昨今、我々が主戦場としているインターネット×HRの市場においては、ソーシャルリクルーティングやリファーラルリクルーティングといったキーワードが溢れかえっている。

しかし今まで多くのソーシャルリクルーティングサービスなるものがリリースされては消えていった。
本当にソーシャルがリクルーティングに価値を上乗せする日がくるのだろうか。

当市場を長年に渡ってウォッチしてきた私の見解としては、勿論YESである。
恐らく近い将来カタチはどうあれ、間違いなくソーシャルリクルーティングが採用市場を少しづつ獲得していくと予想される。


ソーシャルリクルーティングについては、最近いろいろなことが言われているが、その本質は突き詰めて言えば情報の入手ルートの違いでしかないと私自身は思っている。

グルメ情報に例えるなら、昔は某有名人のお薦めの店や雑誌に取り上げられた店やぐるなびで検索にひっかかる店に人が集まった。今ではそれだけでは難しく食べログなどの口コミ情報、集合知による情報をより信頼し店を選ぶ人が増えている。さらに自分が信頼する友人から薦められる店は食べログ以上に価値を感じるし、信頼するのは人の常。

つまり情報の信頼性という意味で、メディアや雑誌といった集権的な情報よりも、集合知や口コミ情報といった数多くの個人の意見の総和の方が信頼性が高く、さらにそれ以上に知人・友人からの一次情報の方が信頼性が高いということに他ならない。

NEWSを入手する方法としても、テレビや新聞からネットになり、ツイッターやSNSなどを通じて信頼・尊敬できる人達が関心のあるNEWSを入手することで効率的に情報を集められるようになりつつある。

情報の信頼性や価値として、信頼できる人経由の一次情報は最も価値があるということだと思う。

話しをソーシャルに戻すと、ソーシャルとはまさにその信頼できる人を経由して情報を得るためのプラットフォームとして最適であり、そのプラットフォームを通じて求人情報を求める人に効率的に届けることがソーシャルリクルーティングの価値ではないだろうか。

求人情報も企業の広告や人材紹介会社を通じて入手する経路から、知人や友人が働く会社を紹介してもらったり、知人や友人がお薦めする知り合いの会社を紹介してもらったりする方がマッチング率も高くなる傾向がある。ゆえに企業は社員紹介をできるだけ増やそうとするが、ただ社員にハッパをかけてもそうそう集まるものでもないからこれまた難しい。

そんな状況下で、Facebookを初めとしたソーシャルネットワークはまさにその人づて、口コミ、社員紹介といったキーワードを強化・促進させるに適したプラットフォームになりえると考えている。


付け加えるならば、類は友を呼ぶ法則も効率を高めてくれるだろう。

つまり20代の人の友達には20代が多く、技術者の友達には技術者が多い。
さらに九州の会社の社員の友達には、九州出身の人が多く、そこに求人情報を流通させることができれば、ただ数多くの転職者に接するだけのメディアよりも効率的に九州で働ける人にリーチできる可能性は高い。

そんなことを突き詰めるとソーシャルリクルーティングの理想的なカタチが少しづつ見えてくる。

ソーシャルリクルーティングの世界には、インターネットベンチャーとして複数の企業が挑戦している。百貨店がAmazon.comや楽天と競合して苦戦しているように、我々自身も人材関連企業というよりは、多くの若いネットベンチャー達と未来の重要市場を狙って争っている、そんな印象を持っている。

改めてソーシャルリクルーティングはまだまだ未知数なことも多く、奥が深いが我々が社運をかけてリリースしたJobShareは極めて順調に推移し始めているので、まずはこのサービスを武器に日本で初めてソーシャルリクルーティングでの成功事例を目指したい。