最近のベンチャー企業はフラットな組織が増えてきている。

つまり、平社員→係長→課長→部長代理→部長みたいな従来の年功序列を前提とした階級型組織ではなく、もう少しプロジェクト型というか、フラットというか。

そこには取り組んでいる事業の構造上の変化と、時代の変遷による年功序列や終身雇用の終焉が大きく影響している。


特にネットやモバイル業界のような若い組織において、その傾向は顕著。


弊社も取締役と社員以外に階級は一切存在していない。

ただそんな中でも社会人として経験がある社員の存在は非常に重要だと思っている。


転職支援をしていると最近感じるのは、ある意味増殖している非常識な若手ビジネスパーソンの存在。

自分よりも経験豊富な年輩社員を馬鹿にしていたり、金を儲けてる人が偉いと思っていたり、合理性と効率性だけを重要視していたり、いろんな意味で人として社会で共同生活を送っていく上での常識やマナーを学んでいない人間が多くなっている気がする。


実力主義であることは望ましいことだと思っている。
しかし一方で先達から学ぶべきことは沢山あるし、先輩から吸収すべきことは沢山あるのも事実。

例えばプロ野球の世界でも、勝てる投手が試合にも出るし、年俸も上がっていくが、それでも投球フォームの修正やオフのトレーニング方法などについては先輩が後輩を教えてくれていて、後輩ももちろん先輩の意見に一生懸命耳を傾ける。

いい意味で実力主義で、いい意味でお互いへのリスペクトがなされているからこそ成り立つ関係だろうと思う。


昨今ITやネットの台頭により20代でも簡単に数千万円稼げる時代になっている。それはそれで多くの人にチャンスが到来するので歓迎すべきこと。

ただしその結果天狗になって人として大事なことを学ばないままに大人になっていったり、経営者になったりしていく姿は決して望ましいことではないと思う。

私自身も多くの諸先輩方々から、沢山のことを教えて頂いたからこそ、今があると思っているし、今でもいろいろと相談に乗って頂いている。


そういう意味では社会人の先輩である人達が、ちゃんと後輩に対して、より本質的なことを教えていくことを放棄してはいけないと思う。

価値観の押しつけや、上下関係の徹底ではなく、あくまでも経験豊富な先輩として後輩の成長を願いつつ、伝えられることを伝えていくという姿勢や意識が大事なのだと思う。

そういうことが出来ている会社は、いつのまにかそれが社風や企業文化としてあらわれてくる。

一方で収益を上げることに傾注しすぎている会社組織は、次第にそれが会社のカルチャーとなってしまう。そうなってからではもう手遅れ。


経営者はもちろんだが、一人ひとりがちゃんと後輩に対して愛情を持ち、教えてるべきこと、伝えるべきことを伝えられるような組織でありたいと思う。

自分よりも賢くても、自分よりも売上を上げていたとしても、先輩が後輩に教えるべきことは沢山あるし、後輩は先輩から学ぶべきことは沢山あることをお互いが理解すべき。

もちろん後輩に負けていられないという、いい意味でも競争心は無くさないでほしいが・・・。


若いことだけがいいことではない。

工藤投手や三浦和良選手こそ、まさにその手本となるべき人達。

最近若い人にばかり注目が集まるので、オッサンを代表して、社会におけるオッサンの価値について語ってみました(笑)。