ビジネスの現場は泥臭いことも多い。

勿論、戦略や理論は非常に大事であり、それがなければこの知識産業社会では勝ち残ることはできないのは間違いない。

しかし一つ一つの現場は、いわば局地的なゲリラ戦であり、そのゲリラ戦で勝てなければベンチャー企業において成長はないと感じる。

私自身、自分で言うのもなんだが比較的スマートな仕事の仕方を好むし、これまでもどちらかというとそういうスタイルでやってきた。

しかし起業して以来、もっと商売人として執着というか、稼ぐことへの執着を持たなければと思うことがしばしばある。

ビジネスモデルや競争優位性、差別化など、確かにあるに越したことはないが、そんなものがなくとも営業力や提案力、交渉力で売上を生み出していかないといけないシチュエーションは沢山ある。


勿論それも大事だが、一人ひとりがもっと執着しないといけない。

支払いサイトなどの交渉においても、弊社の資金力を考えれば、入金は一日でも早く、出金は一日でも遅く、と考えるのは当たり前。

購入する商品については1円でも安くと考えるのも当たり前。


こういうことを言うと決まって返ってくる言葉は、

「無理なディスカウントを要求すると関係性が悪化します」
「フェアバリューで取引きしないと長続きしません」

というコメント。

最大限ディスカウントしてもらいながらも、関係を維持することが能力であり、高い料金を払わないと良い関係を築けないようなら誰が交渉しても同じでしかない。

一人ひとりが、このコストをあとちょっとでも下げられないか、この支払いサイトをあと数週間でも伸ばせないか、この売上をあとちょっとでも上げられないか、この粗利益率を1%でも改善できないか、この納期をあと1日早くできないか、ということに執着できない組織は、単なるサラリーマン組織でしかない。

できない言い訳は沢山ある。
実現する方法はなかなか見つからない。

そんなことはわかっているが、それでも必死になって執着して考えることで、実現できることは沢山ある。

以前も紹介した本「朝令暮改の発想」にも買かれているが、セブンイレブンはまさにそういう壁を幾度となく乗り越えてきたからこそ、常に業界No1の座を維持している。業界の常識さえも何度も覆してきた。

我々もまさにそうならないといけない。

自分への戒めも含めて。

改めて何事にも執着を持って取組んでいきましょう。