのも事実なので、認めることでより信頼し合える関係を築こうというのが、副業OKとしている経営者達の発想なのだろう。


ではアトラエとしてはどう考えるべきか。
以前より幾度と無く議論をしてきたが、結論としてはルールは設ける必要はないと考えている。

唯一思うのは、今よりもお金を稼ぐために時間を切り売りするような副業はやめて欲しい、と。
本業をおろそかにしたり、誰が聞いてもダサいこと、かっこ悪いこと、会社組織や仲間に対して後ろめたいことはやるべきではないと思っているし、そういう社員はアトラエにはいないと信じている。

逆に知人に結婚式の映像制作をお願いされて手伝ったら数万円の報酬をもらったとしても、そんなの別にどうでもいいと思う。講演したら車代をもらってしまったとかも全然いいと思う。

本来会社の売上に計上できるような仕事や、アトラエで培ったノウハウや情報を他社に流すことでお金を得たりするような輩は間違ってもうちにはいない。


副業OKと声高に叫ぶのも少し微妙かなと思うし、一方で全ての副収入をNGとすることで、上記のようなちょっとした友人の手助けや、ビジネスパーソンとして価値ある機会さえも失うようであれば、それも何かおかしな話しだと思う。

人として常識的な範囲で、倫理観や道徳観をもって判断できればそれでいいのではないだろうか。
もしアトラエの社員で判断に迷うようなケースがあれば、是非直接聞きに来てくれればいいと思う。

組織は人の集合体。経営陣や従業員という概念を超えて、一人ひとりがお互いを信頼しあうためにも、ルールで縛るのではなく、共通の価値観や倫理観によってかっこいい働き方を実現する組織でありたいものである。

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