ベンチャー企業において新規事業の立ち上げは非常に難易度が高い。

何せ人材は少ない、資金面でも余裕はない、認知度も低いときている。


そんな中で新規事業を立ち上げるとなると本当に壁が多い。
十分なリソースを持つ企業であればぶつかることのないであろう数々の巨大な壁が立ちはだかることは免れない。

その一方で起業家たるもの、それを含めて戦略を描き、目標を遂行していかなければならない。


そのときに大事なのは、

「●●がないからできない」

という客観的かつ分析的な考え方ではなく、

「●●がないがどうやったら実現可能か」
「どうやって●●を手に入れてやろうか」

というポジティブかつ前向きな考え方。


日々試行錯誤していると、自社のリソースでは新規事業なんて実現できないんじゃないか、という想いが頭をよぎったりする。

しかしそれは大きな間違いであり、自分の弱さから来る逃げ道志向でしかない。

勿論他社の方が有利な面は多々あるだろう。

でも社会に出ると理不尽なことや公平でないことなど多々ある。

それでも自分達の掲げた想いを再度思い出し、共感し合える仲間がいる組織で、何としても実現してやろうという強い心が必要。


優勝したいからジャイアンツに行くのではなく、楽天で優勝できたら最高だと考える発想こそがベンチャー企業にはふさわしい。


ちなみに弊社でも新卒2年目の優秀な若手社員に新規事業を任せている。

国立一流大学卒で、頭もいいし、ビジネスへの意欲も非常に高い。


当然だが、思いつく事業案を冷静かつロジカルに分析すると、どうしても自社で実現するにはリソース不足で勝ち目がない、という結論にたどりつきやすい。

結果としてそれが壁となって前に進めなくなりやすい。

この分析はある意味で正しい。

頭が良ければ良いほどロジカルかつ客観的に勝ち目がないという合理的結論が見えるのは当然のこと。。


でも実は世の中合理ではなかったりする。

その壁を越える方法もあったりする。

こればかりは経験則でしかわからないことが多いのだが。


強い組織だから必ず勝つことが保証されているわけではない。

組織は人の集合体である以上、定性面などの差でも変わってくる。

私自身、新規事業の成功要因の中でも、担うメンバーのモチベーションという極めて定性的な側面こそが極めて重要だったりすると考えている。


まさに「想いは手法の上にあり」である。


ホットペッパーなどはその典型的な事例だろう。

というのも同事業は正社員をほとんど使わずに、契約社員やバイトを中心として成功させた事業である。

一見人件費の抑制という目的だと勘違いされがちだが、実はそうではない。

あくまでも意欲やモチベーションを重視した当時の責任者だった人が、正社員よりも契約社員やアルバイトの人達の方が意欲的に取り組めるし、捨てるものがないので遮二無二成功に向けて邁進できると判断したという。

頭が良かったり、守るべきものがある人ほど、プライドがあるし逃げ道や言い訳を用意したくなるものだということだろう。


新規事業はそこに熱い想いを持ち、必死になって実現のために力を注ぎこむような人が担うことで、成功確度が大いに変わるもの。


ベンチャー企業では正直いろんなリソースが不足している。

でも

「どうやって実現してやろうか?」

とポジティブに考えられることで切り抜けられるはず。

「元気があれば何でもできる!」


現在弊社でも新たな事業案の検討を進めていますので、乞うご期待あれ。