ビジネスの世界で成功している人達を見て思うことがある。

それはみんな若いときには誰よりも仕事に没頭してきたという自負を持っている。
寝る時間を惜しんで、遊ぶ時間を惜しんで、プライベートを削ってでもビジネス第一で没頭してきた時期を持っている。

スポーツ選手でもアーティストでもそうかもしれない。
一流と呼ばれる人達の中には本当に天才の人はごくごくわずかで、その多くが努力の賜物であるのだと思う。

随分昔にイチローが記者から

「子供の時からプロ野球選手になれると信じてましたか?」

と聞かれたときに返した言葉が記憶に残っている。

「もちろん信じてました。何故なら同世代の誰よりも練習していると思っていたから。これでプロ野球選手になれないのだとしたら、世の中にこれほど多くのプロ野球選手が存在するわけがないと思うほどに練習をしていたので。」

記憶ベースなので一部文言が違っているかもしれないが、本当に驚くべきボリュームの練習をしていたのだと思う。

ソフトバンクの孫さんもとある場でのプレゼンの中で、

「私は留学時代、どの学生よりも勉強したと自信を持って言い切れる。何故ならば物理的に人間的にあれ以上勉強はできないから、他のみんながどれだけ頑張ったとしても、1日24時間という条件の下では自分と同じ量までしか勉強はできない。」

と言っていた時もなんとも凄い人だし、自分はここまではできないなと感じたのを覚えている。

彼らは超一流なのでまた次元が違う話に聞こえるかもしれない。
もちろん私自身もそんなにストイックになんてやれるはずもない。

ただ普通のビジネスパーソンであっても、やはり体力も吸収力もある若いうちにどれだけ没頭できるかどうかが、その世界でどのレベルになれるかどうかのバロメーターであり、そこで頑張るか否かが大きな分れ道になるのは事実。

自分が一流だとは到底思っていないが、少なくとも若い頃に本当にビジネスに没頭してきたからこそ、40歳を目前とした今でもキャリアや経済的な面などでさほど不安を抱えることもなく、楽しく充実したビジネスライフを送れているのだと思う。

言い換えれば、若き日に本当に四六時中ビジネスのことを考えるような生活をしてきたことによって、40歳に近づく今でも自分が本当にやりたいと思えることをやりながら生きていくことができる権利を得ることができたという言い方の方がわかりやすいかもしれない。

ベンチャー企業も会社組織である以上、労基法に則って全ての社員に有給の権利を付与している。例えその法律がいくら時代錯誤の法律だとしても。。。

だからといって若い頃から有給を最大限活用して、遊びや趣味に時間を割いたり、オフィスにいる以外の時間は娯楽や睡眠などに費やしてしまい、自己の成長に対する投資ができない人は、到底一流のビジネスパーソンにはなれないように思う。

何度も言うが、生き様は人それぞれだし、価値観も多様であって良い。
若くして結婚して家庭第一である事も素晴らしい生き方だと思う。
イチローや孫さんのような人を不幸だと言う人もいるかもしれない。
何が幸せかは人それぞれであろう。

以前のブログでも書いたがワークライフバランスももちろん重要なテーマだと思っている。


ただもしビジネスパーソンとして一流になりたいと思うのであれば、やはりそこには人よりも時間を投じなければ絶対になれないということは事実であり、より高い水準を目指せば目指すほど、若いうちの時間投資をしなければならない。

決して体育会系的に「いいから働け!」などというつもりは毛頭ない。
どちらかというと非合理的なことや、根性論は好きな方ではない。

それでも社会人一年目、二年目から積極的に有給を消化して、リフレッシュだとか、ライフワークバランスだと言うタイプの人には、ビジネスという土俵においてはさほど大きな期待はできそうもないと思ってしまうのは私だけではないだろう。


「土曜や日曜にオフィスで仕事をしてもいいでしょうか?」
「休んでもどうせ仕事しちゃうと思うので別に休みはいりません」

若い頃にこう言ってた奴らは今、ビジネスの世界で大活躍している。

「いくらなんでもお前働き過ぎだろ」
「いつ寝てるの?」

友人達からそう言われていた弁護士の友人や投資銀行の友人も、いまやトップクラスで活躍している。

もしビジネスの世界で大成したいという想いを持つのであれば、体力や吸収力の高い20代の過ごし方を本気で考え、有益に活用することが大事なのだと改めて思う。

さて、うちの若手社員のうち、何人くらいがそういう想いを持ってるのだろうか?!