仕事柄や立場上、いろんな人から相談を受けることが多い。

その多くは現在の企業や経営陣、上司などに課題や問題があり、
それを理由に転職を考えているというもの。

そんな話を聞く中で、最近良く感じることが、当事者意識の欠如。


転職を考える理由に

「現在の会社は●●●●がおかしい。」
「うちの社長は●●●●ができてなさすぎる。」
「正直このままでは成功できるわけがない。」
「もっと戦略的に●●しないと、はっきり言って非効率。」

などなど。


もちろん聞いていて、それは仕方ないなと思うこともある。
ただほとんどは、当事者意識の低さを感じざるを得ない。

特にベンチャー企業に参画している人であれば尚更許せない。


ベンチャー企業が未成熟であったり、課題が多いことなどは
容易に想像できることであり、それを共に解決したり、乗り越えて
いくべく試行錯誤するために参画しているはず。


それにも関わらず、まるで自分は関係ない第三者かのような
意見を言う人は正直ベンチャー企業には向かない。


もちろん弊社にも相当沢山の課題や問題がある。
しかしそれはあくまでも課題や問題であり、解決すれば良いもの。


人に伝えるとすれば、

「うちの会社はまだまだ●●が課題だから、早期に解決しようと
今みんなで●●に取り組んでいる。」

「●●という課題を早期にクリアしないと、次のステージには
いけないだろう。」

こういうコメントには当事者意識が感じられる。


でも多くの人は、


「うちの会社って●●でどうしようもないんですよ。」
「うちの会社はVisionが全然浸透してないので、かなりバラバラです。」


という一方的な第三者としての批判。決して解決策を考えている
わけでもなく、改善しようと努力した結果でもないケースがほとんど。


そういう人は延々を転職を繰り返すし、優秀なビジネスパーソンに
なれるわけがない。

常に当事者意識を持ち、自分の会社、自分がこの会社を成長させていく、
自分がこの会社をよくしていく、そういう考え方をもてない限りは、
例えベンチャー企業で若くしてマネジメントに携わっていたとしても、
単なるサラリーマンでしかない。


もちろん経営者の性格的な問題や、経営者との考え方の不一致など、
根本的な問題については、解決や改善が難しいケースが多いことも
よくわかる。

しかし最大限自分なりに改善しよう、解決しよう、という取り組みや
努力もなく、ただ批判するだけであれば、まさに評論家の域を出ない。



またそれと似たようなケースにおいて、若くしてマネジメントを
任されると、ついついマネジメントの意味を勘違いしているケースも
非常に多い。


私が考えるマネジメントとは、

管轄メンバーの意欲と能力を高め、短期的にも長期的にも
その組織のValue&Performanceを最大化すること


だと思っている。


決して管轄メンバーの代表として経営陣からの要求を跳ね除け、
メンバーを守ったかのように勘違いすることでもないし、経営陣に
言われたことをただメンバーに要求し続け、経営陣にゴマをする
だけであってもならない。

実は私自身、若き日にはまさにしょっちゅう経営陣に反抗的に挑み、
メンバーを守る兄貴分のようなマネジメントを良しとしていたこと
もあったが、いろんな経験の中でやっとマネジメントの本質を理解
するに至った。


話が拡散してしまったが、結局のところ、自立的に取り組み、
当事者意識を持ち、自らが組織の持つVisionや目標を達成する
ために何を実行すべきかを考え、実行することをしっかりと
意識してさえいれば、間違いなく本質にたどり着く。

何があっても外的環境や外部要因を理由にせず、その課題や問題を
どうやったら解決できるかを考え、行動することこそが、力ある
ビジネスパーソンだと思う。

組織が大きくなるとどうしても会社は誰かの物であり、自分は
そこで働いているだけ、という感覚に陥りがちだが、真に楽しく、
真に成長したいのであれば、この会社は自分達の会社であり、
この会社を良くするも悪くするも自分達次第だと考えることが
重要。

それが当事者意識であり、弊社でいうところの神輿を担ぐということ。


新入社員の人達は特にその意識を持てる人が少ない。
だからこそそういう意識を持てる人は、確実にずば抜けて成長できる。


ぜひとも弊社の新人にはそうなってもらいたい。