最近、ベンチャー企業と大企業の関係性が大きく変わってきているように思う。

改めてそう思ったのはCAモバイルというサイバーエージェントグループの関連会社に対して、電通やNTTDOCOMOが大型の出資をしているという話しが発端である。

もともとは大企業からすれば単なるベンチャー企業で、目の上のたんこぶでしかなかったものが、ネットやモバイルの台頭によってか、楽天やUSENの台頭によってか、大企業がベンチャー企業に親和性を持ち始めているように感じる。


実はキャリア・転職という面でもその傾向が顕著に出始めている。

以前であれば大手総合広告代理店⇒インターネット広告代理店という流れが主流であった。以前よりその逆、つまりインターネット広告代理店から大手総合広告代理店は不可能と言われてきた。

よくいう、大手からベンチャーは行けるが、ベンチャーから大手は行けないんだから、まずは新卒で大手に入るべき、というよく耳にする話である。
今でも多くの人はそう思っているし、事実そういうことも多い。

しかしここ最近、大きく変化しつつある。
大手総合広告代理店がネットのノウハウをもつ広告マンをヘッドハンティングしていたり、ベンチャーから大手商社や大手金融機関に転職したり、様々な逆流(?)事例が出てきている。

個人的にはやっとなるべき状況になったという思いである。


個人的に、物事は原理原則、本質に行き着くものだと思っている。
その本質論からすれば、ベンチャーから大企業は行けないというルール自体、全くおかしい話である。

事実ベンチャー企業で早い時期から裁量を任され、マネジメントや経営に関わってきたような人、事業を自ら立上げ育て上げてきた人は、大企業での新規事業立上げスタッフなどからのお声掛けがかなりある。
それすら当たり前といえば当たり前だろう。


野球やサッカーと同じである。実力があるのに楽天に所属しているから、巨人には入れないなんてことはありえない。
日本で野球やっていても、メジャーには行けない、そんなこともありえない。

スポーツの世界ではとっくに本質的な市場原理に基づく仕組みができている。

ビジネスの世界でもようやく本質的な形に近づきつつあるのだろう。

今後その傾向は一層強まっていく。
特に少子化を迎えていく日本においては、大企業でさえ中途採用を積極化していかざるを得ないことを考えると、より一層そういう流れは進んでいくはずである。


自らビジネスをディレクションしたり、プロデュースできるような人材。

こういう人材が広く市場において不足している。

本当にあらゆる人に開けた実力主義の市場ができてきたといえるだろう。

これからは、まさに本当に頑張れる人、本当に実力ある人こそが、どんどん活躍していくマーケットになっていく!

ここで不安を感じるのではなく、そういう環境になっていくことを楽しめるくらいになりたいものである。