本日の朝会で社内発表をしたのですが、古参の社員が1名退職することになりました。

創業間もないときからずっと一緒にやってきた社員でもあり、かつ私の親友でもあり、長いこと苦楽を共にしてきただけに、非常に複雑な思いでいます。


理由はいろいろありますが、創業に近しいころから今までの長い期間、安い給与で必死になって会社のためにやってきたものの、次第にその情熱や意欲が薄れていってしまい、そんな自分がこの会社に居るべきではないという本人なりの考えがあってのことのようです。

勿論家族も家のローンもある中で、いつまでも会社の将来性に確信が持ち切れないままでいることの不安感や、40歳を間近にして選択の幅が次第に狭まっていくことの葛藤があったのかもしれません。


正直私の中でも、彼だけは絶対に辞めない、そんなことは微塵も考えていないはずだと、どこかにそんな甘えや勝手な思い込みがあり、十分な対話をしてこなかったのかもしれません。

もしかしたら対話というよりも、その貢献に対して十分な対価を提供してきてあげられなかったということの方が大きいのかもしれません。


今回の件で思ったこととして、やはり会社は成長しないといけない。
そして利益を出し、社員、株主に還元していかなくてはいけないということ。

どんなVisionを掲げても、どれだけフラットで社員同士が仲良くとも、社長と社員の距離が近かろうとも、人それぞれ人生を賭して仕事をしている以上、やはり成功し経済的な還元を得られない限りは、その楽しさはいつまでも続かないということ。

誰も単なる中小企業に入りたくて今ここにいるわけではないのです。


だからこそ、経営者として大事なのは、社員に好かれることでも、社員と仲が良いことでもなく、会社を成功に導くこと、そしてその結果で社員に報いることだと、今回の件で改めて気付かされました。


創業から6年半が経過し、当初離職率ゼロだった弊社も、創業期のメンバーでも残っているのはごくわずか。若手を中心の組織に変わりつつあります。

経営者として自分の力が及ばなかったと気付かされます。


私自身、理想の組織を創り上げる、ということを目標の一つに置いてやってきました。

その中に頑張る社員が経済的かつやりがい的にも満たされる組織という要素があります。

正直このままで全員が一定の年齢になり家族を持ちローンを抱えるようになったくらいのタイミングで去っていく、そんな組織になりかねません。


ある意味合理的な会社なのかもしれないが、そんな組織を目指しているわけではありません。

そのためにもやるべきことは一つ。

会社を成長させ、収益力を高めていくこと。

そして頑張る社員にとって常にエキサイティングでかつオポチュニティに溢れる環境であり続けること、それ以外にはありません。


そもそもそれが実現できない限り、私自身も幸せにはなれない。
第一、中小企業のオーナー社長になりたくて起業したわけではないですし。


私も来月で36歳です。

10月か11月にはオフィスも移転します。

心機一転、改めて過去を振り返ることなく、今いるこのメンバーと新たに会社を創業したくらいの気持ちで、再スタートを切ろうと思ってます。

そう考えれば、6年半前の起業時よりも全然ノウハウもあるし、何よりも想いある20名近い仲間がいる、それだけも全然良いスタートが切れるはず。物事は捉え方次第でポジティブにもネガティブにもなる。ポジティブに捉えるべき。



ここからはこれから一緒に頑張っていく社員へのメッセージです。


将来が見えないことに多少なり不安を感じている人もいるのかもしれません。しかし将来が見えないことは、自分達で如何様にも設定できるということ。

不安は自分達で吹き飛ばすしかありません。

それがベンチャー企業の宿命であり、やりがいだと思います。

自分に逃げ道を用意したら負けです。誰かに依存したり、誰かが成功に導いてくれると思ったら負けです。

私自身、人生を賭してやっていくつもりですので、共に勝つまで戦い抜きましょう。引き続きよろしくお願いします。