最近あらゆるところで話題となるブラック企業論争。

私の周りのベンチャー経営者達はさすがにブラック企業がどうのこうのという話しはあまりしないのと、我々がブラック企業という言葉を使うときは、世の中のそれとはちょっとニュアンスが違って、本当に法的にグレーなビジネスを展開していたり、暴力団とつながっていたり、ということの方が多いかなという気がする。

ハードワークだからブラックとか、離職率が高いからブラックという話しにはならない。

いろんな人がいて、いろんな立場があるので、意見がいろいろとあるのは当然だと思う。

そんな中で私自身が思うのは、もし自分が働いている会社がブラック企業だと感じるのであれば、一刻も早く転職という道を選ぶべきだということ。勿論本質的なブラック企業だとなかなか辞めさせてもくれないということもあるのかもしれないが、世の中で普通にブラック企業と呼ばれている会社は、ハードワークか離職率が高いか、給与が安いか、くらいではないだろうか。

だったら辞めて違う職場を探せば良い。
日本では基本的人権として職業選択の自由が認められているわけであり、ブラック企業だと言いながらもその会社で働き続ける理由はないだろう。アルバイトでも年収500万円以上稼げるような仕事もあることを考えれば、まさに自分次第ではないだろうか。

あまり書くとやっぱりベンチャー企業の経営者だからI&G Partnersもハードワークでブラックなんじゃないかとか、ブラック推奨派だとか勘違いされそうなので事前に言っておくと、私自身は社員は凄く大切な仲間だと思っているし、家族に近い存在だと考えている。
さらに株式会社というのは人々が人生を有意義なものにするために、人々が作った制度だと思っており、それが一部の人達だけが有意義に感じて、その一方で犠牲になっている人がいるようなものでいいわけはないし、そんな会社は時代遅れこの上ないとさえ思っている。

と前フリした上で思うのは、どの企業も価値観の合わない人から見ればブラック企業になりうるのではないだろうか?

わかりやすくサッカーに例えれば、健康のためにサッカーがやりたい人がプレミアリーグのチームに間違って入ってしまったら、毎日の練習がハードすぎて、それこそブラックだ!と言いたくなるだろう。
一方でプレミアリーグレベルの選手が、楽しく健康のためにサッカーをやりたい人が集まっている草サッカーチームに入ってしまったら、これまた選手のキャリアや成長を考えず、収入も安過ぎて話しにならない、ということでブラックだ!と言いたくなるのかもしれない。

つまるところ、自分の人生、どういう働き方をしたいかは自分で考えないといけない。
そして企業は包み隠さずに自分達について理解してもらえるように情報を提供し、その上で働く個人が(企業もだが)自ら働く環境を選択するというのが正しい発想だと思う。

I&G Partnersは事業フェーズ的にも、社員の平均年齢的にも比較的ハードワークな組織ではあるが、それは拘束したり、要求したりするものではなく、みんなでこの会社をいつまでにどういう会社にしたいかという話をした上で、それを実現するために一致団結し切磋琢磨しながら頑張っている。
逆にいえばそれをやり抜くと自分達がやりがいを感じられたり、給与面でも満たされたり、そもそも楽しいと思えるということ。

逆に価値観が一致しない人は入社していないか、間違って入社してしまったとしても辞めていくだけのこと。

私自身、経営者として人を雇用するということの責任は大きいと思っている。
同じ経営者の中でも雇用を守ることを重視している方だと言っても過言ではないと思う。

しかしながら価値観が全く異なるのであれば、我々が目指している目標や成長スピードを共に目指したいと思えないのであれば、そのときはその人にとっても組織にとっても別々の道を歩んだ方が良い。

そう考えると、特定企業に対してブラックだなんだと批判しているのは誰なのだろうか。
社員なのか、元社員なのか、単なる社外の無関係の人なのだろうか。

ブラック企業は誰にとってどの会社がそう言われるべきなのか、私には今ひとつ良くわからない。

とここまで書いておいて矛盾するようだが、長期的に見ればこれからの知識産業時代においては、如何に優秀な人材が自ら希望して集まり、有意義に仕事に取り組む環境を創り上げるかということは、経営者にとって重要な戦略の一つとなることと思う。

私の自論としては、人を大事にしない経営をしていると優秀な人から離れていってしまうため、最終的には知識産業社会においては負け組にならざるを得ないのだと思っている。

反論も多いような気がしつつ、とりあえずいつも通り思いついた通りに書いてみた。
あくまでも自論ですが。。。。