裁量や権限や自由、転職する際にこういった点を重要視する人が増えている。

自由度が高く、若くても自分で考えたことを実行できたり、言われたことをやるのではなく、自分で考えて自発的に仕事をしたい、こう言いたい人の心情や気持ちはそれなりにわかる。

しかし果たして本当にそうなのか、というところが問題。


「何してくれてもいいよ。ただし今の会社が置かれている状況や市況、さらにはチームワークや全体最適を考慮した上で、会社の目標・目的を実現するために適切なことであれば。」


以前に経営していたベンチャー企業(子会社)で働いているときに、やる気みなぎる若い社員にこんな風に伝えたことを思い出す。


本当にその通り。しかもそうやってくれればそんなに楽でありがたいことはない。

しかし実はこれ、めちゃくちゃ難しいこと。

ほとんどの人は役割をはずして、何してもいいよ、というと何もできない。

これが出来る人は本当に仕事ができる人だし、経営者にさえなれる人。
逆にいえば、経営者を目指す人はそういうことができなければいけない。

会社からやるべきことを教えてもらえる環境は本当に楽だと思う。

ベンチャーになればなるほど自分で考える割合が多くなる。

こういう市況になると日々変化する必要もあり、戦略も朝令暮改になりやすい。
まさにこういうときこそ全員がそういう動きをしてもらいたいと願うもの。

しかしこういうときに自分がどう動いていいかわからなくなり、時間を持て余してしまったり、気持ちだけが焦るもののどう貢献していいかわからなくなってしまう人が多いはず。

でもこういうときこそ、一人ひとりができることを必至に考え、自発的に動ける組織が勝つ組織。自発的に動くということは、決して自分だけで考えるということではなく、自ら聞きに行くということもその一つ。

受身だったり待ちの姿勢だと、こういう状況下では一切貢献できない。

ベンチャーの面白さであり難しさはまさにそこにある。

そこを必至に考え、自発的に動こうとするからこそ、成長していくはず。


「責任と裁量を任せてもらえる環境を希望します」

この言葉、良く耳にしますが実はこんなに大変なセリフなんですよ(笑)。