組織で仕事をしているとどうしても組織の隙間に落ちる業務が存在する。

もう少しわかりやすく言うと、明確な目標設定や予算設定がされておらず、その業務を自分が対応してもあまり明確に評価してもらなそうな、そんな曖昧な業務が実は多々存在する。

まさに野球でいうポテンヒットと呼ばれるようなもの。

守備範囲と守備範囲の間に落ちてしまうタスク。

これって誰がやるものなの?という疑問が発生する組織は多いと思う。
そして上司が誰かを任命しようものなら、自分だけ面倒なことを押し付けられたとか、不公平だと感じる人も多いのではないだろうか。

しかし実はそうではない。

目先の目標や短期的な予算ばかりを追いかけてしまっている人にとっては、そう写りやすいのかもしれないが、実際には合理的に考えても、それを引き受けてやる方が本人にとってもプラスになるケースが多い。

私が尊敬する稲森和夫さん(京セラ・KDDI創業者)もこんなことを言っている。

どんな仕事でも喜んで引き受けてください。やりたくない仕事も、意に沿わない仕事も、あなたを磨き強くする力を秘めているからです。


またとある米国企業の経営者もこんなことを言っている。

誰もやりたがらない仕事にはしばしば大きなチャンスが隠れてる。

まさにそうだと思う。

第三者に自分の成果や行動を見てもらっていることがモチベーションにつながるのは間違いない。
しかしそれを主目的にビジネスをやっているわけでもないはず。

自らがなりたい自分や実現したい夢みたいなものがあって、そのために日々努力しているのだと思う。そのためにも自分が成長できる機会として様々なことに挑戦してみた方が良い。

それは他の誰のためでもなく、間違いなく一番自分のためになる。

縁の下の力持ちをすればするほど、気付いたときに自分の能力が向上していたり、社内での評価が高まっていたり、自分自身に自信が持てていたり、いろいろと良いことがあるはず。

特に若いうちは食わず嫌いをせず、何にでも手を出し、寝る間を惜しんで仕事することをお勧めしたい。

そういう小さなことの積み重ねが、十年後にはとんでもない差になって現れるということを信じて。