もともと本を大量に読む習慣があった。
今思えば経営者として自習を怠ると成長が鈍化するという脅迫観念のようなものがあったのだと思う。
具体的にはピークの時は恐らく1ヶ月に10冊以上のビジネス書を睡眠時間を削りながら読んでいた。

しかしここ半年くらい、何故か急に本を読まなくなった。
それでも不安や焦りや自身の成長鈍化という以前のような感じもなくなっている。

思うに、15年以上ビジネスの一線で様々な経験を積み、多くの修羅場をくぐり抜け、多くの本を読み知識を吸収してきたことで、今読んでも自身の成長や気付きにつながると思える本が減ってきているのかもしれない。

言い方を変えれば、今は読書よりも違うことに時間を使った方が有益だと無意識に感じて判断しているということなのかもしれない。


急に話は変わるが、昨晩サイバーエージェントの藤田さんの最新著書である「成長論」を読ませて頂いた。
内容自体はビジネスパーソンであれば誰にでも当てはまる極めて一般的かつ当然のことを、わかりやすく簡潔にまとめてあるという印象。ゆえに「そんなの当たり前じゃん」とつい流してしまう人も多いかもしれない。
しかしビジネスの一線で本気で試行錯誤してきた人であれば、随所に心から共感できるノウハウが詰まっていることを強く感じることができた。そこに気付けるかどうかが成長できるかどうかの違いなのだと思いながら1時間30分くらいで読了。

結果として私自身もいくつかの気付きを与えてもらえたと思っている。

偉そうには言える立場ではないが、私よりも更に若いビジネスパーソンにとってはより価値を感じられる本だと思うし、特に入社2年目〜6年目くらいの20代のビジネスパーソンで、少し閉塞感や成長鈍化を感じていたりする人にとっては極めて気付きが多いように感じる。
謙虚にそして真摯に一流の経営者が自分の体験に基づき書いている内容だと感じながら読むことで、得るものは大きいだろう。

ただ学生はまだ読む必要はないし、働いてもいないうちから読んでも「へー」としかならないので、この本の価値を感じられないはず。

冒頭で書いたように、最近本から得られる成果が少ないことを本能的に感じてか、あまり積極的に本を読まなくなっていたが、いざ本を読んでみると新しい考え方や意識改革のきっかけになるのは改めて良いことだと思った。

時間は有限なので、何に時間を投下するかはしっかりと判断していく必要があるが、多少睡眠時間を削ってでも価値がありそうな本は読んでいこう。