行動理念やビジョンの伝達、価値観の継承みたいなことは、強い組織を創っていく上で、本当に重要なことだと、ここ最近改めて強く実感している。

というのも弊社は人材ビジネスを展開していることもあり、多くの企業経営者、多くの転職者とお会いする。

ここ1年くらいビジネスが低迷している企業が多く、そういう企業からはどんどん人材が流出している。

一方でビジネスが低迷していても、あまり人材が流出していかない企業もある。

この差は何なのか。


転職者、特に成長企業から飛び出てくる転職者と話をすると、以下のような背景が見えてくる。


不景気により業績が悪化したことで、理念やビジョン、さらには教育やモチベーション管理、コミュニケーションの強化など、中長期的に大事なことが完全におろそかにされ、短期の売上向上、コスト削減のみにフォーカスしたメッセージやマネジメントがなされる。

それが1ヶ月、2ヶ月なら良いのかもしれないが、半年、1年と続くことで、組織が疲弊し、短期の売上や利益のためのサービスや人員配置が繰り返され、いよいよ何を目指していくのか、どうなっていくのかがわからなくなってしまうということが起きているように思う。


一方で数は少ないが業績が低迷していても人が流出しない会社もある。


その組織でも短期的な売上向上、コスト削減はやっているだろうし、中長期的に大事なことが後回しになっていることもあるはず。

それでも人が流出しない。

その背景にはどうやらビジョンや理念の徹底的な共有、そして経営者と社員、社員同士の高密度な対話がなされているように感じる。

何のために今我慢しているのか、何のために踏ん張らないといけないのか、何のためにコストを削減し、短期的な売上のための商品を売らざるを得ないのか、そのあたりが全社員に腹落ちしている会社では、あまり人が流出していないように感じる。


その反面、順調に成長を続けている企業でも、経営者が売上、利益、株価、ユーザー数などばかりに気を取られてしまい、中長期的に大事な組織作り、人材の育成、対話を怠ると、社員個人にとって旨味がなくなったタイミングで優秀な人材から抜けていってしまい、業績後退へと突き進んでしまうことも良くある話。

上場前後で役員陣が入れ替わる会社とかはまさにそういうケースが多いかもしれない。



そういうことから感じるのは、こういうときこそ経営者はしっかりと社員一人ひとりと対話し、売上や利益ばかりではなく、会社のビジョンや中長期の戦略、方向性を伝えていくことが重要。

そして社員全員で行動理念を語り継ぎ、目指すべき組織、理想の組織をちゃんと共有すること、それが最終的には強い組織を創り出すのだろう。


正直私自身もこの1年くらいは不況にぶつかり、それどころではなかった・・・。

その結果、ついつい短期の売上ばかりにフォーカスしたメッセージを発信してしまっていたと思う。

大いに反省しないといけない。


私が知る中でそのあたりの組織作りにひいでている会社はサイバーエージェントだと思う。

役員の方々とも仲良くさせて頂いているが、その顔ぶれを見ても、本当に素晴らしい経営チームだと感心させられる。藤田さんの才能であり、人望であり、戦略によるものなのだろう。

うーむ、前職が同じで年齢も1つしか違わないのに・・・・。何とも悔しい限り。

近い将来、是非とも彼ら以上に組織モチベーションが高く、優秀な人材が集まる強い組織を創ろう!!

このブログを書きながらだんだんとそう思った(笑)。